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スモールトーク雑記

■バイオショック(ゲーム) 2011.08.28

息子が徹夜でゲームをしていたので、「人生を棒に振るぞ」と説教をたれた後、面白そうなので、プレイしてみた。結果、最高!とはいかないが、それなりに面白い。

「バイオショック(BioShock)」は、Xbox360のゲームだが、息子が持っていたのはPC版。なぜ、PC版かというと、息子はこのジャンルのコアーゲーマーなのだ。

バイオショックは、FPSとよばれる一人称視点のシューティングゲーム。プレイヤー視点で、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ、敵を倒してまわるのだが、それだけでは退屈なので、ストーリーもある。つまり、「FPS+RPG」。

これまで、僕と息子は、米国idSoftware社の「DOOM」、「QUAKE」シリーズ、米国EA社の「メダル・オブ・オナー(Medal of Honor)」シリーズなどFPSの名作をプレイしてきた。その経験から言うと、ゲーム専用機よりPCのほうが操作しやすい。マウスとキーボードを併用できるからだ。

具体的には、

W:前方移動

S:後方移動’

A:左移動

D:右移動マウスで視点をグリグリ変えて、左クリックでShoot!

これが一番。息子が、Xbox版ではなく、PC版を買った理由はここにある。

ただ、PC版はPCのハードに大きく依存する。スペックがチープだと、解像度や画質を落とす必要があり、けっこうメンドー。ところが、息子のPCは、ドスパラ(DOS/Vパラダイス)最強のゲームマシン。彼はこの天下無双のマシンで、毎夜、ムダに世界を救っているわけだ。

さて、そのバイオショックだが、いわゆる「洋ゲー(洋モノゲーム)」で、何もかもがアメリカ的。

ストーリーは・・・

飛行機が海に墜落し、あたりを見渡すと、なぜかそこに建物がある。建物まで泳ぎ、中に入るとゲーム開始。

地上からエレベータで、海底に降りていく。どうやら、海底都市らしい。その後、この海底都市ラプチャーを歩き回り、敵を殲滅する作業に入る。

ところで、この手のゲームは世界観が重要だ。さっそく、アマゾン(Amazon)でチェックすると、バイオショックの世界観は、1.レトロフューチャー2.スチームパンクらしい。まぁ、あたらずとも遠からず。

ここで、「レトロフューチャー」とは、レトロ(懐古的)なフューチャー(未来)。具体的には、一応ハイテクなのだが、どこか懐かしい、古き良き時代的な世界。最近では、映画「スカイキャプテン/ワールド・オブ・トゥモロー」が、ビンゴだろう。

「スチームパンク」は、ちょっとややこしい。ハイテクなのだが、現実とは違った進化をとげた世界。具体的には、「電子計算機」ではなく「歯車計算機」、「原子力機関」ではなく「蒸気機関」、人体改造は、「DNA操作」ではなく「メカの埋め込み」。それに、超能力や霊魂も・・・というわけで、ちょっとコワイ世界。

「スチームパンク」は、デイヴィッド・リンチの映画「デューン/砂の惑星」と庄野晴彦のPCゲーム「ガジェット・完全版」が際立っている。大友克洋のアニメ「スチームボーイ」も、スチームパンク狙いだが、こっちはスカ。絵はうまいし、描き込まれてるのに、何かがズレている。(声優は最低)

バイオショックに話をもどそう。アマゾンの評価にケチをつけるわけではないが、「レトロフューチャー」というよりは、レトロな過去?「スチームパンク」というよりは、技術が古いだけ?つまり、1960年代のアメリカが、そのまま海底都市に封印された感じ。とはいえ、「退廃」と「オカルト」のスパイスが効いているので、独特の世界観はある。

一方、登場キャラはなかなかいい。頭のネジがはずれた雑魚キャラ、海底都市ラプチャーを徘徊し、死体からADAMを抜き取る不気味な少女「リトル・シスター」、それをガードする潜水服キャラ「ビックダディ」。どれもこれもユニークだ。

ストーリーは良いが濃くはない。しょせん、シューティングなので、あまりストーリーが濃いと、わずらわしく感じるからだろう。このへんのバランスは難しいが、バイオショックは一応、○。

あと、「ハッキング」というミニゲームがある。金庫を開けるときや、商品をディスカウントするときに必要だ。パターン認識とスピードだけの一発勝負のパズルゲームだが、なかなか面白い。後半、難しくなるが、ボケ防止にもなると思い、すべてクリアした。(カネを払えばスキップ可能)

次に武器。レンチ、ピストル、ショットガン、マシンガン、ケミカルガン、弓矢、バズーカ砲など、わりと平凡。あと、プラスミド(特殊能力)もある。電撃、火炎、念力のたぐい。こちらも平凡。ただ、武器と併用すれば、戦闘のコストパーフォーマンスは上がる。たとえば、電撃で敵の動きを止めた後に、武器で仕留める、など。

ゲームの難易度はかなり低め。この手の洋ゲーにしては珍しい。とはいえ、若い頃のようにはいかないだろうから、「簡単」モードでプレイした。すると、サクサク進む。アイテムや弾薬はあまるほどだし、敵も適当なところで死んでくれる。ヒントもあるので、次にどこへ行くか困ることはない。これは楽チンだ。

ただ、世界観はいいのだが、同じようなシーンが多く、すぐにダレる。もう少し構造物にメリハリがあったほうがいいと思う。たとえば、全面ガラス張りで、海底が丸見えの部屋とか。もっと、”異形”が欲しい。

バイオショックの開発元は、米国「2Kボストン/2Kオーストラリア」だが、この世界によくある話で、すでに買収されたらしい。

そういえば、「DOOM」や「QUAKE」を世に送り出した名門「idSoftware」も、すでに買収されている。あれだけ、ヒットを飛ばしたのに。ゲーム業界も最終的には、大手数社に統合されるのだろう。(映画業界のように)

バイオショックは、ゲームの難易度を下げ、世界観とストーリーで勝負している。まぁ、今どきのゲームだろう。とはいえ、この手のゲームは日本人では作れない。粋で、深みのあるセリフが必要だからだ。だから、どう頑張っても、似て非なるモノしか作れないだろう。スクエニのFFのように。

さて、エンディングだが、リトルシスターを救う、または手にかける、でシーンが違うらしい。僕は「救う」を選択したが、そのエンディングは・・・ちょっとジーンときた。1分ほどのムービーなのだが、ツボを得て感動的。これがセンスなんだろうな。

ゲームをプレイしたのは、ほぼ1年ぶりだった。バイオショックは、それなりに楽しめたが、”没入”とまではいかなかった。

ゴッド・オブ・ウォー」のような、ド迫力の映像と高いゲーム性、「ガジェット」のような、魂を揺さぶるような世界観、バイオショックには、そんな力はない。まぁでも、秀作であることは確かだ。ということで、洋ゲー、いまだ健在!

by R.B

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