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スモールトーク雑記

■円安に強い商品・米国株 2015.08.09

以前いた会社の後輩が、5年ぶりに上海から帰国した。

中国法人の首席代表から解放されたのである(ただし、本社にもどれば課長待遇)。彼は、2012年の尖閣諸島問題に端を発する、反日・官製暴動も体験している。

あのときは、尖閣諸島戦争寸前だった。

というわけで、昔の仲間と一席もうけ、彼の無事帰還を祝ったのだが、その席で、彼は不吉なことを口走った。

「上海の物価は日本より高いんですよ。僕が最初に赴任したときの2倍。ランチが1000円なんですからね。そこで、週に半分は自炊してたんですが、材料費も日本より高い・・・」

信じられないような話だが本当だ。

円安が進み、中国の物価が2倍になったのだ。

これはモタモタしていられない。円安に対抗して、資産運用しなければ・・・

もっとも、投資額は小遣いに毛が生えた程度なのだが。

一方、大金持ちは投資金額がハンパじゃない。たとえば、世界第4位の大富豪ウォーレン・バフェットは約5兆円!

小さな国の国家予算じゃん。

では、我々庶民が投資に回せる金額は?

ゼロやわ!

なんて居直っていると、激動のインフレ・円安の世界は生きていけませんよ!

そこで、「ゼロやわ」の人に重大なメッセージ。

これからの日本は、物価は上がるけど、銀行利息は上がらない、給料は公務員と大企業以外は上がらない、社会保険料は上がるけど、年金受給額は減る。

何かの冗談?

いえマジです!

というわけで、働いて稼ぐのは当然として、資産も増やさなくては!

ただし、増やすには種金が必要だ。ここでいう種金は、余剰資金のことで、当面は使わなくてよいお金。少なくとも100万円は欲しい。

もし、なければ、3食を1食にしても貯めよう。

でも、100万円を120万円にしてもねぇ~、と余裕をかます、そこのあたなた、20万円をなめてはいけませんよ!

インフレが進めば、この程度の儲けはチャラになるんですからね。実際、2015年4月に入って、値上げが目白押しだ。

たとえば、デフレの象徴「すき家」までが値上げした。牛丼並盛りが「291円→350円」。じつに、20%の値上げだ。「すき家」の裏切り者!と言いたいところだが、円安で輸入牛肉が急騰しているのでしかたがない。

つまり、100万円が120万円になっても(20%上昇)、物価の値上りで帳消しになる。そこで、100万円を少しでも増やそうと、定期預金に入れても、1年で200円しか増えない(金利0.02%)。焼け石に水、なんてシャレている場合ではないですよ!

そんなこと言っても、100万円でできる投資なんてあるの?

ある。

インフレと円安を回避するには、米国株の投信もいいが、もっと儲かる商品がある。「米国株の一本釣り」だ。

一般論として、株式投資は投信よりリスクが大きいが、銘柄さえ間違えなければ、リスクは小さい。

そもそも、投信は、ダウ平均を買うようなもので、米国株式市場に連動する。だから、上がっても下がっても平均値。

一方、株の一本釣りは、優良銘柄であれば、ダウ平均が暴落しても、下落で済む。しかも、上がる時は、ドドーン。

もちろん、元本保証ではないので、ドドーンと下がることもある。

ただし、心配は無用。下がったら、売らなければいいのだ。急落しようが暴落しようが、売らない限り、損は確定しない。余剰資金でやっていれば、こんな芸当(長期投資)ができるわけだ。だから、
株は意外にコストパーフォーマンスの良い商品なのである(ただし、信用取引はNG、現物取引に徹すること)。

一方、株は投信と違って、どの銘柄を、何株、いくらで買うか、自分で決めなければならない。

まずは、どの銘柄を買うか?

もちろん、成長株!

それがわかれば苦労しません・・・では身もふたもないので、僕が実際に購入した米国株を紹介しよう。

まずは、どの株(企業)を買うか?

