■東日本大震災・2011年3月15日 2011.03.15
【3月11日(金)】午後3時20分、東京の取引先で長期研修しているM君から、メールが入った。震度5弱の地震があり、大きな揺れとともに、物が落下したという。
M君がいるビルは、2年前に建設された高層ビルで、最新の耐震構造のはず・・・いやな予感がしたので、ネットで調べてみた。
すると、東北で大きな地震があったらしい。4.7m~10mの津波警報?我が目を疑った。もし本当なら、2000人は犠牲者がでる・・・そう直感した。以前、災害を体系的に調べたことがあるからだ。
その後、M君から次々とメールが入る。断続的に大きな揺れが続いているという。そこで、すぐに返信・・・高層ビルの方が安全なので、あわてて帰宅しないこと、帰宅するにしても、地下鉄を使わないこと。
だが、そんな心配は無用だった。都内のJR、地下鉄すべてが止まったのである。そのため、M君は徒歩でアパートに帰った。「秋葉原→稲荷町」と、距離が近かったのが幸いした。帰宅後、すぐにメールが届いたが、冷蔵庫から食品が飛び出し、電子レンジが落下していたという。
一方、徒歩圏外の人たちは、そのまま「帰宅難民」となった。
その夜、TVを観ていると、犠牲者が数百人と予測されていた。何かおかしい。津波は日本列島の太平洋岸全域に押し寄せ、波の高さも10mを超えている。こんな犠牲ですむはずがない。それに、現地の状況が全く把握されていない感があった。町ごと津波にのみ込まれて、事態を伝える人もいないのでは?そう考えると、恐ろしくなった。
【3月12日(土)】被害が拡大している。東京の友人たちからメールが届く。大学時代の友人Yは、六本木で会合があり、そこで地震に遭遇、帰宅難民になったという。Y曰く、「長いこと東京に住んでるけど、今回はマジで死ぬと思った」
【3月13日(日)】東京やさいたまの友人、親戚からメールが届く。皆、無事だったが、タンスが倒れたり、部屋がグチャグチャになった人もいた。
TVを観ていると、首相の管さんが、「今から、私はヘリコプターで被災地を視察してきます・・・」と得意げに語っている。瞬間、頭に血が上った。つまらんパーフォーマンスはやめとけ。くだらんことに貴重なヘリを使うな。こんな時に視察なんかしてどうする?君が視察して、一体何ができる、何が決められるというのだ?救助や物資輸送以外のヘリなんか飛ばすなよ。今この瞬間にも、人が死んでいるんだぞ、と、思わず熱くなってしまった。
さらに、取材ヘリが病院で孤立している人たちをTV放映していた。ところが、その後、その病院とは音信普通で、いまだに救助されていないという。意味がわからん。位置が特定され、映像まであるのに、なんで助けない?なんで、食料物資を投下しない。管さんのヘリが恨めしい。わが目を疑う現実・・・
【3月14日(月)】取引先の担当者と連絡がとれた。今日は、JRが動かないので、出社できないという。東京23区は停電はないらしいが、JRや地下鉄は間引き運転しているという。人口が多いぶん、大変だ。
この担当者の家はさいたまだが、物流がストップしているので、スーパーもガソリンスタンドも閉店らしい。彼は、「米と塩の買い置きがあるので、なんとかなりますよ」と笑い飛ばしていた。
あまり知られていないが、東京の食料在庫は1日。生産と物流の効率を極めた結果がこれ。トヨタのジャスト・イン・タイムじゃあるまいし・・・冗長性がなければ、危機に対応できない、これが都市文明の正体なのだ。
横浜に住んでいる友人と連絡がとれた。スーパーに水、米がなく、ガソリンスタンドも閉まっているという。さいたまと同じだ。このまま放置すれば、首都圏に食料がなくなる?食糧難は被災地だけではないのだ。
しかし、肝心の政府があてにならない。3月11日からの対応をみれば明らかだ。もっと早く決断し、もっと迅速に行動したらどうだ。今こうしている間にも、被災者は命を落とし、放射能が日本列島を覆いつつあるのに。
TVでは相変わらず、メルトダウンを解決できない東京電力が、無能ぶりをさらけ出していた。「海水を入れても、水位が上がらない。ポンプの圧力が足りないと思われる」バカじゃないのか?格納容器に亀裂が入って、漏れてるんだろ。中学生でも思いつくぞ。言い出すのが恐いのか?この場におよんで何!
【3月15日(火)】早朝、TVで、東京電力の記者会見をやっていたが、驚愕した。「わかりません」「あとで調べます」中学生の勉強じゃないんだぞ!こんな連中に、原発の管理を任せていたのか?恐ろしい、信じられない。
想定外の地震と津波?一体何を言っている?今回の地震のマグニチュードと津波の高さは、史上最悪ではない。もっとひどい前例があるのだ。前例があるのに、想定外??バカじゃないのか。
午後になると、状況はさらに悪化した。福島原発の4号機で、火災が発生したという。1号機、2号機、3号機の爆発に続き、今度は火災。原発から半径20キロ圏外への避難の徹底、さらに、半径20~30キロでの屋内退避が勧告された。管さんいわく、「国民の皆様の冷静な行動を期待します・・・」そうりゃそうだろうが、被災地の人はどう思うだろう。
ところが、東京電力のあまりのていたらくに、あの管さんが声を荒げた。「あなたたちしかいないでしょう。撤退などありえない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は、東電は100%つぶれます」たまにはいいこと言う。
このままいくと、東京電力は永遠に呪われる。「史上最悪の放射能災害をひきおこし、有効な手を何一つ打てず、歴史的大災害をもたらした忌まわしい企業」として。それが嫌なら、役員みずから、現地に行け。それがリーダーの結果責任というものだ。それでも国民は許さないだろうが。
by R.B