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スモールトーク雑記

■新型カムリを買う(燃費と評価) 2012.04.29

トヨタの新型カムリ(ハイブリッド)を買った。

息子が就職して車が必要になったので、トコロテン式に・・・愛車プジョー307SW→カミサン。カミサンのパッソ→息子。カムリ→僕。

本当は、プジョー307SWをこよなく愛していたのだが、ガソリンの高騰がムカつく。日本の石油需要は激減しているのに、値段だけがつり上がっている。消費者をどれだけマヌケだと思っているのだ?

それもこれも、「先物取引=マネーゲーム」のせい。汗水垂らして稼いだおカネが、社会価値を一切生まない。マネーゲーマーのフトコロに入るのが、我慢ならないのだ。

ということで、アウディ→プジョーと乗り継いだ”Fun to drive”の欧州車をあきらめ、ハイブリッドカーに乗り換えた。

じつは、僕はハイブリッド(混成技術)が嫌いだ。歴史が物語るように(たとえば機帆船)、短命だし、美しくないから。でも、背に腹は替えられない。

100%電気のテスラモーターズは、コンセプトも、スペックも最高だが、値段も最高!(1000万円)金沢なら中古の家が買える。三菱の「iMiEV(アイミーブ)」もあるが、ブリキにメッキ(失礼)、衝突したら、たぶん、イチコロ・・・コワくて乗る気がしない。

日産のリーフは、一見、まともに見えるが、テスト期間が短すぎる(僕は騙されません)。もし、交差点のど真ん中で、電池が切れたらどうするのだ?

ということで、選択肢はハイブリッドカーしかない。そして、ハイブリッドカーならトヨタ。ホンダのハイブリッドカーは中途半端だし、それがスペックにも現れている(燃費)。まぁ、ホンダ車にアドバンテージがあるとすれば、購入価格ぐらい?

もちろん、外車のハイブリッド、はありえない。あんな複雑でデリケートな機械は、日本しか(トヨタしか?)作れない。ヘタをすると、走行中に爆発するぞ!(まぁ、冗談ですけど)

ということでトヨタなら安心。関係ないけど、原発の管理も、トヨタにやってもらったら?

話をカムリ・ハイブリッドにもどそう。

去年、10月に注文して、今年の3月21日に納車。ざっと、半年待ち。

若い頃は、新車が来るのが待ち遠しかったが、今はすっかり冷めてしまった。本当は、もう1週間早く納車できたのだが、雪が降ると面倒なので、1週間おくらせたほど。

まぁ、そんな些末はさておき、まずはサイズから・・・

車種 全長(mm) 全幅(mm)
プリウス 4,480 1,745
カムリ・ハイブリッド 4,825 1,825
クラウン・ハイブリッド 4,870 1,795
レクサス・ハイブリッド(LS600) 5,060 1,875

デカい・・・クラウンとほぼ同じ。都会で乗り回すなら、やっぱりプリウスかな?(田舎でも、カムリのサイズはきつい)

カムリのエンジンは、直列4気筒DOHCで、排気量は2500cc。総重量が1.8トンもあるので、燃費とパワーのバランスをとるなら、これしかない。

燃費は、10・15モードで26.5km/L(実燃費にあらず)、ガソリンはレギュラー。なので、フトコロに優しい。(欧州車はハイオクだし、燃費も悪い:2000ccクラスで、6km~8km/L)。

つぎに、グレードだが、大きく3つある。

グレード 本体価格(円) 「標準」との主な違い
ハイブリッド「レザーパッケージ」 3,800,000 ・本革シート
・本革ハンドル
・17インチアルミホイール
ハイブリッド「Gパッケージ」 3,170,000 ・本革ハンドル
・17インチアルミホイール
ハイブリッド「標準」 3,040,000 ・16インチスチールホイール

本革シートは、見た目はいいが、シートのコスレ音が気になる。(特に、静寂なハイブリッドカーでは)それに、汗をかくと、面倒だ(カムリはアウディ、プジョーに比べ冷房の効きが悪い)。

タイヤは大きい方が、カッコいいし、直進走行も安定するが、燃費が悪く、ハンドルが重くなる。一般論だが、車種が同じなら、標準バージョンのタイヤがベスト。カムリなら、16インチだ。

というわけで、本革シートやデカいタイヤに執着する人、何でも高ければいい人、以外は「標準」がベスト。

ただ、僕は、ハンドルがウレタンだと、チープな気分になるので、オプションの本革ハンドルにした。

次に、僕が購入した「標準+本革ハンドル」のお値段。

項目 金額
車両本体 3,040,000
付属品 226,350
手続き費用 96,475
サービスパック会員 79,000
値引き 41,825
支払い合計 3,400,000

締めて、340万円也。さらに、土壇場で、エコカー減税が延長され、10万円のキャッシュバックがあった。なので、実売価格は330万円。車格と燃費を考えれば、かなりお買い得だと思う。

さて次は、実際に運転した感想。

僕は、車はほとんど通勤にしか使わない。片道13kmの道のりで、道路は高速道路なみ。さらに、朝は7時に家を出るので、渋滞に巻きこまれることもない。

それを前提に話を進める。

乗り心地は、プリウスより柔らかいが、フニャフニャ感はない。ただし、アウディのような、レールの上を走るような「安定感」はないし、プジョー307SWのような、「しなやかさ」もない。

ということで、「走り」は欧州車が断然上(メーカー、価格にもよるが)。もっとも、カムリ・ハイブリッドも、一昔前のトヨタ車のような、「バタつき」感はない。なので、一応、許容範囲。(歳をとったせいかなー)

つぎに、静寂性だが、とにかく、静か。欧州車とは比較にならない。特に、モーター走行中(EVモード)は、ほぼ無音。これは・・・凄すぎる。

意外に知られていないのだが、自動車の善し悪しは、走る、曲がる、止まる、で決まる。カムリは、走りはいまいちだが、曲がる、止まるは、一応、合格。ただ、ブレーキは、欧州車なみに速攻で効くので「◎」。

つぎに、十八番の「燃費」。

先の通勤、冷暖房無しの条件で・・・

買った当初:15km/L

ちょっと慣れて:17km/L

コツを覚えて:19~20km/L

カタログスペック、10・15モード「26.5km/L」はさておき、驚異的な高燃費だ。

冷静に考えてみよう。2500ccDOHCエンジン、車重1.8トンで、実燃費20km/L!?

