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スモールトーク雑記

■ビデオをPCに保存する 2011.05.08

棚に並んだビデオテープが恨めしい。その隣に並んだLD(レーザーディスク)はもっと恨めしい。どっちも再生できなくなる日は近いが、LDは大金払ったぶん、よけいに腹が立つ。

僕がLDを買ったのは、映画やドラマを見るためで、銀色の円盤が欲しかったわけではない。ところが、LDプレイヤーは店の棚から消え、円盤だけが残った。今ではただのフリスビー。

とはいえ、LDタイトルのほとんどは、DVD版が出ている。だから、カネさえ出せば、また観ることができる。

しかし、例外もある。米国TVドラマ「タイムトンネル」だ。タイムトラベルものでは、類をみないスケールで、ストーリーも面白いのに、DVD版は存在しない。このままだと、「タイムトンネル」は、LDプレイヤーとともに歴史から消える。

家族のビデオ映像は、さらに深刻だ。そもそも、この世でマスターテープしか存在しない。だから、ビデオカメラがなくなれば、家族の記録も永遠に失われる。どうしてくれるんや・・・

個人て録画したニュース映像もしかり。ドラマはさておき、過去のニュースが再放送されるとは思えない。つまり、VTR(ビデオテープレコーダ)とともに、事実上消滅する。

ということで、「取り返しのつかない映像」を、PCに保存することにした。問題はメディアだが、DVDは×。「LD→DVD→ブルーレイ・・・」の歴史をみれば、光磁気メディアは信用できない。PCのファイルに変換して、ハードディスクに保存しておくのが一番だ。これなら、時代を超えて複製できる。

映像をPCに保存するには、ビデオテープに記録されたアナログ映像を、デジタル映像に変換する必要がある。作業は難しくないが、時間はかかる。2時間テープ100本なら、2時間×100本=200時間!テープを丸ごと再生する必要があるからだ。

使用するツールは、トムソン・カノープス製の「超編UltraEDIT2」。7年前に購入したもので、1.ビデオキャプチャーカード(アナログ映像をデジタル映像に変換するハード)2.編集ソフト(映像の変換・編集ソフト)が同梱されている。(今は生産中止)

まず、ビデオキャプチャーカードをパソコンに装着し、その入力端子とVTRの出力端子をつなぐ。それから、編集ソフトをインストールすれば、準備完了。

次に、ビデオテープをVTRにセットし、再生ボタンを押し、編集ソフトの録画ボタンを押せば、「アナログ映像→デジタル映像」の変換が始まる。

デジタル映像のファイルフォーマットは、1.AVI2.MPEG2のどちらかを選ぶ。

教科書的には・・・「AVI」は非圧縮なので、画質がいいぶん、データサイズが巨大。一方、「MPEG2」は圧縮がかかっているので、データサイズは小さいが、画質が悪い、となる。まぁ、理屈は合っている。

しかし、今回の映像ソースは、ビデオテープ(SVHS)とLDなので、元の画質が良くない。こういう場合、「AVI」でも「MPEG2」でも、画質は大して変わらない。であれば、サイズが桁違いに小さい「MPEG2」のほうがいい。

作業を開始して、すぐに問題が発生した。テープが劣化し、くっついているのだ。そのため、テープが巻かれたリールが回転しない。ムリにはがして再生したが、映像は消失していた。

また、テープが断裂している場合は、セロハンテープでくっつけて、そのまま再生した。切れた部分以外は、問題なし。

こうして、ビデオテープの90%は復元できた。とはいえ、元の映像ソースが、劣化したビデオテープなので、できた映像もしれている。

こういう場合、動画再生ソフトが重要だ。映像ソースが劣悪なほど、再生映像に差がでるので。

そこで、1.CyberLink社の「PowerDVD9」2.Corel社の「WinDVD9」の2製品を購入し、比較してみた。

差がでたのは、1950年~1960年代のカラー映像。この時代、商業映画は「35mmフィルム」、テレビドラマは「35mmフィルム」か「16mmフィルム」が使われた。この頃の映像は、全体に色が濃くて、油絵っぽい。これを忠実に再現したいなら、CyberLink社「PowerDVD9」の方がいいだろう。

一方。Corel社の「WinDVD9」は、コントラストが低く、くすんだ感じ。上品な色味が好きな人なら、こちら。

さて、半年間におよぶ作業が終わり、できたてのデジタル映像をPCで再生してみた。意外に面白いのはニュース。時代の世相が反映されていて、懐かしい・・・

2006年のニュースを観ていると、突如、緊迫した映像が飛び込んできた。ヘリコプターから地上を見下ろすカメラアングルで、複数の車がサイレンを鳴らして、疾走している・・・ライブドア事件だ!たしか、ライブドア社長のホリエモン(堀江貴文)が逮捕され、拘置所まで護送されるシーンがライブで放送されたのだ。

あれから5年経った2011年5月1日、堀江氏の実刑が確定した。彼はたぶん確信犯だが、当時の法律は未整備で、実刑は厳しいという気もする。堀江氏が「不公平だ」と声を荒げるのも、一理ある。

これに対し、メディアは、「反省の姿勢がみじんもない」と一刀両断にする。だが、これは本末転倒。「法の前の平等」は何より優先すべきことだから。

まぁ、いろいろあったけど、ホリエモン&ライブドア事件は、時代を象徴する”熱い”事件だった。

by R.B

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