■スマホに完全対応した理由 2015.09.04
電車の中の景色は、時代の写し絵かもしれない。
その昔、来日した外国人たちは、電車の中で漫画を読みふけるサラリーマンをみて、目を丸くしたものだった。
日本人は、大人になっても漫画に夢中!?
ジャパニーズ・アニメが、まだ世界で認知されていない時代だ。
その後、車内の「漫画」は「任天堂DS」に変わった。紙メディアから電子メディアへと進化したのである。
ところが、今ではスマホ一色、たまに・・・iPad。
孤立したデバイスが、ネットワークへと進化したわけだ。
じつは、この差は大きい。
コンテンツが、ユーザーのデバイスの中ではなく、インターネットのかなたにあるサーバーの中にあるのだから。
というわけで、漫画、小説、映画、ゲーム、ソーシャル、中身がなんであれ、今は、すべてウェブ。
裏を返せば、ウェブ端末さえあれば、いつでもどこでも、どんなコンテンツでも楽しめる。
それもこれも、スマホのおかげだ。
ポケットに入るサイズで、重さも100gぐらいで、カンタンに持ち歩けるから。
ところが、昔はカンタンではなかった。
ウェブ端末といえば、パソコンしかなかったから。しかも、ほとんどがデスクトップ。あんなデカいものを持ち歩くのはムリ。だから、インターネットは、机の前に鎮座するしかなかったのである。
ところが、アップルのスティーブンジョブズが、世界を変えた。「スマホ」を再発明したのである(モバイルは前から存在したが商業的に成功しなかった)。それが、今の「iPhone」だ。
結果、2015年現在、ウェブ端末といえばスマホ、日本ではiPhoneが一人勝ち、という状況が続いている。
それを示すデータもある。年代別のウェブ端末の1日の使用時間・・・
【10代】→パソコン(20分)+モバイル(80分)=100分
【20代】→パソコン(60分)+モバイル(100分)=160分
【30代】→パソコン(50分)+モバイル(60分)=110分
【40代】→パソコン(80分)+モバイル(40分)=120分
【50代】→パソコン(70分)+モバイル(30分)=100分
【60代】→パソコン(40分)+モバイル(20分)=110分
まずは、パソコンとモバイルの合計時間、つまり、1日にウェブを利用する時間。
ほとんどの世代が「100分」前後なのに、20代だけが「160分」と突出している。原因はモバイルの使用時間が「100分」と長いこと。これは10代でも同じなので、「若者=モバイル」という構図が見て取れる。
つぎに、モバイルの使用時間。
歳を取るほど、モバイルの使用時間が激減していく。最長の20代と比べると、
30代と40代は「1/2」
50代は「1/3」
60代は「1/5」。
この凄まじい落ち込みようは何?
歳とともに、小さい画面が見づらくなり、50代以降は老眼がすすんで、見る気もおこらない・・・そんな哀しい現実がみてとれる。
つぎに、パソコンの使用時間。
10代が「20分」と極端に短い。それはそうだろう。小学生、中学生はまだ仕事をしていないから。
10代に次いで、パソコンの使用時間が短いのが60代。1日「40分」と、40代と50台の半分しかない。この極端な落ち込みは、「定年退職=リタイア」で説明できる。要は、仕事をしなくなったのだ。
つまり・・・
パソコンは仕事の道具なのである(昔は趣味の道具だった)。
たとえば、プログラミング、デザイン制作、WordやExcelでビジネス資料作り、マシンパワー爆食いのミュレーション、業務用アプリはすべて、高解像度、大画面、強力なマシンパワーが必須。
だから、スマホではムリ、パソコンでしか処理できないのである。
一方、カンタンな調べ物、ニュース、読み物、ゲーム、買い物、なら、スマホの方がいい。
大画面もマシンパワーも不要だし、どこでも持ち運べて、起動するのも一瞬だから。
というわけで・・・先のデータはコンピューティングの未来を暗示している。
「ウェブはモバイル一色」
未来をになう10代、20代の若者が、モバイル>>パソコンで、パソコンしか使えない40代以降は、20年で消えていなくなるから(生産・消費市場からという意味)。
最近、これにからむ面白い話を聞いた。IT企業の役員さんたちが、口をそろえて言うには・・・
最近の若いモンは、キーボードの使い方も知らない。だから、新入社員教育で「パソコンの使い方」を教えている。
新入社員がパソコンを使えない?
大学の卒論もスマホですませた??
ありえない・・・
一体、どうなっているのだ?
