■がれき受け入れ問題 2012.01.21
年明け早々、仰天ニュースが飛び込んできた。
石川県輪島市が、震災がれき(放射能がれき)を受け入れるという。同市の美谷町にある廃棄物処理施設「輪島クリーンセンター」で焼却し、灰を埋め立てるらしい。そもそも、焼却施設には、猛毒ダイオキシンの問題があり、住民の反対が多いのに、「放射能がれき」まで受け入れるとは・・・梶文秋輪島市長は1月16日、北國新聞社の取材に対し、「被災地(輪島)が被災地を救うのは筋だ」と語ったという。
なるほど、”筋”ですか・・・輪島市長なら、輪島の自然環境と、輪島の住民の安全と、輪島の産業(観光・漁業)を守るのが”本筋”では?国の基準によると、焼却した灰の放射性セシウム濃度が、1キログラム当たり8000ベクレル以下であれば、一般廃棄物と同様に自治体で埋め立てできる
。ところが、放射能がれきを焼却した場合、放射性物質が「10~33倍に濃縮される」という測定結果もある。そんな濃密な放射能灰を、土に埋めて大丈夫?土壌汚染、水質汚染はどうするのだ?さらに、基準値を超える超えない以前に、「安全基準そのものがウソ」という説もある。
安全基準は、「しきい値を境に、放射線量がそれ以上なら人体に影響アリ、それ以下ならナシ」を前提としている(しきい値説)。ところが、「直線仮説」によれば、「しきい値は存在せず、放射線量に比例して、人体に影響を与える」しかも、「直線仮説」を支持する研究データもある。「基準値」が存在するかどうかも分からないのに、安全基準を満たしているから放射能がれきを受け入れる?仮に、百歩譲って、危険か安全か五分五分として、あえて、”危険”な方に賭ける?
それに、放射能がれきの一部を持ち出したところで、放射能汚染地域の住民の危険度は変わらない。つまり、安全は増えず、危険だけが増える。しかも、輪島市長は地域住民の同意を得ていない(2012年1月)。これが、まともな為政者のやること?利害がからんでいるのか、頭のネジが外れているのか分からないが(両方かも)、地域住民にしてみれば、迷惑な話だ。放射能がれきは、通常のがれきとは根本が違う。燃やして消滅するものではないからだ。まして、放射で汚染された灰を埋め立てれば、土壌汚染、地下水汚染、河川汚染、海の汚染、ひいては、住民の命をおびやかす可能性がある。
でも、「可能性」の話なら、安全である可能性もあるのでは?ノー、考え方が間違っている。取り返しのつかないリスクなら、悪い方に備えるのが、リスク管理の基本だ。最近のニュースをみていると、つくづく、為政者には「一般常識テスト」が必要だと思う。じつは、放射能がれき問題は、去年の12月にも起こっている。佐賀県武雄市が、がれきの受け入れを発表し、猛烈な抗議を受け、撤回したのだ。では、輪島市は?輪島市は能登北端にある人口3万人の小さな市だ。
能登の土地柄は、権利意識が希薄で、性質も温厚。だから、簡単に押し込めると思っているのだろう。今回の決定は、輪島の梶文秋市長の独断らしいが、同地の他の首長はどう考えているのだろう?美谷町の区長は、「安全基準を満たしたものならば考える」しかし、安全基準があるかどうかも分からないのに、どうやって判断するのだ?
一方、光浦町の区長は、「被災地の惨状も分かるが、農作物や漁業への風評が怖いのも事実」と反対している。中学生でもわかる”筋論”だ。2011年3月11日以降、福島第1原発から大量の放射性物質が放出し、福島の未来を深刻なものにしている。街中の空間放射線量からして異常で、海水、河川、土壌も汚染されている。
しかも、それが、何十年、何百年も続くのである。一方、除染すれば大丈夫という意見もあるが、山はどうやって除染するのだ?山を除染しない限り、平地の土壌も河川も地下水も、放射能で汚染される。だから、解決方法は1つしかない。汚染地域の住民を速やかに避難させ、新しい住居と生活を確保し、放射能汚染地帯を封印する、これしかない。
ところが・・・今の日本がやっていることは真逆。住民を放射能汚染地域に放置し、危険な放射能がれきを、安全な地域に持ちだそうとしている。なんという愚かさ。しかも、マスコミも世論も沈黙・・・なんという冷淡さ。輪島市の放射能がれき受け入れが発表された同じ日、環境省までが、「がれき受け入れ推進」ホームページを開設し、全国の自治体に、放射能がれきをひきとらせようとしている。日本全体が、福島の現実から目をそむけ、「きずな」とか「つながり」とか、問題解決のタシにならないきれいごとで、自分を納得させている。
だから・・・放射能汚染の中に暮らす人たちは、日本から見捨てられたと思っている。もちろん、「きずな」なんか感じるわけがない。問題解決能力が欠落し、問題に立ち向かう勇気もなく、偽善に満ちた日本。つくづく、この国が嫌になった。そんなにイヤなら、日本から出て行ったら?
しかり!
だから、最近、英語の勉強に余念がない。通勤の車中、TOEICのCDをBGMにし、休日は、海外ドラマ「Lost」を英語字幕にして、猛勉強している。狭い日本、そんなにたくさん原発抱えてドースル?あと1回、東日本大震災クラスが発生すれば、日本はおしまいだぞ。そうなれば、好むと好まざるにかかわらず、「国外脱出か、死か?」を迫られる。
では、どこへ逃げる?先日、あるデザイン会社の社長と食事をした。彼のおススメは、シンガポール。(この会社はシンガポールに拠点を持っている)ところが、永住権を取るには見せ金「10億円」が必要だという。あらら・・・定期預金を解約しても、150万円。あと9億9850万円をなんとかしないと・・・ちょっとムリかな。(全然ムリやろ)地球のどこかで、150万円で永住権とれる国はないですか?(北極は除く)
by R.B