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週刊スモールトーク (第384話) 高血圧を治す方法(1)~生活習慣改善の限界~

カテゴリ : 社会

2017.12.24

高血圧を治す方法(1)~生活習慣改善の限界~

■「やっぱり」

人生長いと、いろんなことが見えてくる。

世間の常識、評論家の予測、政府のいってること・・・みんな怪しい。事実、間をおかず「やっぱり」の今日この頃だ。

ガソリン価格が高騰している。2年前、リッターあたり100円台だったのに、今は140円台。

おかしい・・・原油価格が低迷し、円高傾向なのだから、ガソリン価格は下がるはず。それが、高騰ってどういうこと?

「不自然なこと」には必ず理由がある

流通のどこかで誰かが、コソコソ儲けているのだろう。政府・日銀も「インフレ=物価上昇」に血まなこだから、誰も文句は言わない。

そういえば、最近、電気代、食品など生活必需品が値上がりしている。12月に入るとミカンまで値上がり。なんだかんだ理屈をこねているが、「便乗値上げ」に変わりはない。だから、わが家は、今年、ミカンなし。

正月といえば、ミカンでしょ?

それなら、消費者に配慮して、正月は値下げでしょ。

生産・物流・販売のみなさん、コソクなことをやっていると痛い目にあいますよ。

昭和55年におこった「カズノコ倒産事件」を思い出そう。

この時代、カズノコは「黄色いダイヤ」といわれた。高価で、正月のおせち料理に欠かせないから。そこで、カズノコで大儲けをもくらんだ会社があった。水産物専門商社の「北商」である。

作戦はシンプルだ。カズノコを買い占めて、値段を釣り上げて、年末に独占販売する。「濡れ手に粟」で丸儲け!

ところが・・・

消費者は買い控え、北商は多額の負債を抱え倒産した。あげく、北商の経営陣は背任罪をとわれ、親会社の三菱商事も非難を浴びた。

商売は儲けてあたりまえ。ただし、消費者への配慮が欠ければ、商売は成立しない。じつは、われわれ庶民にも強欲業者に抵抗する手段はある。(命に関わるモノ以外)買わなければいいのだ。

わが家はこれが徹底している。ミカンだけではない。値上げする商品は徹底して買わない。小銭を惜しんでいるのはない(本当は惜しいけど)。コソクで浅ましい根性が気に入らないのだ。人の弱みに付け込んで、(贅沢品ならいざ知らず)生活必需品を吊り上げようというのだから。

■インフレで格差は拡大する

いつの間にか「インフレ=好景気=国民の幸福」が常識になっている。でも、物価が上がっても、給料が上がらなれば、生活は苦しくなるだけではないか。

そして、現実もそうなる。

給料が上がるのは大手企業と公務員だけ。しかも、微増、バブルの時代からみれば、誤差の範囲だ。今、大手企業は人件費をおさえて、利益をひねり出している。一部売上も伸びている企業もあるが、昇給・設備投資で大盤振る舞いするつもりはない。バブル崩壊、リーマンショックで学習し、とことん、守りに入っているのだ。まして、中小企業に昇給する余裕はない。

政府・日銀は、恐ろしい規模で、市中にカネをばらまいている。お金を借りやすくして、設備投資と昇給を狙っているのだ。しかし、中小企業の経営者は甘くない。IT系業界団体の会合に出席すると、経営者たちは口をそろえて・・・

「政府は何もわかっちゃいない。カネが借りやすいからと、売れる見込みもないのに、借金するバカはいない。昇給はやったら最後、カンタンに下げられない。またリーマンきたらどーすんの」

これが、中小企業の経営者の本音、経営の現実なのだ。彼らのほとんどはオーナー経営者で、CEOと株主を兼ねている。会社の全責任(経営責任+投資責任)を背負い込んでいるから、逃げ場がない。だから、大企業の経営陣のようなサラリーマン根性はみじんもない。毎日、泥水をすすっているわけだ。

設備投資も昇給もシビアなのはあたりえまえ。結果、「需要=供給」が絶妙にコントロールされ、物価の上昇は抑制される。だから、庶民は安心・・・というわけではない。別の悪夢が待っているから。

おカネはジャブジャブだが、実体経済の使い道は限られている。では、余ったおカネはどこへ行くのか?

