■月面ヘリウム3で核融合 2018.04.25
宇宙開発がフェードアウトしたのは、税金のムダづかい、と非難されたから。
では、宇宙開発は本当にムダ?
じつは、月には地球にない資源がある。「ヘリウム3」だ。
ヘリウム3は、ヘリウムの中性子が1つ少ないバージョン。こんな中性子の数だけ違う「お仲間」元素を同位体とよんでいる。ちなみに、ヘリウムは、飛行船の浮揚ガスに使われている。
そのヘリウム3と重水素(水素の同位体)がくっつくと、とてつもないエネルギーを放出する。これが「核融合」だ。
現在、「原子力」には2つのタイプがある。原子核の分裂を利用する「核分裂」と、原子核の融合を利用する「核融合」。ちなみに、今稼働している原子炉はすべて「核分裂炉」で、「核融合炉」は1基もない。
では、「核分裂」と「核融合」、どっちがいい?
核融合。
核融合は、核分裂よりエネルギー効率が高く、有害な放射能も少ない。さらに、核分裂のように「制御不能→核分裂が加速→暴走」のリスクもない。そんな夢のエネルギーの燃料がヘリウム3なのだ。それが月面にはあるが、地球にはほどんどないという。
なぜか?
太陽は「自然の核融合炉」である。つまり、核融合であの厖大な光と熱を放出しているわけだ。そのプロセスでヘリウム3が生まれ、それが太陽風にのって、月・地球まで飛来する。ところが、地球には大気があるので、地上にとどかない。一方、月には大気がないので、月面に到達する。結果、月面の砂や岩に45億年分のヘリウム3が付着しているわけだ。
45億年?
月が誕生して現在までの時間。
では、月面にあるヘリウム3の量は?
50万トン前後。
大したことないじゃん。
とんでもない!
日本が1年間に消費する電力は、「5トン」のヘリウム3でまかなえる。
ということは・・・50万トン÷5トン=10万年
10万年分のエネルギーが、月面に眠っている?
(日本の)月面基地を作るしかない!
と、その前に・・・
核融合炉を製造するのは、現状ムリ。
2025年に稼働開始!という勇ましいロードマップもあるが、限りなく怪しい。仮に造れたとしても、燃料は水素でもOK(地球に山ほどある)。わざわざ月までヘリウム3を取りに行かなくても・・・あらら
ところが・・・
習近平率いる中国が、月面支配をもくらんでいるという。アメリカの月面支配だけは許さないというのだ。
狙いはもちろん、ヘリウム3・・・
by R.B