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スモールトーク雑記

■東日本大震災・2011年3月29日 2011.03.29

【3月28(月)】今回のような大惨事が起こると、必ず、悲観的な予測をする人がいる。

すると、したり顔の識者から、「不安をあおる危険人物」と指弾される。

今回の東日本大震災もしかり。政府や御用学者の答弁を聞いていると、「事態は予断を許しませんが、”直ちに”健康には影響しません。”念のため”・・・してください。冷静に、風評には惑わされないように」

確か、風評とは、「虚偽の報道」のはずだが・・・

東京電力の発表が、訂正続きで、ひんしゅくを買っている。たとえば、福島第1原発2号機の水たまりの放射性物質が、通常の1000万倍と発表したが、3月27日夜には訂正し、さらに、3月28日に再訂正し、現在は10万倍。

これでは、信じろという方がムリ。もっと厳しく言えば、信用に値しないという点で「風評」とかわらない。

また、「不安をあおる連中は秩序を乱す反社会分子」という常識も、今回は考え直したほうがいい。「政府やマスコミを信じて、まったり」より、「最悪に備え、機敏に」のほうが、生きのびる確率は高いからだ。とくに、年寄りや子供をかかえる家族は。

たとえば、政府が20~30km圏内を「屋内退避」と決めたとき、「不安をあおる連中?」の意見に従い、80km圏外に避難していれば、「自主的避難」に切り替わった今、辛い思いをすることもなかっただろう。

以前、在職した会社の同僚から、こんな話を聞いた。この会社は、大震災で壊れた自社製品を修理するため、福島県に保守要員を送り込んだ。すると、納入先の担当者にこう言われたという。「あんたら、放射能浴びに来たんか。相手しているヒマはないから、もう来なくていい」

この事があって、放射能に対する会社の認識が変わった。東京に転勤したほとんどの社員が、妻子を金沢に帰郷させたという。

これを、「風評におびえる愚者」ととらえるか、「最悪を想定し、備える賢者」ととらえるか?という話。

だがもし、東京電力が最悪を想定していれば、今回の大惨事は防げただろう。

【3月29日(火)】参院予算委員会で、田元久・副経済産業相が、「福島第1原発の行く末は、神のみぞ知る」と発言し、ひんしゅくを買った。

失言には違いないが、真実だろう。事態はそれほど深刻化している。

福島第1原発の土壌から、プルトニウムが検出された。微量とはいえ、こんな猛毒の放射性元素まで検出されるとは・・・

さらに、1~3号機のたまり水から、高濃度の放射性物質が検出され、復旧作業が停滞している。ところが、排水のメドは立っていない。

それでも、現場の作業員たちは、決死の作業をつづけている。福島原発の職員から得た情報によると、現場は戦場。決して比喩ではないだろう。

本人や家族にしてみれば、なぜ、自分たちだけがこんな犠牲を強いられるのか・・・こうしている間にも、ゲートボールやゴルフに興じたり、宴会で酔っぱらっている人もいるだろうに。憤りを覚えて当然だ。彼ら、彼女らに責任はないのだから。

未曾有の国難にあって、作業可能な人が、命を賭けるのはやむえない。だが、彼らだけに犠牲を強いるのは理不尽だ。

民主党の海江田氏は、東京消防庁ハイパーレスキュー隊幹部に、「速やかにやらなければ処分する」と圧力をかけたという。これから死地におもむく部下に、そんな言葉しかかけられないのか?最低のリーダー・・・そこまで言うなら、おまえが行け。

また以前、民主党の仙谷氏が、自衛隊を「暴力装置」と言った。彼の造語というわけではないが、有事に命をける自衛隊員のプライドを、どれだけ傷つけたことだろう。こんな連中が国の指導者?この国はどうかしてる。

その自衛隊員と消防隊員だが、今は、命を賭けて危機に立ち向かっている。

ところで、海江田さん、仙谷さん、国を束ねるリーダーとして、君たちは今何をしているのか?

