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スモールトーク雑記

■新型コロナ・検査をしたくない日本 2020.02.29

パンデミック(世界規模の感染)は避けられそうもない。

正しく恐れよう、なんて言葉遊びをしている場合ではないだろう。

ところが、こういうとき、必ず冷静を装う一派が出現する。自分を差別化したいのか、他のもくろみがあるのか、分からないが、「新型コロナウィルスは騒ぎすぎ、インフルエンザの方が感染者も死者も多いですよ」とのこと。

インフルエンザと新型コロナウィルスは根本が違う。インフルエンザはワクチンも特効薬もある。ところが、新型コロナウィルスは何もわかっていない。つまり、「未知」のウィルス。

「未知」って怖くないですか?

最初、武漢で新型コロナウィルスが確認されたとき、「人から人への感染はない」はずだった。ところが、フタを開けてみれば、この有様。初動で誤認したのか、途中で突然変異したのかわからないが、それが「未知」の恐ろしさ。

たとえば、14世紀で世界で大流行したペスト。初めは、ノミやクマネズミ(中間宿主)を介して感染する腺ペストだった。ところが、北ヨーロッパで肺ペストに変異し、空気感染を獲得した。結果、感染爆発をおこし、世界中で1億人が死んだ。世界の人口がまだ4億人の時代である。

だから、「未知」は怖れるべきだ。最悪を想定して、早め早めに手を打つ。何がおこるかわからないから。

2月26日、WHOが気になるデータを発表した。中国国外での新型コロナウイルスの新規感染者数が、中国を上回ったというのだ。ブラジルで南米初の感染者、さらに、ギリシャ、ジョージア、ノルウェー、パキスタンでも初の感染者が出た。意味するところは・・・感染が世界中に広がり始めた。

とはいえ、ここまでは想定内。だが、気になることがある。

なぜ、日本の感染者数は、こんなに少ないのか?

2020年2月28日時点の世界の感染者数をみてみよう。

・中国:78,826

・韓国:2,337

・イタリア:888

・イラン:388

・日本:228

中国はさておき、日本は韓国の1/10。

なんで?

そもそも、地球の裏側のイタリアやイランより少ないって、どういうこと?

さては、日本人の生命力はカビなみ!

そんなわけない(失礼な)。

答えは・・・積極的に検査していないから。

検査件数を、韓国と比較してみよう。

韓国:45,000件

日本:6,300件

(2020年2月26日)

なんと、日本は韓国の1/7?

検査しないのだから、(表面上の)感染者数が少なくてあたりまえ。

ではなぜ、日本は検査をしないのか?

政府の発表によると、設備や人員などの制約があるので・・・

じゃあ、日本の医療インフラは、韓国の1/7?

そんなわけない。

政府の顔色をうかがわない専門家や識者によると、厚生労働省が仕切っていて、民間を利用しない。新型コロナウィルスの「PCR検査」はカンタンな検査で、民間会社に検査を委託すれば、桁違いの検査ができるとのこと。たとえば、国内受託検査事業の大手、エスアールエル社は、20万件/日以上の検査を全国の医療機関から受託しているという。

つまり、普通の検査は民間に委託しているけど、新型コロナウィルスはやらない。

なんで?

あるTV番組で、感染症の専門家が皮肉っぽく、こんな発言をしていた。

「検査しないのは、何か理由があるんでしょうね(口をひん曲げて)。感染者の数が増えると困るとか(口をもっとひん曲げて)」

この主張には合理性がある。日本の医療インフラは世界有数。ところが、新型コロナウィルスの検査は、韓国の1/7・・・検査したくないと思われてもしかたがない。

もし、日本が韓国なみに検査していたら・・・

日本の感染者数=228人×7倍=1,596人

でも。この計算は雑すぎる。

日本の人口は、韓国の2.4倍(2018年)。さらに、訪日する中国人観光客は、訪韓する中国人観光客の50倍(2018年)。後者の倍率で単純計算すると・・・

日本の感染者数=228人×50倍=11,400人

一方、中国の感染者数は約8万人(78,826)なので、人口比率で計算すると・・・

日本の感染者数=1億2000万人÷13億人×8万=8,000人

日本はまだ初期なのだから、もっと少ないのでは?

たしかに。でも、中国は本当は公表している数の10倍という説もある。

というわけで、2020年2月29日時点で、日本の隠れ感染者数は、2000~10,000人ぐらいだろう。

それを、検査をしぶって、228人にみせかけているのだから、後々、大問題になる、と思っていたら、2月28日、驚くべきニュースが飛び込んできた。

事の顛末を整理すると・・・

2月27日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史議員の質問で、驚きの事実が発覚した。2月25日に、厚労省管轄の国立感染症研究所から北海道庁に派遣された3人の専門家が、検査をさせないようにしている疑念がある。加藤厚労相は「3人がそのことを言った?うーん・・・」と首をかしげていたという。もし、知っていたとしたら大罪、知らなかったとしても監督責任はまぬがれない。事は重大、国民の命がかかっているのだ。

現在、発熱が続き、肺炎にかかっているのに、検査もしてもらえず、自宅療養を強いられている患者がたくさんいる。これを「検査難民」という。彼らは政府の無為無策に怒り、すでに恨み骨髄。そんなタイミングでこのニュース。政府が専門家3人を北海道に送り込んだのは、検査件数を抑え、感染者数を増やさないようにするためだった疑いが強いというのだ。

もし、本当なら、責任追及はモリカケや桜を見る会の比ではない。後々、集団訴訟になる可能性もある。福島第一原子力発電所事故で、東京電力のトップが訴えられたように。

ではなぜ、そんなリスクを負ってまで、感染者数を少なく見せたいのか?

私見だが、東京オリンピック・パラリンピックが関係しているだろう。感染者数が急増して、日本がホットスポットに指定されたら、東京オリンピック・パラリンピックは幻のオリンピックに終わる。

先日、IOC国際オリンピック委員会の委員が、今年5月末までに終息していなければ、東京大会を中止する可能性に言及した。すると、橋本オリンピック・パラリンピック担当大臣は、「委員の発言は公式見解ではない、五輪開催に向けて準備を進める」と強く反発した。

政府も東京オリンピック組織委員会も、東京オリンピック・パラリンピックリは何としてでもやりたい。でも、五輪は、世界中から選手と観客が集まり、濃厚接触し、自国に帰っていく。パンデミックの温床、感染拡大の究極の加速器だ。

つまりこういうこと。

自分たちの都合とメンツを守るためなら、世界中に感染が拡大していくのを見ていられる・・・これは悪魔です。

ある日、宇宙人が舞い降りて、超ハイテクでウィルスをやっつけてくれるとか、ウィルスが五輪に忖度(そんたく)して、感染を自粛するとか、人間が突然変異して無敵のホモ・エクセレンスになるとか・・・今、オリンピック開催に望みをかけるとはこういうことなのだ。

もし、東京オリンピックを強行したら、参加国は日本と中国だけ・・・シャレにならない。

メダルの数は増えるだろうけど、誰も祝福してくれない。神の呪いと祝福という2つの原理。僕は仏教徒なので、神のことは知らないけど、それくらいはわかる。

東京オリンピック・パラリンピックが、呪われたオリンピックと歴史に刻まれないよう、心から願っている。それもこれも、政府と東京オリンピック組織委員会の決断にかかっている。5月に、IOCに引導を渡される前に・・・時間はあまり残されていない。

《つづく》

by R.B

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