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スモールトーク雑記

■マカオ出張・ホテル 2011.06.09

ある日の昼下がり、やっかいな問題で、頭を悩ませていると、社長が来て言った。「おい、マカオに行くぞ」「は?」それが今回の旅の始まりだった。

社長によれば、6月8~9日の2日間、マカオの「ヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテル」で、「G2E」が開催されるという。G2Eとは、アジア最大のカジノの展示会で、最新の遊技機が展示される(らしい)。その見学のためにマカオに出張する、というわけだ。

だけど、ウチはカジノの遊技機を作っているわけじゃないし・・・取引先のからみとか、映像開発のからみとか、何かあるのかもしれない。まぁ、社長命令だし、行くしかないけど(でも中国だしなぁ)。

参加者は役員3人。つまり、飛行機が墜ちたら経営陣全滅・・・残された社員や会社は、どうなるのだろう?

日程表をみると、3泊4日になっている。あれ?たしか、社長、「展示会の見学は2時間もあれば十分」と言っていたけど、なんで、3泊4日なんだ?

6月8日晴れ、僕らは関西国際空港からマカオへ飛び立った。飛行時間はわずか4時間、ところが、快適な空の旅とはいかなかった。マカオ航空は、座席が狭いし(特に足元)、アルコールはビールだけ、しかも、テレビもない。それに僕は、「高所恐怖症+飛行機恐怖症」なので、生きた心地がしなかった。

午後7時30分(現地時間)、マカオ国際空港に到着。すぐに、機内アナウンスがあり、「日本からのお客様は放射能の検査がございます」あー、やっぱりな、福島第1原発事故だ。メンドーというより、どんな検査をするのだろう、と興味がわいた。

飛行機から出たとたん、クラっときた。蒸し暑いのだ!さすが亜熱帯、日本の梅雨とは比べものにならない。

ターミナルの入り口に、白い防護服を着た検査官が2人立っている。おー、いたいた。ところが、検査官は乗客には目もくれない。乗客はそのままターミナルの中へ、検査は一切ナシ。はぁ?あの2人は何のために立っているのだ?

ターミナルに入ると、今度は寒い!寒い→蒸し暑い→寒い身体がついていかない。入国審査は、ヨーロッパのように、「What’sthepurposeofyourvisit?(何しに来たん?)」など、ウザイ質問は一切ナシ。でも一応、パスポートの顔写真はチェックしていた。なんと、アバウトな・・・

ターミナルの外にでると、「○△×様」と書いた紙をもった人がたくさん立っている。現地係員(ガイド)だ。僕らのガイドさんは、30歳ぐらいの中国人女性で、スラリとした長身の美人。生まれを聞くと、「大連」だという。やっぱり・・・中国人は東北部(旧満州)と南部では体型が違うのだ。

接待でよく使うラウンジに、長身で美人の中国人女性がいる。彼女が言うには、「北の中国人は、背が高くて、顔も綺麗で、色白、南の中国人は、背が低くて、顔は○△で、浅黒い」ちなみに、彼女の出身は瀋陽(大連のさらに北)。ただの自慢やろ、と思っていた。ところが、今回のガイドさんも同じことを言う。

このガイドさん、名は「ランディ(Landy)」という。中国名もあるらしいが、英語名「ランディ」で呼んで欲しいという。どうやら、これがマカオ流らしい。じゃ、僕も英語名で、と思ったが、良い名が思いつかない。この顔で「ロバート」はないだろうし。

専用のマイクロバスに乗りこみ、ホテルに向うが、10分ほどで到着。バスを降りて、ホテルを見上げると、首が折れそうになる。100メートル離れないと、視界におさまらない・・・さすが世界一の巨大ホテル。Macao_Venetian_view

この「ヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテル」は、中国名「澳門威尼斯人度假村酒店」???左から読むのか右から読むのかもわからない。まぁ、中国名はどうでもいいが、全室スイートルームで、3000室もあるという。信じられん・・・こんなデカいホテル、日本にあるのかな?

ランディが言うには、「部屋の広さは40畳、バスはイタリアから取りよせたホンモノの大理石です、ハイ。とても豪華ですよ。ゆっくり、おくつろぎください」ちょっとヘンな日本語だが、意図するところは、ちゃんと伝わる。

どこで日本語を習ったのか聞くと、「金沢」だという。僕たちも「金沢」から来たんですよ、と言うと、それはもう、大変な喜びようで、金沢時代のことを、ペラペラしゃべり出した。

ランディは、中国の大学で、2年間、日本語を専攻し、金沢の北陸大学に留学し、2年間、日本語を学んだという。「なんで金沢だったの?」と聞くと、「ランディが生まれた大連と緯度が同じなんで、なんとかなると思ったんです、ハイ」

さらにランディ、「大連は雪がないけど、金沢は多いです。でも、大連は風が強いし、カミナリも多いけど、金沢ないですね」金沢は日本一の落雷地域なのに、それより多いとは・・・遠い異郷の街、大連に思いをはせた。

それにしても、ランディ、そこらの日本人より、日本語がうまい。頭の回転もメチャクチャ速いし、都合が悪くなると、お得意の「ハハハ」ですませるし、明るさと知性を備えた魅力的な女性だ。

ホテルのフロントで、ランディが3人分のチェックインをしてくれる。その後、ランディが帰ろうとすると、社長がトートツに、「明日のショーの予約もお願いできますか?」ショー?あー、あのラスベガスの・・・あんまり興味はなかったが、3人で観ることにした。

ところが、当のランディ、ちょっと困った顔で、「会社に帰って、チケット3人手配しますけど・・・予約した後、賭けごと(カジノ)に夢中になって、キャンセルする人います。そのときは、ランディが払わなくちゃいけない・・・」

おー、そりゃ可哀想だ。僕たち日本人は紳士?だから、なんとかしよう。ということで、キャッシュで前払いすると、ランディがニッコリして、「明日の夜、チケットとどけます、ハイ」と元気に帰っていた。

ホテルロビーから、絢爛豪華な黄金の回廊を行く。Macao_Venetian_Front

内装はすべてロココ様式(後で調べた)。まるで宮殿だ。まっすぐ行くと、カジノフロアにつきあたる。ワクワクするが、今日は先約がある。じつは、前日、取引先の人たちもマカオ入りしていて、いっしょに会食する予定なのだ。

部屋に入ると、ヒンヤリ。ホテルは全館冷房なのだが、部屋の中は涼しいどころではない(寒い)。設定温度を見ると、なんと「20度」!たぶん、人がいようがいまいが、冷房は入れっぱなし。「節電節電」とうるさい日本を思い出し、おーらかなマカオに感動した。

ランディが言ったように、部屋の広さは40畳はある。Macao_Venetian_LivingRoom

部屋は、段差のある2つのフロアからなり、1つはベッドフロア、もう1つはリビングフロア。家具は、ダブルベッドが1つに、テーブルとイスが2セット、テレビは2台もある(使い分けがわからん)。

インターネットは有線と無線があり、FAX・プリンタ・コピーの複合機まである。何に使うのだ?こんな観光地で。

バストイレは美麗な大理石。壁には洒落た古地図、装飾はすべてロココ様式だ。なにもかもが豪華・・・

おっと、感慨にふけっているヒマはない。取引先の人たちが待っている。香港在住の社長さんたちも来るので、面白い話が聞けるだろう。スーツケースをそのままにして、急いでホテルロビーへ向かった。

by R.B

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