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スモールトーク雑記

■マカオ出張・商社マンたちの夜 2011.06.19

ホテルのメインロビーに行くと、チェックインの行列ができている。夜9時とは思えない賑やかさ、さすが、マカオ(空前の好景気らしい)。

フロントで、取引先の部長さんを発見。ウチの社長が電話したらしく、わざわざ迎えに来てくれたのだ。彼らは、ハード・ロック・ホテルに宿泊していて、そこで会食が始まっているという。あいさつもそこそこに、ハード・ロック・ホテルへ。

ヴェネチアン・ホテルを出たとたん、異様な光景が飛び込んできた。「ギャラクシーマカオ(澳門銀河)」だ。Macao_Galaxy

最近オープンしたばかりの巨大複合リゾートホテルで、3つの5つ星ホテルからなるという。この一帯(コタイ地区)は、今はホテル建設ラッシュで、まるで、日本のバブル時代のよう。

ハード・ロック・ホテルは、道1本へだてて、ヴェネチアン・ホテルと向かい合っている。道すがら、ストリートガールが声をかけてくる。みんな、美人で背が高い。きっと、中国の東北部出身なんだ・・・

5分ほどで、ハード・ロック・ホテルに着く。ヴェネチアン・ホテルとは違い、外見も内装も近未来的。1階の広いバーに行くと、すでに会食が始まっている。

席の中央には、取引先の役員がいる。ラッキ~、今晩は美味いものが食えるぞ!機内食しか食べていないので、腹はペコペコだ。

さっそく、美味しそうなソーセージを見つけ、フォークでブスっ、と思った瞬間、取引先の部長さんが言った。「ウチの現地法人の人間は初めてでしょう。まずは、ごあいさつさせてください」「あ、はい」というわけで、食べ物はちょっとおあずけ。

この会社は、中国に拠点をもっているが、本社の役員が来るというので、香港の現地法人や関連会社の社長や責任者も出席していた。

彼らは、香港を拠点にして、香港、上海、台湾、韓国、ベトナムと商売している。香港はいわば、アジアビジネスの「ハブ(基点)」なのだ。

あいさつが終わり、ソーセージを口に放り込む。スパイスがきいてなかなか美味い。好きなものを注文してくださいと言われたが、メニューを見てもサッパリ。そこで、テキトーに注文する。バーなんだから、間違っても、ハンドバッグは出てこないだろう。

ところが、注文したものがなかなか出てこない。催促すると、忘れていたようだ。オープンして2年経つそうだが、従業員の教育はこれからだ。

10分ほどして、料理が出てきたが、ソーセージ、スパゲティ、サラダ・・・ここまでは想定内だったが、最後に、ハンバーガー?!頼んだ覚えはないが・・・ま、食えるからいいか。料理はどれもこれもスパイスがきいている。それはそうだろう、ポルトガルといえばスパイス!

マカオは、1999年までポルトガル領だった。そして、ポルトガルと言えば大航海時代。15世紀、ポルトガル人たちは、スパイスと財宝をもとめて、遠くアジアまで進出したのである。だから、ポルトガル料理にはスパイスは欠かせない。

ワインは、白と赤をチャンポンで飲んだが、それなりに美味しい。もちろん、ポルトガルワイン。(マカオまで来てわざわざフランスワインを飲む人はいないだろう)

でも、赤ワインなら、僕はマデイラワインの方が好きだ。マデイラワインは、ポルトガルのマデイラ島で作られるワインで、強いコクと風味があり、ハマるとアル中になる。

話はもどって、会食。ウチは映像と制御ソフトを開発しているが、良い外注先がなかなか見つからない。そこで、香港法人の責任者に聞いてみた。「上海や天津には、CG制作会社がたくさんありますが、香港はどうですか?」

