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スモールトーク雑記

■マカオ再び・ポルトガル料理 2012.06.30

マカオ2日目、カジノの戦績は、僕とディレクターは2万円の勝ち、新人プログラマーは2万円の負け。

ということで、カジノって楽しいなーの世界。これですめば、みんなハッピーだったのだが・・・

夕方、ケータイに電話が入る。取引先の事業部長さんからだ。本社の専務、営業部長、香港法人の社長もマカオに来ているので、いっしょに食事しませんか、というお誘い。

6時半に、ギャラクシー・ホテルの正門で待ち合わせすることになった。ギャラクシーは、宿泊しているベネチアン・マカオ・リゾートのすぐ隣にある。ただ、「隣」といっても、日本とは事情が違う。ここコタイ地区は、カジノホテル専用地区で、だだっ広い上、道が入り組んでいて、位置が把握しにくい。

不安を感じたので、1時間前にホテルを出た。いい歳こいて、迷子で遅れました、では末代までの恥なので。

ギャラクシー・ホテルの近くまで行ったが、とにかく巨大。見上げると、首が折れそうになる↓

Macao2012_Hotel_GalaxyOut

正門、正門、正門・・・一体どこだ?入り口がたくさんあって、サッパリわからない。ホテルのボーイに聞いて、ひたすら、歩く。結局、20分もかかった。視覚上は、目と鼻の先なのに。(信じられん)

ギャラクシー・ホテルに入ると、スーパーモデルのような女性が2人立って、愛想を振りまいている。小太りの中年男が、スーパーモデルと並んで写真を撮っている。モデルのヒザの位置が、男性の股間あたり。あんな恥ずかしい写真、誰に見せるのだろう。

正門入り口あたりで、取引先一行を発見する。8人ぐらい?思ったより大人数だ。簡単な挨拶の後、名刺交換する。

ウチの3名をふくめ、総勢11人でタクシーに分乗し、マカオ市街に行く。セナド広場の近くで降りて、細い道を少し歩くと、店の看板が見えてきた。ポルトガル料理「九如坊(RestaurantePlatao)」↓

Macao2012_Plata

香港法人の社長のお気に入りの店だそうで、マカオではかなり有名だという。入り口に、巨大な扇風機が回っていて、なまぬるい風を吹きかけてくる。なんか意味あるのかな?

中に入ると、けっこう狭い。先の香港法人の社長が、テキパキと料理を注文する。さすが行きつけ、手際がいい。

まずはポルトガルビールで乾杯。ところが、このポルトガルビール(Sagres)、独特の甘みがあって、なかなか美味い。以前、世界中のビールを取り寄せて、試したことがあるが、その中でも、トップクラスだ。(一番はインドの「マハラジャ」)

ビールに飽きると、次はポルトガルワイン、そして、最後はウィスキー、と、順序よく飲んで、そこそこ酔っぱらった。

肝心のポルトガル料理だが、去年行ったポルトガル料理店より美味い。

中でも美味しかったのは、米をトマトで煮込んだ料理(リゾット?)↓

Macao2012_PortDinner

テーブルにドンと置かれたとき、グツグツ煮立って、まるで地獄の釜・・・ところが、食べた瞬間、みんな口をそろえて、「美味い!」たかがご飯、されどご飯、ご飯がこんなに美味いとは・・・

つぎに、ポルトガル料理定番のソーセージ、卵、肉。こちらも、スパイスが効いて美味しい。元々、ポルトガル料理は味が濃いのだが、「九如坊」は少し薄味で、日本人には合っていると思う。

対面の若い営業マンは、香港の支店で働いているという。マカオは近いので、オフで、よく遊びに来るらしい。(香港ーマカオはシーエクスプレスで1時間弱)もちろん、目的はカジノ。そこで、戦績を聞くと、話をそらされてしまった。

