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週刊スモールトーク (第481話) 投資ほぼ必勝法(2)~AI株・ドル資産・金~

カテゴリ : 経済

2021.08.20

投資ほぼ必勝法(2)~AI株・ドル資産・金~

■超成長分野を見つける方法

株式投資で大勝ちを狙うなら「投資効率=売値÷買値」を最大にするしかない。

とはいえ、株の最高値は永遠にわからないから、現実にはムリ。極大で手を打つしかないだろう。ここで極大とは、最大かそれに近い値である。

たとえば、買値が100万円で、売値が200万円なら「投資効率=200万円÷100万円=2倍」。銀行預金よりはマシだが、人生が変わるほどではない。一方、買値が100万円で、売値が1000万円なら投資効率は10倍。これを「テンバガー(10倍株)」というが、これでも人生は変わらない。

では何倍なら人生が変わる?

元本にもよるが、100倍以上。

過去に実例がある。

この20年で、アップルの株価は260倍になっている。エヌビディアは266倍、グーグルは500倍、Amazonは600倍だ。もし、20年前にアップルの株を100万円買っていたら、今頃2億6000万円。Amazonなら6億円だ。というわけで、人生が変わるのは「ん百倍」。

ではどうやったら、投資効率は100倍を超えるのか?

投資効率には2つのパラメータがある。第一に成長率、1年で株価が何%上がるか。第二に期間、成長が何年続くか。

投資効率はこの2つの掛け算で決まる。つまり、成長率が高く、成長が長いほど投資効率が上がるわけだ。その代表が、先の260~600倍株だろう。では、この「ん百倍株」は何を生業(なりわい)にしていたのか?

アップル:PCとスマホ、現在はAIに注力。

グーグル:ネット検索とオンライン広告、現在はAIに注力。

エヌビディア:半導体と統合開発環境、現在はAIに注力。

Amazon:電子商取引とクラウド、現在はAIに注力。

お気づきだろうか、業種は異なるが、最大公約数はコンピュータ。時計を20年前にもどせば、狙うべき分野は「コンピュータ」だったのだ。

では次の20年は?

まずは、普遍的ルールをあぶり出そう

伸び代が極大、つまり、ゼロからスタートし、巨大産業に発展すること。ただし、100年後に大発展しても嬉しくないので、UFOの重力場推進エンジンを開発する会社はあきらめよう(あればの話だが)。とはいえ、期間が10年ならせいぜい10倍。100倍を狙うなら、20年は必要だろう(過去データからの推論)。

では、具体的な分野は?

メディアは、自動車産業は100年に一度のイノベーションと持ち上げている。電気自動車(EV)と自動運転車のことだ。だが、EVはリチウム電池が環境破壊につながるから、100%確実というわけではない。水素を使う燃料電池車(FCV)も可能性は1%程度あるだろう。一方、自動運転車は100%間違いない。

では、自動車メーカーの株は買いか?

ノー!

従来の自動車が、自動運転車に置き換わるだけ。自動車メーカーの販売台数や売上が伸びるわけではない。つまり、自動運転車「本体」はゼロスタートではないのだ。

一方、自動運転車の「部品」にはゼロスタートがある。走行中にモノやヒトを認識するセンサー、自律走行のためのAIチップやAIソフトだ。これらの部品は、まだ搭載されていないから、正真正銘のゼロスタートだ。

そして、自動運転車が実用化されれば、すべての自動車に標準搭載される。2020年の自動車の年間販売台数は1億台だから、想像を絶する市場規模だ。こんな巨大産業が新たに出現するわけだ。

しかも、AIには、まだ急成長分野がある。

1970年代、マイクロプロセッサが登場し、家電や産業機器の制御部品として組み込まれた。それと同様、将来、あらゆる製品にAIチップが組み込まれるだろう。しかも、その数はマイクロプロセッサを凌駕する。AIの用途は巨大で、マイクロプロセッサの比ではないから。

AIは、政治、経済、外交、軍事、文化、芸術、あらゆる分野で人間に取って代わるだろう。つまり、AIの未来は史上空前の巨大産業、更地(さらち)からメガシティなのだ。

AIの応援団はまだいる。先のアップル、グーグル、エヌビディア、Amazonだ。前述のコメントをもう一度確認してみよう。

「・・・現在はAIに注力」

つぎの20年はAI、と言っているのだ。

というわけで、株式投資で大勝ちを狙うなら、AI分野にしぼり、数社に投資する。これが35年の投資経験で得た最終結論だ。

そこまで言い切るなら、自分でやれば?

はい、数年前に投資済みです。

■ルール4:円資産よりドル資産

投資には、もう一つ重要な側面がある。

ソブリンリスクだ。

有望なAI株も、お国が政情不安なら、リスクが大きい。このような国のリスクをソブリンリスクという。

じゃあ、やっぱり日本株?

ノー!

日本のソブリンリスクはかなり高い。まず、国家安全保障。日本は4つの敵性国家(ロシア、中国、北朝鮮、韓国)に隣接している。ところが、幻想の平和憲法のせいで、有事に対応できない。強力な自衛隊も宝の持ち腐れ。日本の地政学的リスクは世界でトップレベルなのだ。

さらに、日本の平和憲法は平時の非常事態にも無力だ。新型コロナで非常事態宣言が発令されたのに、強制力がないから街も店も大賑わい。深刻な医療崩壊を引き起こした。個人に優しい平和憲法が国民を死に追いやるのだから、皮肉な話だ。

そもそも、法律は「性悪説」にもとづく。みんな善人なら、法もルールもいらないから。ところが、政治家も主要メディアもソコはいわない。早い話、悪者になりたくないのだ。つまり、非難をあびる覚悟もない。

そんなリーダーってありますか?