選定条件は・・・

1.財務状況が良く、5年~10年は倒産しない。

・倒産したら元も子もない。

2.成長市場。

・自動車や家電のような成熟産業では成長は見込めない。

3.粗利率が一貫して高い。

・粗利率=(売上-原価)÷売上=会社の製造部門の利益率

・会社の付加価値を表し、高いほど競争力がある。

4.未来技術をもっている。

・これがないと株価が上がりようがない。

5.株価が急落している。

・いくら優良株でも、高値で買ったら、あとは下がるだけ。

というわけで、今回、買ったのは「IBM」。理由は、「1~5」をすべて満たしているから。

ところで、IBMって何?

という人は、若い人だ。少なくとも20歳未満。

IBMは、かつて、世界最大のコンピュータメーカーだった。1960年代、コンピュータといえば汎用大型コンピュータで、その覇者がIBMだったのだ。

IBMの優位を決定づけたのが、1964年、IBMが発表した「IBM360」だった。ライバル企業が、「トランジスタ」に移行しようとする時期に、次世代の「IC」を搭載し、全機種に「共通OS」を採用し、機種間のアプリケーションの互換性を保証したのだ。

このハードウェア(IC)とソフトウェア(共通OS)は、ライバル企業の想像を絶するものだった。数年~10年先をゆく未来技術だったのである。この後、コンピュータ業界は、「IBMと7人の小人たち」とよばれるようになった。このような寡占状態は、1960年代から1980年代まで続いた。

ところが、その後、コンピュータは、「大型コンピュータ→パソコン→インターネット(クラウド)」と大きく変化した。そこで台頭したのが、Apple、Microsoft、Intel、Googleである。一方、IBMの影は薄くなるばかり。

ではなぜ、そんな過去の遺物(失礼・・・)を買ったのか?

他社の追随を許さない「未来」をもっているから。

たとえば、ライバル企業を圧倒する未来技術。

IBMの技術ってそんなに凄いの?

ハンパじゃないです!

論より証拠、まずはアメリカにおける特許取得数をみてみよう。

ベスト5を列挙すると、

1.IBM

2.サムスン

3.Microsoft

4.キャノン

5.パナソニック

見てのとおり、IBMがナンバーワン。

さらに・・・

某大手メーカーの特許部にいる友人によれば、「IBMの特許は中身が違う」

特許は数だけではないのですね(数も一番だけど)。

このIBMの技術力の源は、圧倒的なヒト・モノ・カネをかけた研究体制にある。

たとえば、世界10ヶ国、12の研究所で3000人以上の研究員を擁し、その中にはノーベル賞受賞者もいる。ノーベル物理学賞を受賞した日本の江崎玲於奈博士も、かつて、IBMのワトソン研究所の研究員だった。

というわけで、IBMの研究体制は、コンピュータ業界ではトップ!

でも、体制がどんなに立派でも、成果が上がるとは限らないのでは?

では、今起こりつつある、40年に一度のイノベーションの話をしよう(前回は1970年代のマイクロプロセッサ革命)。

それは「人工知能(AI)」。

何を今さら、昔、失敗したじゃん、なのだが、今回はホンモノだ。

これまでの人工知能は、良く言えば、アカデミック、悪く言えば、科学者のオモチャ、もっと言うと、マスコミの記事ネタ。

ところが、今回の人工知能は、過去の遺物とは一線を画している。人間のような感情をもつとか、夢を見るとか、そんな浮ついた話ではなく、「問題解決=実用」に徹しているのだ。

たとえば・・・

ナマの文章(非構造化データ)をそのまま読んで、有用な情報を抽出して、知識として貯えることができる。さらに、センサーから入力される膨大なビッグデータを分析し、人間さえ気づかない相関関係を見つけることができる。しかも、自分で学習できるのだ(機械学習)。

そして、この分野で頭一つ抜けているのがIBM。たとえば、IBMが開発した人工知能「ワトソン(Watson)」は、2011年、アメリカの人気クイズ番組「ジェバディ!」で、人間のチャンピオンをやぶった。