真偽のほどは定かではないが、主要ツールが、パソコンからモバイルに変わりつつあるのは確かだ。
だから、今後、すべてのコンテンツは、まず、スマホに最適化し、パソコンはあくまで「おまけ」。
じつは、これと同じようなことが、15年前にもあった。
その頃、デスクトップパソコンが減って、ノートパソコンが急増していたのだ。当時、「ガイアチャンネル~3D地球儀で眺める世界史~」という歴史ソフトを作っていたので、難儀なことだ・・・と頭をかかえたものだった。
というのも・・・
このソフトは、ビジュアルはすべてリアルタイム3Dで描画される。だから、3Dチップのスペックが大きくものをいうのだ。ノートパソコンの貧弱な3Dチップでは、CGアニメーションは、コマ落ちでガタガタ。
じゃあ、一部、2Dでやったら?
ムリ!
そもそも、このソフトは、
1.地球(球体)
2.地球上のオブジェクト(町、交易路、英雄、軍団、艦隊、航空機、宇宙船・・・)
3.イベント(戦争、同盟、発明、裏切り、英雄の独り言、災害・・・)
をすべて3D描画する!が、ウリだったのだから。
それを、いまさら、非力なノートパソコンにあわて、スペックダウンする?
ありえない!
そもそも、3Dと2Dのハイブリッドはやりたくない。テクノロジーたるもの、モノリシック(一枚岩)たるべし!
なんて、お尻の青いポリシーで、貧弱な3Dチップはバッサリ、という大胆不敵な作戦に・・・販売本数を直撃したことは言うまでもない。
もちろん、2015年以降のノートパソコンなら快適に動作するが、今となっては手遅れ。コンピュータデバイスの主流は、ノートパソコンどころか、スマホなのだから。しかも、ゲームのほとんどはフリー。販売本数もへったくれもないだろう。
だから、昔も今も貧乏なのだ・・・哀しい。
そんなある日のこと、神様が貧乏を哀れんで、手をさしのべてくれた。某大手IT企業から、ウェブ広告の話が舞い込んだのだ。
すでに、GoogleのAdSenseを導入しているし、手間もかからないし、話に乗ろうと思ったが、一つ問題があった。この会社のウェブ広告は、「スマホ専用」だったのである。
これまで、ウェブサイトといえば、大画面のパソコンで見るリッチサイトが主流だった。
そのため、スマホで見ると、文字が「豆粒」で、読みづらい。40代以降の老眼世代なら、見る気もおこらないだろう。
もちろん、拡大すれば字は読めるが、一行読むたびに、横スクロールする必要がある。メンドーくさぁ~
そこで、大手のウェブサイトは、スマホに完全対応している。
スマホ対応?
スマホでアクセスすると、小さい画面に最適化され、文字が大きくなり、拡大も、横スクロールも不要。
一方、パソコンでアクセスすると、大きな画面に最適化され、大量の情報が一網打尽にできる。
スマホ用とパソコン用の切り替えは、文字のサイズだけでなく、ページのレイアウトも違う。だから、スマホとパソコン、どっちでも快適なわけだ。
というわけで、今後、コンシューマ相手のサイトなら、スマホ対応は必須。
実際、検索エンジンの覇者Googleは、2015年4月から、モバイルに対応していないサイトは、検索順位を下げている。
つまり、スマホに対応していないウェブサイトは、時代遅れの過去の遺物!というわけだ。
せっかく作ったウェブサイトが、シーラカンス呼ばわれされては、たまらない。
というわけで、当「ベネディクト地球歴館」もスマホ対応することにした。
元々、このサイトの一番人気の、週刊スモールトークとスモールトーク雑記は、ヒマつぶしに読む人が多い。1日1万ページビューを超えるが、そのほとんどが、ヒマつぶしなのだ!
そりゃあ、そうだろう。「スモールトーク」の意味は「世間話」なのだから。ヒマつぶし以外にどんな意味があるというのだ。
でも・・・
もし、目的がヒマつぶしなら、どんな時に読むのだろう?
通勤電車、公園、茶店、レストラン、自宅のソファかトイレ?
おいおい、「モバイル」じゃないとダメじゃん!
そこで、GoogleAnalyticsで分析してみると、アクセスデバイスの「52.69%」がモバイル!
しかも、「46.33%」がiPhoneなのだ。
え、アクセスの半分がiPhone!?
つまり、こういうこと。
サイトを訪問してくれるユーザーの半数以上が、拡大して、横スクロールして、イライラしながら閲覧したか、さっさと立ち去るかだった。もったいないというか、申し訳ないというか。
そこで、大金を投じて?「ベネディクト地球歴館」を完全スマホ対応にした。
これで、ヒマつぶしサイトの面目躍如!
ということで・・・
これからもよろしくお願いいたします!
by R.B