「ん~、CG制作会社ですか。香港では聞いたことがないですね。捜せばあるかもしれませんが・・・ところで、なんで香港なんですか?」

仕事で香港に出張して、帰りにマカオに寄ってカジノ、とも言えないし・・・

ところが、誰かがすぐに話題を変えてくれた。さすがは商社マン、空気を読むのがはやい。

彼によれば、中国は今、1億人の金持ちがいるという。ここでいう金持ちとは年収4000万円以上。(ウチの社長ももらってないぞ)残り12億人が貧乏だとしても、「1億人」という絶対数は強烈だ。だから今、マカオに遊びに来る人のほとんどが、中国人だという。

ところが、それを嫌がる人たちもいるらしい。マカオ人と中国のエリート層だ。マカオの「観光システム」が、成金に壊されるのがイヤなのだという。

たしかに、マカオは、他の観光地にはないアドバンテージがある。ラスベガスと比肩するカジノ、さらに、30ものユネスコ世界遺産をもつ(マカオ歴史地区)。しかも、インスタンブールのように、西洋文化と東洋文化が融合した希少な街。観光地としては、間違いなくオンリーワンだろう。

ウチも取引先も、体育会系なので、会食(宴会?)はどんどん盛り上がってきた。ワインは飲み放題だし(取引先の役員に謝謝・シェシェ)、歓楽的雰囲気もあって(マカオに謝謝)、みんなご機嫌。やがて、小グループに分かれ、シッポリ話し込む。

隣の席の商社マンが、面白い話を聞かせてくれた。韓国のバーは10万円も取るのに、テレビに出てくるような美人はゼンゼンいない(ホントか!)。台湾は料理がうまいけど、面白いものはあまりない。香港は華やかで楽しいけど・・・やっぱり、マカオが最高!

すかさず、理由を聞くと、ギャンブルと女・・・ギャンブルはわかるけど、女って?先のストリートガールのこと?

じつは、マカオには、正規の?風俗店があるらしい。中でも「ダーリン」は老舗で、明朗会計(1500香港ドル:1万5000円)、サービス抜群、日本より安心できるという。

彼が言うには、「中国人は美人で、スタイルもいいんですよ。理由分かりますか?」(わからん)「日本人の脚は曲がっているんですが、中国人はまっすぐなんです。その分、脚が長く見えるんですよ」なるほど・・・

さらに話はつづく、「日本にくらべ、香港やマカオの風俗嬢はとにかく明るいんですよ。そこがいいんですね。あんな場所で、身の上話されちゃ、たまらないですからね」この人常連?

彼の熱い語りはつづく。「ダーリンには2つ店があって、ダーリン1の女の子は、18歳~26歳、ダーリン2は、26歳~36歳、どうです、守備範囲広いでしょう」詳しい・・・

この話を聞いた瞬間、僕は確信した。「いずれ、マカオはラスベガスを圧倒する」(売上はすでに抜いている)理由は簡単。ラスベガスは「ギャンブル+酒」のみ、一方、マカオは、「ギャンブル+酒+女」がセット。(ホテルのカジノフロアでもストリートガールがいる)だから、マカオはラスベガスに対し、圧倒的なアバンテージがある。

この予言は、道徳や善悪を超えた、人間の本性と経済の大原則によっている。(ちょっと大げさかな)

ふと気がつくと、隣で飲んでいた部長さんが、トイレに行ったまま戻ってこない。30分経ってやっと帰還。

「どうされたんですか?」「トイレットペーパーがないんですよ」「えー、こんなホテルで!」「で、どうされたんです?」「ケータイで電話して、持って来させましたよ」「なるほど・・・」

でも、どうやってトイレットペーパーを受け取ったのだろう?情景が思い浮かばない。真剣に考えることでもないが、だいぶ酔いが回ったような・・・そういえば、3時間もワインをラッパ飲みしている。まずいわ・・・

夜中の2時、3時、4時?宴会はお開きとなった。ところが、商社マンたちは、これからカジノに行くという。

彼らについていくと、みんなテーブルゲームで、スロットなんか見向きもしない。ブラックジャックかバカラ・・・コワイ、コワイ。

僕はホテルに帰って寝ることにした。部屋に入り、あらためて、豪華な室内に感動。Macao_Venetian_BedRoom

田舎モンはこれで十分・・・こうして、マカオ初日は、何ごともなく終わった。

by R.B

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