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スモールトーク雑記

■マカオ出張・ZAIA 2011.07.06

午後7時、ホテル西ロビーに行くと、ランディが待っていた。(ランディは僕らのガイドさん)

ランディは、「ZAIA(ザイア)」のチケットを渡すと、得意げにこう言った。「良い席がとれましたよ。最近、人気があるんで、予約しないと、良い席取れないです、ハイ」

さらに、「ZAIAは世界のトップを集めているんで、楽しめると思いますよ、ハイ」そう言って、僕らを劇場まで案内してくれた。

ランディが特別なのか、会社の方針なのかわからないが、サービスが徹底している。日本人でもこうはいかないだろう。(昔、フィレンツェのパブで日本人ガイドに置いてけぼりにされ、ヒドイ目にあった)

今回取った「ZAIA」のチケットはA席で、788香港ドル(7800円)。その上に、1280香港ドルのVIP席もあるが、すべて良い席とは限らないので注意が必要だ。ただし、VIP席とA席以外は全部隅っこなので×。

「ZAIA」は、ありていに言えば「芸術的サーカス」だが、ヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテルでしか観ることができない。いわば、地球のオンリーワンショー。

上演場所は、ホテル1Fのロビーに近い常設劇場。劇場のフロントからSF風の細長い通路を通り、劇場内に入る。ちょっと大きめの映画館という感じ。ところが、天井だけ異様に高い。係員がミニライトでチケットを照らしながら、席に案内してくれる。けっこう手際がいい。

自分の席を見つけ、席に着く。確かに良い席だ。ちょうど中央に位置し、すぐ後ろがVIP席。A席の料金で、VIP席!ランディに謝謝(シェシェ)。

ステージの真ん前にもVIP席があるが、これは最悪。近すぎて首が折れそう。ちなみにこのVIP席は、インド人が多かった。やっと、インド人を見つけたぞ!(カジノではゼンゼン見かけない)

午後8時、開演。ステージの反対側から、2人のピエロが空中を自転車をこぎながら登場。退屈な芸で最前列の客をいじる。その後、本編スタート。ビジュアルもサウンドも素晴らしい↓Macao_Venetian_Zaia

ちなみに、ショーの撮影は基本ダメなのだが、観客(ほとんど中国人)は、カメラをバシャバシャ、フラッシュたきまくり。なんというおーらかさ!

ところが、30分ぐらい経つと、係員が撮影を取り締まりだした。本人の目の前までにじり寄って、ミニライトで顔を照らし、厳しくとがめている。コワ・・・

それでも、中国人たちはやめない。無敵の中国人観客と無敵の中国人係員、どっちが勝つのだ?

それにしても、この元気パワー、ちょっとうらやましい。不景気やら節電やら放射能で、意気消沈の日本人、ちょっと見習ってはどうでしょう?

ステージのバック全体が、スクリーンになっていて、大宇宙の星々、宇宙飛行士、シロクマ(意味が分からん)、が映し出される。それなりに迫力がある。

ステージの上では、格調高いオペラと、優美な肉体パーフォーマンスが繰り広げられる。軽業、力業が中心だが、衣装はヴィヴィッドで、動きはバレエのように優美。それに、照明もいい。

「技術」より「芸術」を狙っているのは明かで、ここがサーカスと大きく違う。(サーカス定番の動物芸もナシ)

一番のウリは、劇場の全空間を使った空中パーフォーマンス。といっても、天井からの「ぶら下がり芸」ではない。スーパーマンのように空中をビュンビュン滑空する。これは圧巻・・・Macao_Venetian_Zaia_Fly

天井を見あげると、巨大な機械仕掛けが見える。これであの「空中飛行」をささえているわけだ。常設の専用劇場ならではの大ワザ。

「ZAIA」は、シルク・ドゥ・ソレイユ(CIRQUEDUSOLEIL)の常設公演の1つ(後で調べた)。シルク・ドゥ・ソレイユとは、1984年にカナダで発足したエンターテインメントグループで、世界中で公演を行っている。

シルク・ドゥ・ソレイユの公演は、常設公演(レジデントショー)と移動公演(ツアーショー)があり、常設公演を観ることができるのは、1.ラスベガスのホテル(複数あり)2.米国ディズニー・ワールド・リゾート3.東京ディズニーリゾート(ZED)4.マカオのヴェネチアン・マカオ・リゾート・ホテル(今回観たZAIA)のみ。

さらに詳しく調べると、常設公演には共通のフォーマットがあるようだ。1.サーカス+バレエ2.人間離れした肉体パーフォーマンス3.空中パーフォーマンス4.高い芸術性

これをみて、「コメディア・デラルテ」を思い出した。コメディアデラルテは、音楽と軽業をまじえた即興劇で、16世紀から18世紀に、ヨーロッパで一世風靡した。やっぱり、この手の文化はヨーロッパかな。

さて、その「ZAIA」だが、演技者の技量は確かに高い。ただし、演出はそれなり。(ストーリーが読めないせいかも)

とはいえ、ZAIAは、理屈抜きなら、十分楽しめる。衣装、照明、音楽、パーフォーマンスが巧みにコーディネートされ、すべてが「感動」にフォーカスされている。「究極のエンターテインメント」と言ってもいいだろう。ということで、「エンターテインメント」について考えさせられた。

エンターテインメントは行く着くところ、面白い!楽しい!ハラハラドキドキ!ではなく、単純に「感動」なのかもしれない。昔やったシミュレーションゲーム(GE・TEN)を思い出し、あれは何だったんだろう?と考え込んでしまった。ちょっとショック。

ランディによれば、「ZAIA」を見るために、わざわざマカオに来る人もいるという。(ただし、中国人はほとんどがカジノ目的)

公演が終わった後、劇場の横にあるショップで、「ZAIA」のOriginalMusicCDを買った。あの感動を忘れないために。

その後、カジノフロアに行き、中国レストランで夕食。中華料理なので、それなりに美味い。ドリンクは大好きなチンタオビール、といきたいが、郷にいれば郷に従えで、マカオビール。ちょっと薄味だが、バドワイザー(米国)ほどではない。

中華料理といえば、紹興酒(しょうこうしゅ)なので、1本注文することにした。ところが、メニューをみても、それらしきものがない。係員に話しても通じない。そこで、「紹興酒」と書いたメモを渡したが、首をひねっている。おいおい、中国人やろ?日本の中華料理店でもおいてあるぞ。しかたがないので、マカオビールをもう1本。

食事の後、部屋に帰るつもりが、間違ってメインロビーに出てしまった。とにかく、広い・・・酔っぱらうと、部屋に帰るのも一苦労だ。

いつの間にか、カジノフロアに迷い込み、ネズミみたいにグルグル回って、やっと、部屋へ通じる出口を発見。なんとか部屋にたどりついた。

明日はマカオの市内観光なので、準備をしようと思ったが、そこで、電池が切れてしまった・・・

by R.B

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