■東日本大震災・2011年4月3日 2011.04.03
【原発】福島第1原発は今後どうなるのだろう?
廃炉の方法については、専門家の意見は分かれている。
1.原子炉を解体し、燃料棒を取り出す。
2.原子炉内にコンクリートを注入し、放射線を封じ込める。
一方、期間については、
1.原子力安全・保安院は、廃炉が完了するまで「10~20年」。
2.原子力が専門の学者は、すべて終わるまで「数十年」(僕はもう死んでいる)
どちらにせよ、長い年月がかかる。今後、日本は、「放射能汚染」を現実として受け入れ、共存していくしかないだろう。
だが問題が一つある。
10~50年?その間、放射性物質の放出は続く。当然、土壌汚染は進むだろう。大気汚染は風と共に去りぬだが、土壌汚染は蓄積する一方だからだ。
放射性物質が地上に降り注げば、そのまま土壌に入り込む。それを植物の根か吸い上げ、再び、大気に放出する。だから、放射性物質は簡単には減らないのだ。
もちろん、その間、水道水や農作物も汚染される。そういう状況にあって、放射性物質の量は少ないから、まだ大丈夫、で安心できるだろうか?特に、小さな子供をかかえる家族は。
我々が知りたいのは、どこまで汚染が進んでいるか?政府の「半径20~30kmは自主避難」は正しい?本当は圏外も汚染されているのでは?
そして、それは現実となった。
3月30日、IAEA(国際原子力機関)は、原発から40km離れた福島県飯館村で、IAEAの避難基準の2倍近い放射性物質を検出したのである。
40km?たしか、政府お墨付きの安全地帯だったはず・・・一体どうなっているのだ?
一つ確かなのは、原発から40km以遠でも安全とはいえない・・・放射性物質は風で運ばれるので、40km圏内でも安全な場所もあれば、逆に、圏外でも危険な所がある。では、自分で調べるしかない?だけど、アマゾン(amazon)のガイガーカウンターは、今も売り切れ。
IAEAの報告をうけ、政府はさっそくコメントした。今すぐ健康に影響があるわけではない・・・みっともないから、もうやめたら?
では、原発周辺の住民は、これからどうしたらいいのだろう?半径40km圏内でも、汚染された地域とそうでない地域がある・・・という発想はやめたほうがいい。
仮に、地雷原があったとして、全域が危険というわけじゃないから、地雷のない場所を捜して住もう、と考える人はいない。
子供のいる家族や若い世代は、半径80km以遠に移住したほうがいい。自分の家族以外はすべて捨てる、その覚悟さえあれば、必ず未来は拓ける。そもそも、我々の祖先は、今から5万年前、1万3000km離れたアフリカから移住してきたのだから。
政府は現実を直視し、国民に真実を伝えるべきだ。被災者にあらぬ希望をもたせ、問題を先送りしても、いずれ真実は明らかになる。そうなってからでは遅い。政府の信用は失墜するだろうから。もう失墜しているか・・・
【津波】今回の津波の高さは異常だった。4階の最上階まで水がかぶったビルもある。波の高さは10m以上。これでは、逃げも隠れもできない。実際、津波の避難所までが、丸のみにされている。
ところが、沿岸部が壊滅した岩手県宮古市にあって、被害を免れた一画がある。12世帯が住む姉吉地区だ。
この地区は、明治と昭和に2度の大津波に襲われている。
1.1896年(明治):生存者2名。
2.1933年(昭和):生存者4名ほぼ壊滅である。そこで、住民は石碑を建立し、こう刻んだ。「ここより下に家を建てるべからず」
その後、住民たちはこの教えを守り、石碑より高い場所で暮らすようになった。
3月11日、地震発生後、大津波警報が発令された。港にいた住民たちは高台の家を目指し、必死で駆け上がった。背後に迫る津波。ところが、波は石碑の50メートル手前で止まったという。住民たちは先人の教えに救われたのだ。
ちなみに、この石碑があるのは海抜60m。プレート断層が生む巨大津波の凄まじさを物語る。
山のような津波が、防潮堤を軽々と乗り越え、町をのみこんでいく。町全体が海の下、無数の車が海面に漂う・・・その映像をみた瞬間、既視感(デジャヴュ)に襲われた。
どこかで見た光景、写真でもないし、映画でもない、そして思い出した・・・1年前、夢で見た「ノアの大洪水」。あまりにリアルさに、夢から目覚めた後、身動きできなかった。
その夢とは・・・トンネルを抜けると、そこは別天地だった。360度、地平線のかなたまで見渡せる。どうやら山の頂にいるらしい。ついさっきまで寝ころんでいた砂浜、ホテル、町、すべてが海に呑み込まれている。巨大な恐怖が意識を丸呑みにした。
津波を回避する方法は、誰でも知っている。海辺に住むなら、高台。それも、過去の津波より少し高い所。
ところが、我々は、何世紀にもわたり、同じ場所で、同じ被災を繰り返している。そろそろ、経験から学ぶべきである。
by R.B