ところで、欧米のメーカーにハイブリッドカーはないの?

じつは、欧米勢も中国市場向けに、「環境対応車=高燃費車」を投入する予定だ。中国は、大気汚染が深刻化し、ガソリン需要が急増しているから。

ただし、ハイブリッドカーではなく、ガソリンエンジンの改造車?!

中国では、ハイブリッドカーは20万元(260万円)以上するので、富裕層しか買えないのだという。

では、ガソリンエンジンをどう改造したら、「環境対応車」になるのか?

ダウンサイジング!

具体的には、VWは、高級車の「パサート」の排気量を2000cc以下に、GMは、中型車「マリブ」で排気量1600ccを投入、フォードは、排気量1000ccのSUVを投入・・・

おいおい、排気量が減っただけじゃないか。

たしかに、燃費は向上するだろうが、パワーの低下は避けられない。実際、友人がVWに試乗したところ、ひどいパワー不足だったそうだ・・・

ハイブリッドカーが、パワーを落とさず、高燃費を実現しているのに、馬力を落として高燃費?!

昔からある非力な車を、「環境対応車」と言いかえただけじゃないか!まぎらわしい・・・

そう考えると、カムリ・ハイブリッドは、「魔法」にみえる。

僕は今でも、「安定性」ならアウディ、「Fun to drive」ならプジョー、「走り」では、カムリ(トヨタ車)は、10年経っても欧州車に追いつけないと思っている。

でも・・・

こんな魔法を見せつけられたら、トヨタに「感動」するしかない。

「高度な技術は魔法に見える」、はまさにこれ。

ところで、この魔法、どんな仕掛けがあるの?

じつは、原理はいたってシンプルだ。

モーターに、電流を流せば、車輪が回る(あたりまえ)。その逆に、電流を切って、モーターの車輪を回せば、モーターに電流が生じる。つまり、「モーター=発電機」。これを利用したのが、ハイブリッドカーだ。

具体的には・・・

アクセルを離したとき(エンジンブレーキ)、モーターが発電機に切り替わり、先の原理で、「車輪の回転→電流発生→バッテリーに充電」で、電気エネルギーが蓄えられる。

さらに、ブレーキを踏むと、タイヤとの摩擦熱が電気エネルギーに変換され、バッテリーに充電される。

これが、電気エネルギーを得る仕掛けで、「回生ブレーキ」とよばれている。

つぎに、ガソリンエンジンとモーターの切り替え方法。これも自動的に行われるので、ドライバーは意識する必要はない。

具体的には・・・

低速時には、ガソリンエンジンは燃費が悪いので、モーターで走る。逆に、高速域では、ガソリンエンジンの燃費が向上し、モーターではパワーが不足するので、ガソリンエンジンで走る。

つまり、ハイブリッドカーのポイントは、

1.ガソリンエンジンとモーターを効率よく使い分ける。

2.モーターの電気エネルギーは、減速時に充電する。

というわけで、原理は至ってシンプルだ。ただし、実装は難しい(と思う)。もし簡単なら、世界中の自動車メーカーが真似しているだろうから。

もっとも、ハイブリッドカーなら、無条件で高燃費、というわけではない。

じつは、最近、勤務先の会長が、クラウン・ハイブリッドに乗り換えたのだが、燃費を聞くと、「7km/L」。

?!?

というわけで、ハイブリッドカーで高燃費を引き出すには、コツがいる。

カムリ・ハイブリッドに乗り換えて、1ヶ月ほどたったある日、燃費の記録を作ろうと思い立った。その日は、行きも帰りも、燃費を上げるため、全神経を集中した。そのときの運転方法・・・

まずは、発進時の注意。

前方がスカスカだったら、一気に加速して、すぐに、アクセルを離し、EVモード(モーター走行)で走行。

もし、前方が混んでいたら、ゆっくり、発進して、EVモードでソロソロ走行。

つぎに、走行中の注意。

時々、加速し(ガソリンエンジン)、一定速度になったら、すぐに、アクセルを離し、EVモードで走行する。というのは、速度が落ちても、アクセルを離さない限り、EVモードに入らない。

ところが、EVモードを多用していると、バッテリーがすぐに切れる。そのときは、加速して、ブレーキをかけて(減速)、バッテリーを充電する。エンジンブレーキより、フットブレーキーの方が充電量が大きいので、積極的にフットブレーキを使う(ここがガソリン車との違い)。

その結果・・・

その日の燃費は、なんと、28.7km/L!ただ、僕はもともと、「ビンボー運転」なので、参考にならないかもしれない(あの悪燃費のプジョー307SWでも通勤で9.5km/L)。

とはいえ、こんな運転を毎日続ける気にはなれない。ゼンゼン楽しくないから。なので、実燃費は「19~20km/L」というところ。それにしても、驚異的な高燃費だ。トヨタ恐るべし。

そんなこんなで、いまだに、ガソリン車が走っているのが、不思議でならない。今見ている車窓は、僕にとって、現代の「七不思議」の一つだ。

by R.B

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