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スモールトーク雑記

■東日本大震災・2011年3月21日 2011.03.21

【3月20日(日)】福島原発の状況は一進一退。

正午、TVで、原子力安全・保安院の会見があった。

原子炉の格納容器の内部圧力が上がったので、圧力を下げる対策を講じるという。方法は2つあるらしく、それをクドクド説明している。要領を得ないし、話し方も下手。聞いていてイライラする。国家的大事なんだから、もっとマシな職員を出したら!

ということで、このまわりくどい会見を整理すると、

1.燃料棒と放射線を封印している「格納容器」の内部圧力が上昇した。

2.格納容器に注入した海水で水蒸気が発生、圧力が上昇したと思われる。

3.そこで、水蒸気を外に放出し、圧力を下げることにした(ガス抜き)。

4.但し、問題が一つ、水蒸気とともに放射性物質も外に出る。

5.方法は2つあり、それぞれ外に出る放射性物質の量が違う。

6.どっちでやるかは、今後の状況を見て決める。

ポイントはこれだけ。2、3分ですむ話だ。それを、30分もかけて、クドクド・・・結論から話せ!ポイントしぼって話せ!手短に話せ!

一体、どんな教育を受けているのだ?

緊張して聞いているので、話を聞いているだけでイライラする。

ちなみに、この原子力安全・保安院だが、事故発生後、速攻で避難したらしい。どうやら、トレードマークの「安全・保安」は、自分たちだけに適用されるようだ。

今の福島原発は戦場だ。東京電力の作業員、自衛隊、消防隊が、決死の作業をつづけている。ところが、原発を管理する原子力安全・保安院、陣頭指揮するべき東京電力の役員は既に避難ずみ。これ、「敵前逃亡」じゃないのか?戦時なら、死刑だぞ。おおげさ?

では、「現場の作業員は命がけ」という現実は、どうとらえればいい?

【3月21日(月)】福島原発の決死の作業はつづく。

以下、3月21日の原発の状況。

原子力発電所
概況
原子炉
格納容器
福島第1原発 1号機 電源復旧作業中。 メルトダウン 維持
2号機 外部電源から送電線を引き込み、電力回復に成功。今後は、原発施設の制御機能を回復させ、本格的な冷却をめざす。 メルトダウン? 破損
3号機 自衛隊が放水を継続。 メルトダウン? 破損?
4号機 原子炉に燃料はないが、使用済み燃料プールの水温が上昇。自衛隊が放水を行う。 メルトダウン? 維持
5号機 非常用発電機が復旧。安定して冷却を行っている。 安定停止 維持
6号機 同上 同上 同上

今後は、放水で冷却しながら、原発施設への電力供給、制御機能の復旧を行い、安定した冷却をめざす。

一方、市民生活は安定に向かっている。避難所にも物資が届き始め、東京のスーパーでも食料が増えているという。

じつは、当地、金沢でも、首都圏ほどではないが、防災グッズや日用品が不足気味。特に、トイレットペーパー、ティッシュ、ペットボトル(水)、カップ麺、乾電池。一部のスーパーでは、カップ麺は1人当たりの販売数を制限している。

ところが、ペットボトルやカップ麺を箱ごとを積み上げ、「買い置きにいかがですか?」というスーパーもある。会社の近くなので、毎日チェックしているが、ほとんど売れていない。「金沢人=おっとり」というウワサは本当らしい。

ところで、今回、直接被災地でもない東京で、防災グッズや食料が不足したのはなぜだろう?

スーパーやコンビニの在庫は、基本1日だが、メーカーは1ヶ月分の在庫をもっている。だから、物資は十分にあるのだ。だから、買い置きが一巡し、流通さえ確保できれば、モノ不足は解消される。

ただし、合板など建材は品切れが続く。多数の家が津波に流され、需要が激増したからだ。この点が、日用品とは異なる。今後、建築関係は、「需要はあるが部材がそろわない」で、経営が難しくなる。

一般論だが、災害が発生した後、被災地に物資が安定供給されるまで、3日ほどかかる。だが、今回は2週間はかかるだろう。被災地が広域であること、避難民の数が多いこと(35万人)がその理由だ。

また、今回の災害には特殊な事情もある。放射能汚染だ。3月15日、原発から20~30km圏内に「屋内待避」が指示されたが、現地からは、「避難指示」にすべきだった、と非難が噴出している。

「屋内待避」地域の住民が、「待避」を辞めて、「避難」を始めたからである。結果、商店も閉まり、生活物資が入手できなくなった。しかも、放射線をおそれ、外部から物資が入ってこない。つまり、
「屋内待避」は現実には成立しなかったのである。

おそらく、政府は、20~30km圏内に「避難指示」を出せば大混乱になる、とみたのだろう。失策には違いないが、難しい判断だ。ただ、今後はもっと先読みして、対応すべきだろう。

今後、日本は5つの問題を同時に解決しなければならない。

1.放射能汚染拡大の阻止。

2.放射能汚染地域からの避難民の救済。

3.津波被害地域からの避難民の救済。

4.全国の原発の防災強化。

そして、最後に、東京一極集中をやめること。

今後起こりうる最悪のシナリオは、「放射性物資が大量放出→作業員が避難→なすがまま→チェルノブイリ」もし、そうなれば、首都圏も被爆圏内に入り、4240万人の避難が始まる。これは民族大移動であり、日本の政治、経済、生活、すべてがフリーズする。それを避けるためにも、政府は率先して実行すべきである。

by R.B

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