言わずと知れたマネーゲーム、「投資」である。結果、金融資産(株・投資信託)、金(Gold)、(一部の)不動産が値上がりする。これが「資産インフレ」だ。

だから?

「資産」の価値がガンガン上がるので、持てる者はさらに金持ちに。持たざる者は資産がないから関係ナシ。一向に上がらない賃金に頼るしかないわけだ。つまり、貧富の格差は極大化する。カンタンな理屈だ。トマ・ピケティのバカ高い著書「21世紀の資本論」を買って読むまでもない。

つまり、今の世の中、経済一つとっても「やっぱり」の世界なのだ。

■「ありえない」

ところが、最近、「ありえない」が2つあった。

一つは「量子コンピュータ」。

何度読んでも、理解できない。詳細はムリなのは当然として、動作原理もイメージできない。一体、どうなっている?

コンピュータのハード(回路設計)を12年、ソフト(プログラミング)を10年やったあげくが、これ?

量子コンピュータが難しいのか、脳が劣化したのか、たぶん両方だろう。でも、大学時代、「量子力学」の単位を落としているから、わからなくてあたりまえ?

量子力学は、科学ではなく魔法に見える。いや、間違いなく「魔法」だ。

自然科学は、分野ごとに「バイブル」が存在する。剛体や天体の運動なら「ニュートンの方程式」。電気と磁気の世界なら「マクスウェルの方程式」。どちらも難解だが、人間の「常識」の延長にある。

ところが、量子力学は「常識」を超えている。

電子は「粒子」であり「波」でもある・・・矛盾してますよね。

電子は複数の場所に同時に存在する・・・ありえないですよね。

私は有機物であり、無機物でもある、私は東京と金沢と南極に同時に存在している、といっているようなもの。

量子力学の「魔法」はそれだけではない。

連続的ではなく離散的なのに、妙にアナログっぽい。さらに、「原因→結果」の決定論が通用せず、未来は数学的確率でしか表せない。これが量子力学の世界なのだ。

頭がおかしくなるので、これでおしまい。

話を「ありえない」にもどそう。

もう一つの「ありえない」は「血圧」。

ズバリ、呪文で血圧を下げる方法を発見したのだ。量子コンピュータなみに怪しいが、本当にあった話です。

■生活習慣改善の限界

前回の定期健康診断で、メタボと判定された。

3つの要因(腹囲、血糖値、血圧)がすべてNGだったのだ。

まず、腹囲が「3mm」オーバー。つぎに、空腹時の血糖値が「20」オーバー。この2つは、毎朝「モナカ4個」食べていたのが原因なので、モナカをやめればいい。

問題は血圧だ。

測定結果は「95(最低血圧)ー149(最高血圧)」で、正常値「85ー135」を超えている。つまり、高血圧。高血圧は、脳梗塞や心臓発作の原因になる。

最近、知人が脳梗塞で倒れた。

たまたま現場を目撃したのだが・・・スローモーション映像のように床に倒れ、身動きできない。身体の左半分が麻痺していたという。回復したから良かったものの、恐ろしい光景だった。

何か手を打たなくては・・・

そんなとき、タイミングよく、全国健康保険協会から声がかかった。無料で相談に乗ってくれるというのだ。40歳ぐらいの目の大きな女医が来社し、双方合意のもと、改善策を定めた。

1.1日3食(ファスティングは止める)

2.毎朝「モナカ4個」を止める

3.朝食はライ麦パン1切れ、昼食はライ麦パン2切れ、夜は玄米

などなど。

毎月、女医から状況確認の電話が入るので、気が抜けない。言いつけを守って2ヶ月後・・・

・血圧:「95ー149」→「90ー140」

・体重:64kg→61.5kg

と改善した(血糖値は家で測定できない)。電話で結果を聞いた女医は、「その調子でがんばってください!」と励ましてくれた。

ところが・・・

あれから1年経ったのに、血圧は「90ー140」のまま。ビクともしない。

電話で報告を聞いた女医はこう言った。

「おかしいですね。体重がこれだけ落ちれば、(血圧は)もっと下がるはずなのに・・・」

そこで、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、

「もう少し、体重落としましょうか?」

と提案すると、女医は少しためらって、

「これ以上、体重落としても効果はないと思います。原因は他にあるのかも・・・」

そ、そんな、打つ手なし!?!

そのとき、10年前のある事件を思いだした。

《つづく》

by R.B

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