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スモールトーク雑記

■東日本大震災・2011年3月23日 2011.03.23

【3月22日(火)】東日本大震災の犠牲者数は、すでに、1万8000人を超え、最終的には数万人に達するかもしれない。町や村が津波に丸のみにされ、人が存在した証(あかし)まで消失しているからだ。

現在、被災地では、遺体を火葬にすることができない。遺体の数が多すぎて、遺体を燃やす油が足りないのだ。このままでは、遺体が腐敗し、衛生上の問題が出る。そこで、一部自治体は「一時的土葬」に踏み切った。

一方、福島原発は、まだ緊張が続いている。報道によれば、1.放水で一定の冷却効果が確認された。2.原発への電力供給に一部成功した。など、明るいニュースもある。

しかし、「格納容器破損→放射性物質の大量放出→チェルノブイリ」の可能性はまだ消えていない。これを防ぐためには、1.原発への電力供給。2.中央制御室の機能回復。3.冷却ポンプの修復。が必須だ。

だが現時点では、1.が一部実現したにすぎない。一方、燃料棒の発熱は、3ヶ月~数年続く。だから、残された時間はあまりない。

政府、マスコミは、「心配ない、冷静に」となだめすかし、週刊誌やネットは、「格納容器が破損すれば、半径500km以内が被爆圏内、(東京から)避難できる人は避難したほうがいい」とあおっている。

政府と週刊誌、どっちが正しいか分からないが、現場の作業員は、もっとひどいシナリオを想定しているかもしれない。たとえば、東日本に住めなくなる、沖縄以外住めなくなる・・・

おおげさかもしれないが、今となっては、何が起こっても不思議ではない。

【3月23日(水)】福島原発の状況は以下のとおり。1~6号機は外部電源との接続が完了(電力供給スタンバイ)。

今後は、1.原発の中央制御室の電力の回復。2.中央制御室の機能の回復。3.冷却ポンプの修復。をめざす。もちろん、最終目標は安定冷却にある。

冷却すべき燃料棒は2種類ある。1つは、原子炉内の燃料棒。もう1つは、燃料プールにある使用済み燃料棒。どちらも、3ヶ月~数年間、崩壊熱が放出されるので、その間、冷し続けなければならない。そのため、冷却ポンプが修復するまで、海水注入が必要になる。

ところで、福島原発の緊張が続く中、怖れていたリスクが現実となった。土壌の放射能汚染が確認されたのである。

文部科学省の発表によると、福島第一原発から約40km離れた土壌から、基準値の4倍のセシウム137が検出されたという。

セシウム137は放射性物質で、強いガンマ線を放射する。ガンマ線は貫通力が強く、防護服を簡単に通り抜けてしまう。つまり、ガンマー線の前では、防護服は無力。

さらに、基準の30倍の放射性ヨウ素も検出された。もし、基準値を超えたヨウ素を長期間摂取すると、甲状腺ガンを発症する。

今回の土壌汚染地域は、土壌の入れ替えが必要になるかもしれないという。そんな所で安心して住めるだろうか?たとえ、土壌を入れ替えたとしても。

ところが、政府は、半径20km~30kmを屋内待避としている。半径40km地点で、土地が放射能で汚染され、土壌の入れ替えが必要だというのに。一体、何を考えているのだ?きっと、後で問題になる。

14時28分、さらに悪いニュースが飛び込んできた。東京都の発表によると、水道局の金町浄水場(葛飾区)から、乳児の暫定基準値の2倍を超える放射性物質が検出されたという。都は、乳児に水道水の飲用を控えるよう要請した。対象となる地域は、東京23区、武蔵野市、町田市、多摩市、稲城市、三鷹市。

そういえば、ここ2、3日、東京の放射線量が増加している。3月20日8時まで、0.05マイクロシーベル毎時で推移していたのに、3月21日18時以降、0.15マイクロシーベル毎時(3倍)に急上昇、その後も、高値のままだ。ここ2日続いた降雨も一因だろう。

政府によれば、この程度の放射線量なら、「直ちに健康には影響しない」という。なるほど、東京は安全なわけだ。では、乳児が水を飲めない事実を、どう考えたらいい?

チェルノブイリには絶対にならないと断言した枝野官房長官、チェルノブイリになっても首都圏は大丈夫と断言する学者たち、そこで、両者に聞きたい。

格納容器がまだ機能しているのに、原発から40km離れた地点で、入れ替えが必要なほどの土壌汚染。原発から220kmも離れた東京で、乳児が飲めないほどの水質汚染。これでもし、「格納容器破損→大量の放射性物質が放出→チェルノブイリ」が起こったら・・・それでも首都圏は大丈夫と言える?

そもそも、「”直ちに”健康には影響しない」とは、「”そのうち”影響が出る」ということでは?

扇動しているのではない。本当のことを知りたいのだ。おそらく、政府はそれを知っている。

今後は、閣僚やマスコミに東京避難の気配があれば、首都圏4240万人の民族大移動が始まるかもしれない。もしそうなれば、交通機関はパンクする。そこで重宝するのが自転車だ。自転車なら、東京から名古屋まで366km、1~2日で走破できる。

何度も言うが、あおっているのではない。備えあれば憂いなし・・・もし何事もなければ、それはそれで良いではないか。

by R.B

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