1997年、IBMのコンピュータチェス「ディープブルー」が、チェスの王者ガルリカスパロフをやぶったが、それをしのぐ成果だろう。

というのも、チェスは構造化されたゲームで、プログラムしやすい。ところが、「ジェバディ!」の問題文は、構造化されていない平文なので、それ読み解く能力が必要だ。そのぶん、プログラムの難易度は上がる。

しかし、ワトソンが凄いのはそこではない。

1.平文を読める(構造化されたデータベースではなく)。

2.そこから、有用な情報を抽出できる。

3.質問に答えることができる。

その用途が巨大なのだ。

たとえば・・・

コールセンターで最適な回答を作成したり、さまざまな災害を予防したり、患者を診断し、最適の治療法を提案したり、新薬を開発したり、子供のおしゃべりの相手になったり・・・じつは、これは未来の話ではない。すでに、ワトソンが実現しているのだ。

さらに、近々、ワトソンに、画像認識や音声認識の機能が追加されるという。画像認識機能があれば、人工衛星が撮影した地球の画像から、自然の変化や災害を予測できるようになる。音声認識があれば、人間とボイスでコミュニケーションできるようになる。

これらは、限られたインテリジェンスだが、一種の「人工知能」と言っていいだろう。

ところが、IBMはワトソンを「人工知能(AI)」とは言っていない。「コグニティブ・コンピューティング」とよんでいるのだ。直訳すると、認知コンピューティング?

なんとも控えめなネーミングだ。

ところで・・・

それが株価とどんな関係があるのだ?

話はカンタン。

ワトソンの用途はとてつもなく広い。だから、ワトソンとその進化形は、普遍的な「社会インフラ」になる可能性があるのだ。道路や、水や、電気のように。そうなれば、ワトソンは巨万の富を生む。

もし、世間がそのことに気付いたら、IBMの株価は跳ね上がるだろう。株式投資の本質は、会社の未来の利益の”先取り”にあるのだから。

ところが、IBMが凄いのは「未来」だけではない。「現在」も凄いのだ。たとえ、未来が素晴らしくても、現在がダメなら、未来にまで届かない。だから、ただのバクチ。

では、IBMの「現在」を見てみよう。次に示すのは、2014年のコンピュータ関連企業の経営成績。

【売上高】

1.Apple:20兆円

2.IBM:12兆円

3.Microsoft:9兆円

4.Intel:6.5兆円

5.Google:6兆円

【総資産】

1.Apple:24兆円

2.Microsoft:17兆円

3.IBM:14兆円

4.Google:11兆円

5.Intel:8兆円

ここで、IBMを先の選定条件に当てはめると・・・

1.財務状況:総資産で業界第2位

2.成長市場:成長を続けるIT業界に属している

3.粗利率:常に50%前後をキープ

※パナソニック(30%)、任天堂(42%)、トヨタ(25%)

4.未来技術:コグニティブ・コンピューティング

5.株価急落:2014年12月~2015年1月に190ドルから150ドルに急落

※四半期決算が悪かったための狼狽売り。

というわけで、選定条件をすべて満たしている。

それに、これは公然の秘密なのだが、冒頭の大富豪ウォーレン・バフェットがIBMの株を爆買いしているのだ!

これだけ条件がそろっているのに、IBMの株を買わない奴はタコだ!の勢いで、虎の子の定期預金を解約して、161ドルで50株購入した(為替レート:1ドル119.25円)。しめて、97万4700円なり(手数料含む)。

ここで、捕らぬ狸の皮算用・・・

まず円安が進み、1ドル「119円→160円」で「1.3倍」。「人工知能の未来=IBM」と認知されたら、株価は「161ドル→500ドル」で「3.1倍」(IT企業の現在の最高値はGoogleの500ドル)。

その2つ合わせれば、1.3倍×3.1倍=4.1倍。四捨五入して「4倍」!

おぉぉ~、100万円が400万円に!

夢は広がるなぁ~

ということで・・・

IBMの社員ならびに役員の皆様方、徹夜、サービス残業をいとわず、死ぬほど働いてください!

僕の100万円を400万円にするために!

以上、守銭奴の独り言でした。

by R.B

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