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スモールトーク雑記

■アメリカの大学に留学する方法 2012.04.21

人間五十年下天のうちをくらぶれば夢幻のごとくなり一度生を受け滅せぬもののあるべきかというわけで、自分ことはドーデモいいけど、子供の未来が心配だ。

というのも、最近の報道をみると・・・群馬県の赤城大沼で、3月28日に採取したワカサギから、放射性物質の基準値(100ベクレル/kg)を上回る426ベクレル/kgの放射性セシウムが検出された・・・放射能汚染マップ見てないのかな?

宮城県は4月12日、同県蔵王町の業者が製造したヤーコン茶から、1万7200ベクレル/kgの放射性セシウム(基準値の100倍)を検出した、と発表した。約1100セットが市場に流通しており、業者が自主回収している。まだ、こんなことをやっているんだ・・・あげく、生産者が、国の食品安全基準が厳しぎて、商売あがったりだと訴え、マスコミは、それを同情的に伝えている。人の命より生産者の都合のほうが大事?どうかしてるぞ、日本。

それに、原発の老朽化がすすみ、地震や津波がなくても、ふつうに事故を起こしている。隠蔽分を含めれば、相当な数にのぼるだろう。今後、もし、福島第1原発事故クラスが勃発すれば、日本は住む所がなくなる。もちろん、相手は放射能、逃げも隠れもできない。政府が、いつものように、

「ただちに健康に影響が出るものではない」

と吹いたところで、カエルのツラにションベン(ちょっと違うか)、誰も相手にしない。そうなれば、小松左京の「日本沈没」じゃないが、日本は1億総難民。中国と韓国は、「それみたことか」と拍手喝采だろうし、受け入れてくれる国はないかも・・・

だけど、座して死を待つのも芸がない。せめて、移住の準備ぐらいはしておこう。ということで、まずは語学(英語)だ。聞いた話では、楽天とユニクロは、社内の公用語が「英語」なったらしい。それに、大学が秋入学とかで、英語の授業も増えるという。そんなこんなで、子供の未来を考えると、やっぱり、英語?!

うちのおチビは、週に一度、英会話スクールに通っているが、小学生相手の「楽しむ英語」なので、全然上達しない。さて、どうしたものか?そこでふと、従兄の長女のことを思い出した。たしか、カリフォルニア州立大卒。母親も、イギリスとアメリカの大学を出ているので、絵に描いたような英語家族だ。

というわけで、彼女に相談することにした。従兄に連絡すると、彼女はすでに就職し、大阪にいるという。近々、仕事で金沢に来るというので、家に寄ってもらうことにした。まずは、準備。お土産に、加賀百万石の銘菓「柴舟小出」を買いこみ、おチビには、お姉さんの言うことは、フリでもいいから、全部メモするんだぞ、と言い聞かせておいた。話し手は、相手がメモをとると、気持ちの良いものだ。

日曜日の夕方、彼女は約束どおり来てくれた。予想どおり、明るくて、快活、しかも、頭の回転が速い。じつは、それまで、海外留学といえば、日本の大学に入学して、その後、海外の大学に行くものだと思っていた。実際、彼女の友人の弟は、同志社大学を休学して、シンガポールの大学に行っているという。なんでシンガポール?父親が会社経営者だという。

やっぱり・・・ビジネス現場にいると、シンガポールのアドバンテージをひしひしと感じる。シンガポールは金融大国で、一人当たりのGDPはアジア一位(日本の上)。しかも、治安が良く、物価も安いので、暮らしやすい。しかも、英語と中国語が学べる。10年後を見すえれば、シンガポールで決まり。

話をもどすと、日本で留学といえば、日本の大学→海外の大学、が一般的。ところが・・・彼女の場合、日本の高校を卒業後、アメリカの短大に入学し、その後、カリフォルニア州立大に編入している。

つまり、カリフォルニア州立大のユニット(単位)を取得しているわけで、正真正銘のカリフォルニア州立大卒。日本の大学に在籍し、1年ほどアメリカに留学するのとは根本が違う。一般に、ユニット(単位)を取って、アメリカの大学を卒業する方法は2つあるという。