左横の若い営業マンは、東京本社から、専務のカバン持ちで来たという。昨日、回遊魚(大陸小姐)と遊んだらしいが、どこか不満げ。

そこで、話を聞くと・・・

あれはダメ、これはダメと、制限が多く、ことが終わったあとは、一転して、冷淡になったという。中国人は冷たい、とぼやいていた。

HK$1500と言われたんですけど、HK$1000に値切ったせいですかね、と僕に聞く。あーいう遊びはロシアンルーレットなので(HIV弾)、僕は興味ありません、とも言えないので、そうかもしれませんねぇ、とお茶を濁しておいた。

一方、香港法人の社長ともなると、話の格が違う。

この社長は香港が長いらしいが、その中で印象に残ったのが、天安門事件と、マカオのカジノ抗争だったという。

天安門事件とは、1989年、民主化を求めるデモ隊と軍・警察が衝突して、多数の死傷者を出した事件。このとき、多数の中国人が、広東省から川(水道)を泳いで、マカオに流れ込んだという(不法入国)。この事件は、中国、マカオ、香港では、大変な騒ぎだったらしい。

そして、マカオのカジノ抗争。

それまで、マカオのカジノの運営権は、マカオの「カジノ王」スタンレー・ホーが独占していた。ところが、1999年、マカオが中国に返還されると、ホーは独占権を失う。

そこで、台頭してきたのが、アメリカのラスベガス資本だった。その後、カジノの覇権を争って、血で血を洗う壮絶な抗争が、繰り広げられたという。

その結果、現在、マカオのカジノは、ラスベガス資本、スタンレー・ホーのマカオ・香港資本が共存している。最近では、オーストラリア資本も進出しているという。

というわけで、去年のマカオにつづいて、今年もごちそうになり、楽しい話まで聞かせていただいて、取引先のみなさんに、シェシェ(謝々)。

食事が終わると、みんなで、街を散策しようということになった。マカオのセナド広場は、世界遺産が集中していて、観光のコストパーフォーマンスは世界一だ。

香港法人の社長の案内で、まずは、マカオ歴史地区の顔、「聖ポール天主堂」にむかった。

その道すがら、幻想的な路地を発見↓

Macao2012_NightSenad

一見、南欧風だが、マカオの土地事情を反映して(人口密度世界一)、こぢんまりしている。それにしても、みごとな縦列駐車だ。マカオではこの超技をマスターしないと、免許が取れない。(ホントだぞ)

そのすぐ右横に、聖ポール天主堂があった。世界遺産なのに、ライトアップがイマイチで、ぱっとしない(昼の方がいい)。

振り向くと、遠くに、「グランドリスボア」の頂上が見える↓

Macao2012_Hotel_LisboaOut

グランドリスボアは、先のスタンレー・ホーが所有する旗艦ホテルだ。SF映画を地でいくような建物で、インパクトがハンパじゃない。あんな頭でっかちで、よく倒れないものだ。日本なら建築許可はまずおりないだろう。

このグランドリスボアは、マカオのカジノの顔。そこで、リスボアで一勝負しよう、ということになった。

その道すがら、世界遺産の「聖ドミニコ教会」を発見。聖ポール天主堂と違って、夜の街に映える。壁がイエローとグリーンで着色されているからだろう↓

Macao2012_NightStDominico

10分ほどで、グランドリスボアに着く。カジノの雰囲気が、ベネチアンやギャラクシーとまるで違う。あか抜けてはいないが、やぼったいわけでもなく、中国というより、東南アジア風。曰く言い難し、独特の雰囲気がある。

正門正面に、創業者スタンレー・ホーが鎮座している↓

Macao2012_StanleyHo

スタンレー・ホーは、香港とマカオに広大な土地を持つ大地主、カジノ王、そして、今でもマカオのドンだ。有名なマカオタワーもホーの所有だし、彼の名をとった「通り(ストリート)」まである。マカオで一番偉いのは、行政長官だが(ポルトガル統治時代は総督)、実力では、スタンレー・ホーが上だという。

