■火星移住計画 2018.05.02
イーロン・マスクは宇宙人である。
知人のデータサイエンティストの口グセだ。
言い得て妙かも。
イーロン・マスクは、PayPal社を創業し、大金をつかんだのに満足しない。PayPal社を売却して、テスラ・モーターズを創業、その後も次々と会社を起こしている。
彼は今、最も有名なアントレプレナーだろう。「第二のスティーブ・ジョブズ」と評する人もいるが、次元が違う。ジョブズは既存商品(パソコン、スマホ)のユーザーインターフェイスを極めただけ。ところが、早逝したこともあり、なかば神格化されてしまった(誰も悪口を言わない)。もっとも、ここから学べることはある。
ユーザーインタフェイスは巨万の富を生む!
では、次のユーザーインタフェイスは?
チャットボット(Chatbot)!
あー、あれね、おしゃべり人工知能。
ノーノー、その発想ではお金持ちにはなれない。「チャットボット=次世代ユーザーインタフェイス」の角度で視ないと・・・
ところが、「チャットボット」戦争はすでにはじまっている。Amazon、Microsoft、Google・・・この海はもうすぐ血で染まる。つまり、レッドオーシャン。
一方、イーロン・マスクは「ユーザーインターフェイス」には目もくれない。「新しい文明」を創造しようとしているのだ。
100年続いたガソリン自動車から、100%電気自動車へ!(テスラ・モーターズ)
環境破壊の石油エネルギーから、太陽光エネルギーへ!(ソーラーシティ)
そして、驚くなかれ・・・火星移住計画!
火星に100万人を送り込み、そこで独立文明を築くというのだ。しかも、そのために、民間ロケット会社「スペースX」まで設立している。競争相手がいないから、もちろん、ブルーオーシャン。
ところでなぜ、「火星」なのか?
太陽系で唯一、人間が住める星だから。
まずは重力。火星の重力は地球の3分の1なので、なんとかなりそうだ(3倍なら歩くのも大変だが)。暑さ寒さは居住ドームでしのげる。
つぎに、人間が生きていく上で欠かせない酸素、水、食糧、エネルギー。
火星の大気の95%は二酸化炭素(炭素+酸素)なので、酸素は十分ある。水も大気中や極地の凍土層に含まれている。
火星で植物栽培も可能だ。
植物栽培には、光合成(二酸化炭素+太陽光)が欠かせない。二酸化炭素は、大気がまんま二酸化炭素なので問題ない。ただし、火星の大気圧は地球の1/100なので、加圧が必要だ。さらに、大気が薄いぶん、気温の変動が激しい。そのため、保温も必要で、人間同様、「室内」が大前提になる。
光合成には太陽光も欠かせない。
火星の太陽光の強さは地球の半分しかない。火星は太陽から約2億3000万kmも離れているからだ(地球と太陽の1.5倍の距離)。とはいえ、栽培不可能というわけではない。半分の太陽光でも育つ植物もあるだろう(食べられないと困るが)。
あと、火星の1日は24時間39分なので、地球原産の植物と相性が良さそうだ。
最後にエネルギー。
太陽光発電が現実的である。小型原子力発電でもいいが、火星まで運ぶのは大変だし、壊れたら一大事。修理できないし、逃げ場もないので。
じつは、SFなみの大技もある。
テラフォーミング。
人間が住めるよう、火星の環境(大気、気候)を丸ごと改造するのだ。理論上は可能だが、現実には・・・
というわけで、火星移住は現在の技術でも可能だ。
ただし、「移住」するには、覚悟と大金がいる。
でも、格安観光ツアーなら・・・
火星には、太陽系最大の「標高25km」のオリュンポス山がある。エベレストの4倍の高さ・・・下から見上げても、頂上から見下しても、息をのむほどの絶景だろう。
さらに、「長さ4000km」のマリネリス大峡谷もある。グランドキャニオンの140倍・・・絶景どころではない。
というわけで、格安ツアー(20万円くらい)ならぜひ!
イーロン・マスク、がんばってね。お金は出せないけど、陰ながら応援してますよ。
参考文献:
週刊朝日百科世界の歴史、朝日新聞社出版
by R.B