これまで3つのベンチャー企業に在籍したが、絶対にありえない。毎日が伸るか反るかのベンチャーに、そんな甘えは許されないから。オピニオンリーダーが、TV、新聞から、YouTubeやSNSに流れるのは当然だろう。本音のない主張に真実はないのだ。

日本は経済も怪しい。先進国の中で、日本は唯一GDPが伸びていない。所得も20年間減り続けている。日本経済は、気づかないうちに斜陽化しているのだ。

国の経済力は、3つの要因で決まる。人口と資金とイノベーションだ。この3つの視点で、米国と日本を比較してみょう。人口は、米国は増加しているが、日本は減少している。米国は世界中から資金が集まるが、日本は限定的。イノベーションは米国の独壇場だ。日本に分があるのは、電子機械の部品ぐらいだろう。つまり、現在も未来も経済力は「米国>日本」。さらに、軍事力は「米国>>日本」。あわせて「米国>>>日本」。

何をいまさら、一体何が言いたい?

今後、円安ドル高に進むだろう。為替レートは、最終的に国力に合わされるから。結果、円資産は目減りしていく。たとえば、1ドル100円から1ドル200円になれば、円資産の価値はドルベースで半分になる。

でも、日本にいれば、ドルは使わないから、関係ないでしょ。

ノー、輸入品はドル決済なので、輸入物価が高騰する。日本で消費される商品はほとんど輸入品だから、物価全体が上がると考えた方がいいだろう。もちろん、日本のメガバンクの預金利息0.002%では物価上昇分はカバーできない。早い話、銀行にお金をたくさん預けるほど、長く預けるほど、持ち金が目減りするのだ。

ただ、米国が絶対というわけではない。成長力では「インド>中国>米国」だろう。インドの魅力は、なんといっても、人口ボーナスだ。人口が多くても、中国のように高齢化がすすめば、労働人口が減り、生産も消費も伸び悩む。ところが、インドは2040年まで労働人口の比率が増え続ける。これを人口ボーナスという。

とはいえ、インドにどんな会社があって、どこが有望かわからない。そこで、おすすめが投資信託だ。金額だけ決めれば、何を買って何を売るかはプロがやってくれる。1年前、インドの投資信託「高成長インド・中型株式ファンド」を買ったが、現在の評価額は1.45倍。つまり年利率45%だ。メガバンクの利率と比較してみよう。

45%÷0.002%=2万2500倍

あらら・・・でも、いつまで続くかわからないぞ。

それはそうだが、経済のファンダメンタルズ、人口ボーナスを考慮すれば、今後の伸び率は「インド>日本」。であれば「インドの高成長ファンド>日本の銀行預金」と考えるのが自然だろう。そもそも、「2万2500倍」が意味するところは、インドの投資信託は、日本の銀行預金の2万2500年分。これを挽回するのは不可能だろう。

日本で暮らす以上、日本円は欠かせない。だが、円資産一辺倒はあまりに危険だ。

■ルール5:保険に金(ゴールド)

じつは、インドにもソブリンリスクがある。インドはパキスタンと中国と接し、地政学的リスクがあるのだ。さらに、核戦争のリスクもある。

とはいえ、どの国も、程度の差こそあれソブリンリスクはつきもの。一方、ソブリンリスクがない資産が存在する。それが金(ゴールド)だ。

金の価値は、元素記号「Au」の含有量だけで決まる。どこの国で産出されたか、どの国で精錬されたかは関係ない。もし、米中核戦争がおこれば、ドルと元は暴落するだろう。印パ核戦争ならインド・ルピーとパキスタン・ルピーが暴落する。だが、金は関係ない。金は完全無欠の無国籍資産なのだ。

とはいえ、金のまとめ買いは、おすすめできない。価格の変動が大きいし、家に保管するのは物騒だから。そこで「純金積立」がおすすめだ。毎月購入する額をきめて、金を積み立てる。価格が安い日は多く、高い日は少なく購入するので、価格の変動リスクを抑えることができる。さらに、購入した金は業者が保管してくれるので、盗難の心配もない。

純金積立を扱う業者はたくさんあるが、モノがモノなので信用第一だろう。35年前、貴金属最大手の田中貴金属で純金積立をはじめたが、とくに問題はない。あの頃、金は1グラム1400円だったが、今は7000円。金はインフレヘッジになるが儲からないが定説だが、そうではなさそうだ。

そもそも、金には潜在的な力がある。装飾品と工業製品の需要があること。陽子崩壊がおきない限り(宇宙の終わり)、劣化しないこと。そして、ここが肝心、生産量が限られること。一方、マネー(通貨)は輪転機を回せばいくらでも刷れる。事実、リーマン・ショック、新型コロナパンデミックでは、各国政府はお札を刷りまくった。このままでは、世界はマネーであふれかえるだろう。いや、すでにそうなっている。

この世界には重要が法則がある。数量が少ないものほど価値が高く、多いものほど価値が低い。

つまりこういうこと。

金はドルに対し上がり続けるだろう。さらに、円安ドル高に向かうので、金は円に対しても上がり続ける。つまり、金(ゴールド)は究極のリスクヘッジなのだ。

最後に、「投資ほぼ必勝法」をおさらいしよう。

ルール1:投資は余剰資金で(借金はNG)。

ルール2:100倍株に集中投資する(人工知能・AI)。

ルール3:買ったら売らない(20年は我慢)。

ルール4:円資産よりドル資産。

ルール5:リスクヘッジに金(ゴールド)。

だが、この結論には肝心なことが抜けている。具体的にどの株買ったらいいのか?

というわけで、最後に人工知能・AIの具体的な銘柄でしめくくろう。

《つづく》

by R.B

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