■黄昏れゆく宇宙開発 2018.04.18
あの希望にみちた「宇宙開発」はどこへ行ったのだろう?
1969年7月20日、人類が初めて月に降り立ったとき、「宇宙開発」の未来は輝いていた。
本格的な月面探査がスタートし、月面車が月の砂漠を疾走していた。まるで、SF映画ではないか。あのとき、みんなこう思ったに違いない。やがて、月面に基地が建設され、つぎは火星探検だ、と。
しかし、そうはならなかった。
あれから、半世紀たって、月面に基地はないし、火星有人探査は絵に描いたモチ。
そんなふがいない現実に、民間が立ち上がった。
まずは、火星有人探査。テスラ・モーターズ率いるイーロン・マスクが火星移住計画をぶちあげたのだ。技術的には可能だが、問題は資金。NASAでもムリなのに、どうやって工面するのだ?
とはいえ、イーロン・マスクの心意気は素晴らしい。実現するよう心から願っている(ホントだぞ)。
一方、実現した?計画もある。月面基地だ。
ただし、映画「アイアン・スカイ」での話。ナチス「第四」帝国が月面基地をつくり、地球征服をくわだてるのだから、文句のつけようのないB級SFだ。荒唐無稽だが憎めないこの映画は「月面ナチス」の名で、一部マニアの間で一世風靡した(続編が出るらしい)。
ではなぜ、宇宙開発は尻つぼみになったのか?
当事者のNASA(アメリカ航空宇宙局)が、やり玉にあがったから。
役に立たないオモチャに使うカネがあったら、国民の生活のために使え!というわけだ。NASAは経費節減を迫られ、地味な「スペースシャトル計画」にきりかえた。
「スペースシャトル」は使い捨てじゃないので、経済的です。地球を周回するだけなので、安上がりです・・・
経済的だろうが、安上がりだろうが、ムダなものはムダ。空気もない漆黒の空間をうろついて、何の得があるの?使っているのは国民の税金ですよね。
と、ツッコミどころ満載なのだが、NASAで働く人たちはそうも言っていられない。
みんなで頭を突き合わせて、履歴書を書くことになったらどうするのだ?
by R.B