今の日本は、「犯人捜しはやめて、前に進もう」というような状況にない。なぜ、こんな取り返しのつかないことをしたのか?すぐに、責任を追及すべきだ。なぜか?こういう連中は放っておくと、また同じ災いをもたらすから。

格納容器をもっと大きく、丈夫に作っていたら、原発をもっと高台に作っていたら、こんな大惨事にはならなかっただろう。ではなぜ、こんな簡単なことをやらなかったのか?人の命より、金儲けを優先させたから。だから、東京電力の経営陣は、断罪されてしかるべきだ。もちろん、政府にも監督責任はある。

だが、なにより、今、現場にいる作業員とその家族に、可能な限り報いるべきだ。彼ら、彼女らは命をかけて、国難に立ち向かっているのだから。

しかし・・・

政府は、「行く末は神のみぞ知る」、東京電力と原子力安全・保安院は、「原発の制御を回復するのはムリ」と思い始めている(たぶん)。

昔、工場設備の開発に携わった経験から推測すると、原発の制御を回復するには、奇跡が起こったとして1ヶ月、最低、半年~1年はかかるだろう。

中央制御室の設備は、デジタル装置とアナログ装置からなる。デジタル装置の基本パーツ「IC」は、モノリシック構造(一枚岩)なので損傷は少ない。ただし、ICと回路基板をつなぐハンダが破損、または接触不良をおこしているかもしれない。さらに、ICが実装された回路基板同士をつなぐコネクター、ケーブル類は、間違いなく損傷している。

また、システム全体を一気に電源ONというわけにはいかない。何が起こるかわからないからだ。そこで、ブロックごとにチェック、修復していくしかない。気の遠くなるような作業だ。

中央制御室の写真を見ると、計器類はアナログのようだ。アナログ機器は機械的振動に弱い。怪しいものはパーツ交換する方が無難だ。計器が信用できないと、何もできないから。

このように厄介な作業なのに、高濃度の放射線にさらされ、満足な作業ができなくなっている。このまま排水ができないと、いずれ、作業員を撤収せざるをえない。

そうなれば、冷却は外部からの注水に限られ、十分な冷却ができず、いつかは、深刻なメルトダウンを引き起こすだろう。燃料棒の原子崩壊による発熱は、3ヶ月~数年もつづくからだ。

メルトダウンのシナリオは2つ考えられる。

第1に、燃料棒が溶け落ちて、格納容器の底を溶かす。結果、容器内にある大量の放射性物質が外に出る。

第2に、燃料棒が溶け落ちて、冷却水が蒸発、格納容器内の圧力が急上昇し、容器が爆発する。そうなれば最悪だ。大量の放射性物質が空に吹き上げられ、現在の1000倍の放射線が放出される(ロバート・ゲール博士)。まさに、チュルノブイリだ。

結果、放射性物質は1000km彼方まで飛散し、日本列島すべてが射程に入る。その時どうなるか、計算してみよう。

3月29日午前の新宿の放射線量は0.1uSv毎時。放射線がその1000倍なら、0.1uSv毎時×1000=100uSv毎時。この状態が1年間続くとすると、100uSv×24時間×365日=876000uSv=876mSvこの放射線量が人体に与える影響は、「リンパ球の減少」。

もちろん、識者が言うように、密閉された屋内にいれば放射線の量は、1/10程度になる。ただし、これは大気汚染の話。

水質汚染は、今度は「乳児制限」ではすまないだろう。土壌汚染も深刻だ。大気汚染とは違い、蓄積する一方なので。放射性物質が降り積もった土やアスファルト・・・外を歩くのもためらわれるだろう。当然、首都機能はマヒする。

もし、そうなれば、首都圏4240万人の一斉避難がはじまる。日本の総人口の1/3。現実には、全員が避難することはできないだろう。都市文明の崩壊は始まっているのかもしれない。

あおっているのではない。最悪の事態を想定しているのだ。事が起こったとき、僕は東京にいるかもしれない。それに、東京には、部下、親戚や友人がたくさんいる。だから心配なのだ。

今後、政府は、政府機能の移転、首都圏の避難も視野に入れるべきだろう。「想定外」は二度と許されないだろうから。

by R.B

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