■信長の旅・比叡山延暦寺 2012.11.18
信長の館で、「安土城天主」に感激し、安土城考古学博物館で、「まめのぶくん」にはまり、上機嫌でホテルに帰還した。
一風呂浴びて、ホテルの中華レストラン「桂林」で夕食をとる。久しぶりの外食だったので、奮発して、11000円/人の「桃源」コースにしたが、これが大失敗だった。
まず、料理がでる間隔が長すぎる。コースが終わるまで、3時間もかかった。腹は減るし、元々せっかちなので、イライライライラ・・・しかも、不味くはないが、美味くもない。11000円は絶対ありえんぞ!
さらに、おチビのお子様ランチもひどかった。まともなのは、デザートぐらい。もう絶対に来んぞ!と神に固く誓った。(何がどうなるわけでもないが)
翌日、朝9時に起床。朝食後、比叡山延暦寺に向かう。
カーナビによると、ホテル(近江八幡)から比叡山延暦寺まで、1時間20分かかるという。じつは、延暦寺会館で精進料理ランチの予約をしていた。でもまぁ、2時間あるから大丈夫だろう、と高をくくっていた。
それにしても、いい時代になったものだ。20年前、カミさんと延暦寺に行ったときは、地図とにらめっこしながら、あーだこーだ、苦労したものだった。(あの頃は仲が良かったなぁ)
それが、今ではカーナビが、日本語でナビゲートしてくれる。ありがたや、ありがたや。
ところが・・・
比叡山を上り始めて、しばらくすると、カーナビが、「次を左折してください」というので、ハンドルを切ると、道がない!
わわわぁー!
あわててブレーキを踏みつけ、目をこらすと、道はあるが、道幅が1mほどで、車を横倒しにしないと通れない!何かの冗談か?
カーナビをよく見ると、目的地を示す旗マークが消えている。しかも、誘導ルートがループしている。ループ・・・無限にクルクル回れって?オレはネズミか?
延暦寺会館の電話番号が間違っている?ところが、何度入力しても、「延暦寺会館」と表示される。一体どうなってるんだ?
しかたがないので、「比叡山」で再設定すると、違うルートが表示された。今度は間違いないか?
疑心暗鬼にかられながら、車を発進させると、いきなり、狭い道に誘導された。ところが、狭いなんてもんじゃない。車が1台通れるか、通れないほど。
カミさんが、「えー、うそ!わたし、ダメ」と目をつむっている。おいおい、サイド見ててよ!
微速前進するが、両サイドのすき間が10センチもない。こっちは新車なんだぞ!(道にしてみれば、知ったことか)
最悪・・・
それでも、なんとかくぐり抜け、脱出に成功。カミさんが、「わー、パパってすごいね~」と初めて誉めてもらったが、ゼンゼン嬉しくない。ほんとに、車が通る道か?
比叡山に呪われてるんじゃないのか?その昔、信長に焼かれたから・・・僕と信長は何の関係もないのに、おかしいな。
ということで、比叡山延暦寺に着くまで、生きた心地がしなかった。
目的は「精進料理」だったが、おチビがいるので、一応、観光することにした。メンドーなので、いきなり、本命の延暦寺根本中堂へ↓
中にはいると、撮影禁止。まぁ、修行僧もいるようなので、仕方がないと思ったが、なんと、構内でグッズを販売している!
