■結婚式 2010.03.07
久しぶりの結婚式だった。新郎は「GE・TEN」時代のメンバーで、今、東京に住んでいる。式場に着くと、懐かしい顔がちらほら。みんな歳取ったなぁ。人のことは言えないけど。
まずは結婚式。係員に案内され、ぞろぞろ行くと、その先に、キリスト教の教会。
同席した知人に、「あいつ、いつ改宗したんだ?」「ジョーダン、あいつ無神論者ですよ。だから、どっちでもいいんです」「そんな問題か?ところで、いつから選べるようになったんだ?」「昔からですよ」・・・僕が結婚したとき、そんな選択肢はなかったぞ。
不審に思ったので、さらに、「じゃ、葬式も選べるのか?オレ、浄土真宗のはずだけど、教会で葬式やって、その後は土葬・・・」「そういうのは、あんまり聞かないですね」徹底しろよ。
最近の結婚式は、宗派に関係なく、神道、キリスト教、どっちでも選べるらしい。そういえば、昔からそうだったような・・・
どうせなら、ゾロアスター教も選択肢に入れたら?地球最古の一神教だし、儀式も神秘的だし、結婚式場のウリになるかもしれない。だけど、確か、ゾロアスター教は、「鳥葬」だったような。死体を屋外にさらして、鳥についばませる・・・日本じゃ、ちょっとムリかな。
日本人は、お盆に、墓と仏壇にお参りし(仏教)、クリスマスには、イエスの誕生を祝い(キリスト教)、元旦には、神社に初もうでに行く(神道)。だから、日本人の宗教観は知ってるつもりだったが、これほどとは・・・せめて、冠婚葬祭ぐらい、宗派に従ったら?
長イスに座っていると、外人の神父さんが、何やら話し始めた。やがて、新郎が一人でスタスタ登場。あれ、花嫁はどうした?もう逃げられたか?キョロキョロしていると、後ろの扉がゆっくり開いた。
花嫁が父と手を組み、バージンロードを歩く。荘厳なオルガンの演奏と、天上にこだまする美しいアベマリア。えもいわれぬ感動がこみあげる。・・・僕の人生は、褒められたものではありませんでした。信号無視以外に、法を犯したことはありませんが、良いことをした記憶もありません。神様、僕は罪深き人生を送ってきました。悔い改めます・・・真っ白な壁、高い天井、マリアが描かれたステンドグラス、端正な顔の神父、神の音楽・・・
なるほど、こういう環境、こういう雰囲気が、キリスト教徒を懺悔(ざんげ)に導くのだ。精緻に計算されたキリスト教システム。僕は、キリスト教の奥深さを、思い知らされた。
よし、これからの人生は、神父になって、人のために尽くそう。(食いっぱぐれる心配もなさそうだし)式が終わったら、家に帰って、神父になる方法をググるぞ。
結婚式が終わり、披露宴が始まったが、こちらも、ビックリ。両家の家族、親族が、デジカメでバシャバシャ。なんと、新郎新婦までがデジカメで、ウェディングケーキを撮っている。あー、こんな時代なんだ。
昔みたいに、退屈なスピーチも、かたっくるしい詩吟や謡いも、とってつけたような幸福ソングも、一切ない。
そのかわり、みんなデジカメ片手に、ワイワイガヤガヤ、スピーチも行き当たりばったり。でも、それが楽しいのだ。ということで、僕にとって、けっこう楽しい結婚式だった。
結婚式が終わり、帰宅。さっそく、ググる。「神父になるには」
その結果・・・
1.カトリックでは神父、プロテスタントでは牧師とよぶ。
・牧師より神父のほうが響きがいいから、カトリックにしよう。
2.神父は妻帯できない。
・離婚したらOKかな?
3.修道会で集団生活を送らねばならない。
・パソコンやDVDは持ち込めるのかな?
4.大学で神学を専攻しなければならない。
・もう、遅いよ。
ということで、神に仕えるのはあきらめた。こんなバチ当たりには、サラリーマンしかないな。
by R.B