■マカオ再び・水舞間(水のショー) 2012.07.21
マカオはカジノの街だが、他にも楽しみはある。世界遺産巡りもいいが、やはり、ラスベガスバージョンの「ショー」は必見。
そのショーだが、昨年、マカオで、シルク・ド・ソレイユ「ZAIA」を観て、いたく感動したので、今回は出発前に予約することにした。ところが、すでに打ち切り・・・あんなすごいショーなのに、なぜ?
それを会長にぼやくと、「有名な水のショーがあるから、それにしたら」とアドバイスされた。さすが、マカオ通、マカオのことは何でも知っている。
さっそく、調べると・・・
【ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター(水舞間)】・世界最大の水のショー・制作費2億香港ドル(20億円)・オリンピックプール5杯分の水を使う・開幕から2ヶ月で10万人の入場者・マカオ人・香港人の間で話題が絶えない人気エンターテイメント・マカオに来たら必見のショー
よくわからんが、スゴそうだ。誇大広告分を差し引いても、観る価値はあるかも。
ところが・・・
・チケット入手が困難で、良い席は数ヶ月先まで埋まっているという情報もある。
そこで、すぐに予約を入れた。席のグレードは4つある。
・VIP席:1280パタカ
・A席:880パタカ
・B席:680パタカ
・C席:380パタカ
※パタカ:マカオ通貨。1パタカ=約10円
この手のショーは、VIP席はステージに近すぎて、全体が把握しずらい。それに最前列だと、ピエロにいじられるのがメンドーだ。そこで、A席で予約した(約9000円)。
前回に続き、今回のマカオ出張も、会長の友人の広告代理店に丸投げした。その分高くつくのだが、それを補ってあまりあるものがある。
たとえば、ガイドとマイクロバスがつくので、市内観光はもちろん、空港→ホテル(行き)、ホテル→フェリーターミナル(帰り)、さらに、ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター(水舞間)の送迎もしてくれる。しかも、24時間電話対応なので、病気のときも安心だ。伸るか反るかのときに、中国語で診察はうけたくない。
え?マカオは英語が通じるのでは?
ガイド本には、ちゃんとした所では英語が通じるとあるが、期待しない方がいい。街中やタクシーは×、一流ホテルでも、英語を話すのはフロントぐらい。しかも、独特のチャイニーズ・イングリッシュで、まず、聞き取れない。命はお金に代えられませんよ。
そして、一番のメリットは、ガイドさんから、ガイドブックに載っていない秘密情報?が得られること。
マカオは特殊な地域だ。中国の影響を受けつつ、独自の”カジノ”経済を発展させている。しかも、巨額のチャイナマネーが流入し、マネーロンダリング(不法に得た資金の出所を隠す)のウワサもたえない。だから、ガイドさんの裏情報はドキドキして楽しい。
ただ今回は、「ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター(水舞間)」で、「送迎」のありがたみも痛感した。ショーの会場はシティ・オブ・ドリームス(ホテル)で、宿泊しているベネチアン・ホテルから近いのだが、徒歩で行くのはつらい。
ベネチアンやシティ・オブ・ドリームスがあるコタイ地区は、夜道が暗いうえ、ホテルばかりで位置がつかみにくいからだ。なので、タクシーが無難。
ところが、行きはいいとして、帰りが大変だ。ショーが終わると、大勢の客が一気に帰るので、タクシー乗り場に長蛇の列ができる。実際、ベネチアンでも、夕方になるとタクシー乗り場は長蛇の列だ。なので、マイクロバスの送迎は本当に重宝する。
午後7時過ぎに、ガイドのNさんがマイクロバスで迎えに来る。
Nさん曰く、「ウォーターショー(水舞間)は凄い人気なんです。そのせいで、シルク・ド・ソレイユ『ZAIA』はお客を取られて、中止に追い込まれたんですよ」
ZAIAが打ち切りになった理由はこれか?ん~、期待が膨らむ・・・
開演20分前に会場に入る。席は少し分かりにくいが、係員に聞けば、マカオ式に簡素に教えてくれる。ZAIA同様、広くて天井が高い。ウォーターショーなので、中央に直径20mほどの円形プールがある。
Nさんによれば、写真撮影はOKらしい。マジか?この手のショーでは考えられない!さすがマカオというか、大らかというか・・・ただし、フラッシュは×。基本、曲芸なので、命にかかわるから。
午後8時ちょうどに、ショーが始まる。
背景に、映画「ブレードランナー」ような映像が映し出され、中国人が小船を漕いで現れる(王国の王子)。そこに、異国の漂流者が海岸に流れ着き、トートツに、天から鳥籠(とりかご)が降りてくる。その中に美しい女性がいて、異国の漂流者が一目ぼれ、以後、彼女の味方になる、という設定。(意味が分からん)
じつは、彼女は王国の王女で、王女の母「蛇の女王」によって、命を狙われていた。蛇の女王は、自分の息子を王位に就かせたかったのである。
こうして、王女と異国の漂流者、それを助ける者、それを害しようとする者の戦いが始まる。
ようわからんストーリーだが、気にすることはない。この手のショーは、音楽とビジュアルがキモなので。
基本、水のショーなので、水を使った肉体パーフォーマンスが多い↓
水と光は相性がいいので、こんな幻想的な演出も↓
鳥籠の王女は、どうやらこの物語の主役らしい。すべての演出が、王女を中心に構成されているからだ。
跳んだりはねたり、遠目でみると凄い美人、圧倒的な存在感がある↓
ところが、アップにすると↓
ちょっと微妙・・・
この王女を演じるのは、「フェイ・レオン(Faye Leung)」。元、香港バレー団の主役級のダンサー(Principal dancer)で、ハウス・オブ・ダンシング・ウォーターの主演に抜擢されたのだという。英語、広東語、北京語が堪能、ここまではいいのだが、”水”が大の苦手らしい(これは笑うわ)。
そして今では、香港、マカオを代表するスーパースターらしい。グッズ売り場では、彼女の生い立ちから現在にいたるまでのサクセスストーリー本を売っていた。
ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター(水舞間)は、「ウォータースペクタクル」銘打つだけあって、水を使った演出を極めている。たとえば、吹き上げた水の壁に映像を投影する演出↓
ところが、ショーの中盤、突如、プールの水が引いて、バイクの曲芸場へ早変わり。ストーリーとどんな関係があるのだ?
