■人生 2009.08.26
人生を数式で表してみた・・・365日×70年
けっこう、さびしい。1日1日を大切に生きよう、と悔い改めたいところだが、人生、そんなカンタンではない。
毎日、あれやこれやで自転車操業、しかも、リアルタイム。こぐのをやめた瞬間、僕の世界は消える。日々をかみしめているヒマなどない。
貧乏ヒマなしの僕にとって、仕事と家族に連結された僕にとって、列車の旅は、唯一解放される瞬間、人生をかみしめる時空だ。辛かったこと、楽しかったこと、どうでもよかったこと、来ないかもしれないけど、未来のこと。人生をそしゃくするとても重要なひとときだ。
手元にいつも、モレスキンの手帳をおいて、思考のすべてを記録している。今日の旅は、いつもの東京出張。車窓は、鉛色の海から、深緑の山景をへて、息詰まる人口密集地へ。
いよいよ、東京だ。列車から降りた瞬間から、戦いが始まる。僕にとって、東京は戦場だ。恐ろしいことに、少年時代に身につけた、「自然の気配」から位置を特定する技は、東京では通用しない。東西南北360度、空間を切り裂くビルの群れ。自分がどこにいるのかわからない。
自分の居場所を記号でしか認識できない世界は、ほんとうに恐ろしい。町を歩けば、灼熱地獄。太陽光は、散光のはずなのに、粒子ビームのように肌を突き刺す。
くわえて、36度5分の無数の生物発熱機が道を行き交う。僕もその一人だけど。ビルの室外機がはき出す熱風は、36.5度より高い、低い?どうでもいいことだが、気になる。
もし、「熱風の温度<36.5度」なら、人間の存在は、ビルの室外機より「悪」だ。東京は、立っているだけで、命が大地に吸い取られていく。こんな場所には長くはいられない。仕事をさっさと終えて、宿に逃げ込むとしよう。
by R.B