そこで、ふと、イエスキリストのエピソードを思い出した。
イエスは、「右の頬を打たれたら、左の頬も向けなさい」的な寛大な人物だったが、我を忘れて怒りまくったエピソードがある。
あるとき、イエスがエルサレムの神殿に入ると、中で、物品販売と両替をやっていた。このような商行為は、神聖な神殿を汚すものである。そこで、イエスは並べられた商品をひっくりかえし、商人を追い出したという。
根本中堂の商品売り場をイエスがひっくり返すのを想像しながら1人悦に入っていた。
はは~ん、それで、来る途中、ひどい目にあったんだ。でも、因果関係が逆だし、おかしいな。
根本中堂を出ると、また土産物売り場があったので、おチビが友達にお土産をかった。ところが、店の奥にいる坊さんが、じつに無愛想なのだ。
「あのう、すみません、キーフォルダ欲しいんですけど」
ムスっとしたまま動かない。そこで再び、
「あのう、すみません」
「いま、行くから・・・」と不機嫌そうに、売り場窓口に来る。
おいおい、どっちが客やねん。そんなんだから、信長に焼かれたんだろ!と毒舌をつきたくなる。(ちょっとバチ当たりかなー)
はは~ん、根本中堂の空想のバチがあたったのかな?こっちは因果関係は正常だし。人間、ヒマになると、つまらんことを考えるものだ。普段は死ぬほど忙しいので、すでに心が病んでいるのかも。
ところが、だんだん腹が立ってきた。そこで、頭を切り換えて、精進料理に集中することにした。延暦寺会館に入り、予約の旨伝えると、奥の予約席に案内された。
しばらくして、料理が出る。おー、予約した「精進弁当(二段重)」だ。美味そう↓
ところが・・・
ゼンゼン美味くない。
歯ざわりも、味も、人工食品みたいで、「自然」の香りと味がしないのだ。
カミさんも、黙々と食べながら、「20年前食べた『ゴマ豆腐』とゼンゼン違う。なんか、不味くなったねー」と、ポツリ。
同感だ・・・20年前に食べた精進料理は感動ものだったのに。
これで、2600円?ありえん!仏に仕える身でありながら、暴利をむさぼるとは、けしからん!だから、信長に焼かれたのだ!(おっと3度目のバチ当たりだ)
食事が終わり、お土産売り場にいくと、あの「ゴマ豆腐」をパッケージで売っていた。あー、やっぱり・・・これを使ってるんですね。精進料理のレプリカを食べた気分だった。
何のために、延暦寺まで来たのだ?と血圧を上げながら、観光マップを凝視していると、比叡山の頂上に、「ガーデンミュージアム比叡」があるという。たしか、20年前来たときは、遊園地とスキー場のはずだったが。
ついでなので、行ってみることにした。
「ガーデンミュージアム比叡」は、庭園の中に、印象派の絵画が展示されていて、絵画ギャラリーもあるという。
ところが、入場料1000円を払って、中に入ると、「絵を入れ替え中で、ギャラリーは閉鎖中」とある。
おいおい、入った後で、それはないやろ。そのぶん、値引きしろよ!と、食ってかかるところだったが、おチビとカミさんが恥ずかしい思いをするといけないので、我慢することにした。
中には、花の庭園があって、印象派の画家ゴッホ、ルノアール、ドガなどの絵画が飾られている。吹きさらしなので、たぶん防水キャンパスだろう↓
この庭園は、南フランス・プロヴァンス地方の明るい陽光とやわらかな土色をイメージしたらしいが、行ったことがないので、よくわからない。
敷地は広くはないが、手入れが行き届いて小綺麗。絵画は庭園とマッチしているし、それなりに雰囲気がある。
庭園の中央に、モネの絵画「睡蓮(すいれん)」を模した池を発見↓
あえて言うのもなんだが、モネの「睡蓮」に似ている。
その近くに、お土産売り場があったので、入ってみた。こじゃれた雰囲気で、悪くはない。
展望台もあったが、こっちは薄汚れた感じで、入る気がしない。
まぁでも、二度と来ないのだから、と思い返し、上ってみることにした。
予想通り、中は寂れていた。そこで、展望台を一周して、京都を遠望して、あー、綺麗だねー、ですぐに降りた。
ということで、観光終了。
さて、次は、本日のハイライト「安土城跡」だ。何の未練もなく、織田信長の「比叡山燃ゆ」で知られた比叡山延暦寺を後にした。
by R.B