一般に、マカオのカジノは、丁半バクチ系が人気がある。客の8割を占める中国人が、大好きだから。というわけで、グランドリスボアも、スロットマシンは少なく、ほとんどが、丁半バクチ系。中でも人気があるのは、大小(サイコロゲーム)とバカラ(トランプゲーム)。

本当は、ブラックジャックの方が、ゲーム性が高く、駆け引きもあって面白いのだが、マカオではサッパリ。ベネチアンでも、去年に比べ、ブラックジャックのテーブルが激減していた。というか、ゼンゼン見かけなかった。

さて、そんなこんな諸事情で取引先の専務と部長が選んだのは、「バカラ」。

まずは、部長。開始早々、瞬く間にお金を取られていく。5分で3万円の負け!さすがに、そこで中断。こんな調子じゃ、10万円なんてあっという間だ。コワイコワイ。

そして、専務の方は・・・これまた、凄まじい負けっぷり。確率は1/2なのに、なんであんなサクサク負けるのだろう。しかも、賭け金が大きいので、負け金もでかい。とても見ていられないので、取引先の事業部長さんに挨拶をして、ホテルを出た。

グランドリスボアからベネチアン・マカオ・リゾートまで、タクシーで約500円。時間にして15分ほどなので、日本より安い。それに、ヨーロッパみたいにボラれることもないし、チップもいらない。だから、マカオのタクシーは安心で便利。実際、通勤でタクシーを使っている人もいるくらいだ。

ただし、マカオのタクシーは、コミュニケーションに問題がある。英語も日本語も全く通じないのだ。なので、僕は、手帳にホテル名やレストラン名を中国語で書きこみ、それを見せることにしている。ちなみに、ベネチアン・マカオ・リゾートは、「澳門威尼斯人渡假村酒店」。(サッパリわからん)

あと、もう一つ。手帳にはでかい字で書くこと。マカオの運転手さんは、若い人はまずいない。だから、字が小さいと読めないのだ(老眼)。

ホテルに着くやいなや、ディレクターと新人が熱く語り始める。取引先の専務と部長の負けっぷりをみて、テンションが上がっているのだ。「負け」で盛り上がるというのもヘンな話だが、人間は不思議な生き物である。

僕は、2万円勝ったのでもう十分。欲をかくとロクなことはない。だって、カジノは勝つか負けるか、そして、負ければ、10万円は吹き飛ぶ。プチ貧乏の僕なら、3ヶ月は立ち直れない。

だから・・・

1000円でも勝てば、10万円以上の価値があるのだ!

取引先の専務と部長は、結局、いくら負けたのだろう?次に顔を合わせたとき、話題にしていいものやら・・・

ノドが乾いたので、ジュースを買おうと思ったが、なかなか見つからない。ベネチアンに入っている店は、ほとんどが、レストランか免税店。しかも、ホテルのあるコタイ地区は、カジノホテル占有地なので、民家も店もない。なので、生活雑貨類は手に入らない。

そこで、「スターバックス」に行き、サイダーとジュースを買った。サイダー「France 330ml Pierrie」が、HK$24(240円)。オレンジジュース「Starbucks Fresh Oran」が、HK$27(270円)。高い!

店員が、「おつりはパタカでもいいですか?」と聞いてくる。「いいよ」と不機嫌に答えると、ニッコリ笑って、「サンキュー」

マカオは、香港ドルと現地通貨のパタカが流通している。レートは、ほぼ1対1なので計算しやすい。1香港ドル(HK$)=1.03パタカ(MOP)=10.6円(2012年5月)

ただし、パタカが使えるのはマカオだけ、しかも、他の国では現地通貨に交換もきない。なので、金額が大きいなら、おつりは香港ドルでもらったほうがいい。

部屋に帰って、ベッドに入って、ジュースを飲みながら、小松左京の「果しなき流れの果に」を読む。面白くないせいか、疲れたせいか、あっという間に夢のへ。

by R.B

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