一見すると、ありがちなバイクの曲芸だが、下が水でビショビショ、よくすべらないな・・・
ところが、あとで、ガイドのNさんに聞いたところ、”よくすべる”らしい。本番でもバイク事故があったという。コワイコワイ。
「ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター(水舞間)」は、1時間半ほどのショーだが、総じて完成度は高い。制作は、著名なショーメーカー「フランコ・ドラゴーヌ(Franco Dragone)」。彼は、ラスベガスで絶賛された水のショー「O(オー)」や、「ミステール」も手がけている。
また、ドラゴーヌは「シルク・ド・ソレイユ」の制作にかかわったことがあり、そのせいか、ハウス・オブ・ダンシング・ウォーターは、シルク・ド・ソレイユの匂いがプンプンする。ただ、この手のショーを極めると、こういう文法に行き着くのだろうが。
そこで、これまで観た3つのショーを比較してみよう。・シルク・ド・ソレイユ「ZAIA」(マカオ:既に終了)・シルク・ド・ソレイユ「ZED」(東京:既に終了)・「ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター水舞間」(マカオ:上演中)
共通点は、シルク・ド・ソレイユの文法・・・1.サーカス+バレエ2.人間離れした肉体パーフォーマンス3.空中パーフォーマンス4.高い芸術性
そこで、項目別に比較すると・・・
「肉体パーフォーマンス」は、ZAIAが他を圧倒する。人間業とは思えなかった・・・
「空中パーフォーマンス」も、ZAIAが他を圧倒。空中を飛び交う超技は、夢かCGかと思うほど・・・
「芸術性」も、ZAIAが一番。ただし、フェイレオンの「舞」は息を呑むほど美しく、存在感も圧倒的。なので、気分次第で、「ハウス・オブ・ダンシング・ウォーター水舞間」が一番もあり?
あと、音楽も「ZAIA」が一番。曲はいいし、生オペラの声楽が魂を揺さぶる・・・(CDを買った)
ということで、東京のシルク・ド・ソレイユ「ZED」は、ぱっとしない。すべてが”こぢんまり”して、中途半端。だから、いの一番に打ち切りになったのだろう。
ショーが終わって、ホテルの外にでると、タクシー待ちで長蛇の列。やっぱり・・・
そこで、ガイドのNさんが来て、マイクロバスで脱出する。感謝感謝。
ホテルに帰ると、午後10時。ほとんどのレストランは、ラストオーダーの時間だ。そこで、カジノの中の中華レストラン(24時間営業)で、夕食をとった。
メニューは、写真が付いてないので、何がなんやらサッパリ。ただ今回は、会長から、「あのレストランは日本語のメニューがある」と入れ知恵されていた。そこで、日本語のメニューはないか聞くと、あるという。ラッキー、これで救われた。
メニューは、中華料理中心で、普通に美味い。食べたのは・・・
“KongPo”Prawn(エビチリ:エビがプリプリしてうまい):108HK$(1000円)
FriedPorkRibs(豚肉のスペアリブ:普通にうまい):78HK$(780円)
YangZhouF/Rice(チャーハン:かなりうまい):60HK$(600円)
XOBeefNoodle(どんな料理か忘れた):63HK$(630円)
OrangeJuice(オレンジジュース):35HK$(350円)
MacauBeer(マカオビール):180HK$(4本:@45)(1本450円)
Heinekenbeer(ハイネッケンビール):45HK$(450円)
TsingTao(青島ビール):135HK$(3本:@45)(1本450円)
BaiMuDan(白牡丹・茶):24HK$(3杯:@8)(1杯80円)
以上、3人で飲み食いして、合計728HK$(8000円弱)。1人2500円!?あんまり安いので、僕がおごることにした。(先輩風を吹かすだけ吹かして)
部屋に帰ると、土産物の整理が待っていた。明日、帰国なので、今晩中にトランクに詰めこまなければならない。全部、入るかな?
by R.B