■ひぐらしのなく頃に祭 2010.02.13
最近、週一のペースで、東京に出張している。ほとんどが貧乏な日帰り出張だが、今回は1泊。クライアントとの打ち合わせが、早朝8時なので、前日、東京に入った。
夕飯はワタミ。以前は、一人でも、テーブル席に座れたのに、今は、無条件にカウンター席。目と鼻の先に壁がドーン。威圧感があり、窮屈。あのスカスカのテーブル席が、これから埋まるとは思えないのに。
メニューを開くと、ティッシュがはさまっている。途端に食欲が失せた。
味がイマイチなのは昔からだが、安いので我慢してきた。ただ、この程度の素材でも、ちょっと工夫すれば、味は劇的に改善するのに。安さにかまけて、日々の改善を怠っている?
業種が何であれ、日々の改善を怠れば、必ず競争力を失う。「改善(カイゼン)」の象徴のトヨタでさえ、リコール問題で危機に陥っているのに。
最近、この会社は、多角経営に精を出しているが、原点をおろそかにすると、トヨタの二の舞になるぞ。
1年前までは、店員はみんな明るく元気、サービス精神も旺盛だった。そこが取り柄だったのに、今はそれもない。利用するのは次を最後にしよう。(割引券が1回分残っているので)
いつものように、浅草で一泊。翌日早朝、秋葉原に行き、客先で打ち合わせ。1件目は、開発体制の取り決め、2件目は、おカネがらみの話。クリエーターの頃は良かったなぁ。
打ち合わせを終え、松屋で牛めしを食べる。280円で、味噌汁付き。安いのに、なかなかうまい。だから、もう吉野屋は行かない。
午後1時、ベルサール秋葉原へ。「パチスロ・ひぐらしのなく頃に祭」のプレス向け発表会に出席する。この機種は、アルケミストのPS2ゲーム「ひぐらしのなく頃に祭」をオーイズミがパチスロ化したもの。原作は、竜騎士07の「ひぐらしのなく頃に」。
この手のコミックは読まないので分からないが、相当有名らしい。午後3時から一般公開なのに、ビルの外はすでに、長蛇の列。
発表会では、PR用の映像も公開されたが、なかなか迫力がある。好きなジャンルではないが、演出にキレがあるし、存在感もある。いい感じだ。
司会者が、「今日は特別ゲストをお迎えしております。知らない人がいないほど有名ななお二人、さぁ、どうぞ!」お笑いコンビ「ヒビキ」?知らん。つまらないドタバタが始まったので、膝の上にレッツノートを載せ、カチャカチャ、後の打ち合わせに備える。
午後3時、発表会が終了。関係者を捜し出し、次々と挨拶。ちゃんと出席してましたよぉ~、のPRのため。その後、デザイン担当の役員と合流し、次の訪問先へ。
ある開発案件で、デザイナーがまだ決まっていない。社内のデザイナーはみんなデスマーチ(deathmarch)で、一人も空いていないのだ。そこで、外注先をしらみつぶしにあたっている。今日の訪問先もその一つ。
訪問した会社は、DSを得意とするパブリッシャー&デベロッパーで、業界の中堅どころ。ところが、ゲーム業界は今、冬の時代、そしてもうすぐ、氷河期。だから、ゲーム・デベロッパーのほとんどが、7号業界(パチンコ・パチスロ)を狙っている。
この会社とは、秘密保持契約を交わしてなかったので、当たりさわりのない話に終始する。まぁ、腹の探り合い。ところが、RPGゲーム「ウィザードリィー(Wizardry)」が話題になると、話は一気にはずんだ。
「昔、アスキーからPC9801版が出たけど、過酷なゲームでしたねぇ」と僕が切り出すと、
「あ、あれやりました?僕もやりましたよ。死んだ瞬間にセーブされるんで、取り返しがつかないんですよね。だから、死ぬ直前に、フロッピー(昔の外部記憶装置)を、サッと抜くんです。そのうち、壊れちゃって、ハハハ・・・」
「へぇー、僕なんか、されるがまま、死んでましたよ」とまあ、仕事以外で盛り上がっていた。
先方の社長もご機嫌で、DS版ウィザードリィー「Wizardry~生命の楔~」をプレゼントしてくれた。なぜか、とても幸わせな気持ちに。今は昔、まだ、ドラクエもFFもなかった頃、「ウィザードリィー」は「ウルティマ」と並ぶRPGの双璧だった。それが、まだ生き残っていたこと、それを知る人と話せたこと、それが嬉しかった。
ベンチャー企業は、企画、開発、受注、資金繰り、いつもどこかで問題が発生している。モタモタしていると、「未解決の問題数>解決済み問題数」で、仕事が収束しない。だから、毎日、ブルドーザーのごとく、驀進している。
そんな毎日だから、昔を振りかえるだけで、心がなごむわけだ。
今回の出張も大忙しだった。よく働いたなぁ。1円も稼いでないけど。最終の新幹線に乗るべく、大急ぎで東京駅に向かった。
by R.B