1.日本の高校→アメリカの短大→アメリカの大学に編入

2.日本の高校→アメリカの大学に入学※ただし、短大と大学は同じ州にあること。

1.のメリットとして、①学費が安い。②短大は授業が少人数(max100人)。1.のデメリットとして、短大の成績が悪いと、大学に入れない。また、2.のメリット・デメリットは1.と逆。アメリカの短大(カリフォルニア州)に入る条件は、1.高校の成績が一定以上2.TOEFL「400/700点」以上また、いきなり大学に入るには、TOEFL「500/700点」以上が目安らしい(カリフォルニア州立大)。

ただ、このスコアは、大学の受験勉強をしていれば、それほど難しいものではないという。とはいえ、彼女の高校は、県内で2番目の進学校。しかも、母親はアメリカとイギリスの大学を出ている。英語教育では最高の環境だったはず。彼女の言葉は真に受けないほうがよさそうだ。彼女は、準備万端、渡航したが、すぐに問題が発生したという。入学した短大はスパニッシュやアジア人が多く、純粋な「英語環境」ではなかったのだ。そこで、白人が多い短大に転校したという。ガッツあるわ。

つぎに、住居。寮のある短大は少ないので、基本はホームステイ。ただし、それをビジネスにしているところもあるので、待遇はピンキリ。部屋にキッチンまであるアパートのようなホームステイもあるという。ホームステイの費用は、食事付きで、1ヶ月$500(4万円)。短大の学費は、半年で$6000(48万円)、と、日本より安い。

一方、大学の学費はもう少し高い。たとえば、カリフォルニア州立大学は、およそ、年間$13000。ただし、本人か親がグリーンカード(アメリカ永住権)を持っていれば、1/5ぐらいになる。州立大は公的補助があるので、納税者(アメリカ人)が優遇されるわけだ。

つぎに、短大から大学への編入について。短大→大学の編入は、短大の成績だけで決まる。(TOEFLのスコアは関係ない)そこで、彼女は2年間、必死で勉強したという。ただ、数学は、日本のほうが進んでいるので(高校程度)、楽だったらしい。そもそも、数学は英語が分からなくても解ける。

ということで、アメリカの短大は、数学で点数を稼ごう!彼女は、大学を卒業後、帰国し、日本の企業に就職した。教育コンサルの大手である。僕が、

「良い会社に入れて良かったね。アメリカの大学を出たかいがあったわけだ」

すると、彼女は、

「仕事で英語を使ったのはボストンに出張したとき、それ1回きりです」

しかも、大学卒業後、6年間、英語を使ってないので、ヒアリングの力が1/10に落ちたという。そこで僕はフォローした。

「アメリカに行ったら、1ヶ月でもどるんじゃない?」

「いえ、1年はかかると思います」

マジか!何のために、アメリカの大学に行ったの?と、口がすべりそうになったが、なんとか思いとどまった。しかも・・・翻訳の仕事なら、海外の大学に行く必要はないという。「英語で仕事する」と「翻訳」とは、別モノらしい。彼女は、4年間のアメリカ留学で、「英語で考える」ようになったという。(頭の中で翻訳していない!)でないと、ネイティブのスピードについていけないらしい。

ところが・・・翻訳業は違う。「翻訳(コンバート)」がキモ。「英語で思考」しても何にもならない。もちろん、日本語力も必要だ。ところが、アメリカで4年間過ごすと、国語力は確実に落ちるという。あらら・・・テキトーに、日常会話をマスターするなら、日本で十分?海外の大学を出たら、現地で就職し、現地で結婚し、現地に骨をうずめるしかない?

ん~、おチビを海外留学させるのは、やめとこうかな。本人の能力と、僕の資金力の問題もあるし。だけど、日本壊滅なら、英語が役に立つのは確か。とりあえず、英語は続けさせよう。(もちろん、僕も)ところが、何をどうやっても、面白いほど頭に入らん・・・

by R.B

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