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スモールトーク雑記

■就活 (必勝法) 2011.01.23

2011年1月18日夜、金沢市、帰宅途中の大学生が、「男に脇腹を刺された」と110番した。ところが、翌19日、自作自演であることが分かった。理由は、「単位が足りず、卒業できない。就職も決まっていない・・・」

政府の発表によれば、2010年末時点で、大卒の就職内定率が68.8%。調査以来、最悪の数字らしい。

テレビでは特集が組まれ、40社受けたけど、内定ゼロ、100社エントリーしたのに、会ってもらえたのは2社だけ、しかも、落ちた・・・など、悲惨な話ばかり。あげく、政府までが、異常事態宣言なのだという。しかし、何かがおかしい。

学生にとって、就活は社会に出る最初の「問題解決」の場である。だから、問題解決に集中すればいい。それだけのことなのだ。考えるべきはただ一つ、自分だけの居場所(会社)を見つけること。

いや、現実は厳しい?世の中、不景気だし、小さい会社なら倒産するかも・・・やっぱり、大企業しかないなぁ。パパもママもそう言っているし、ボク・ワタシもそう思う。だいいち、安定を求めてどこが悪いの?

なるほど。

だが、「大企業=安定」はウソ、だったらどうする?

すでに、日本は終身雇用の社会ではない。たとえば、人気の銀行、定年まで働けるのは役員などごく一部で、あとは、途中で出向。しかも、自分の銀行が併合されれば、大量のリストラが待っている。

また、学生に大人気の大手メーカーでも、日常的に早期退職を募集しているところがある。40社受けて全滅の人は、万一、大手にもぐりこんでも、いつかリストラされる可能性が高い。つまり、「大手=安定」とはならないのである。

逆に、中小企業は人材不足なので、リストラされる可能性が低い。それに、大手より、出世が早いので、給与が逆転することもある。

つまり、大手は倒産する確率は低いが、競争が厳しいので、リストラされる確率が高い。一方、中小は倒産する確率は高いが、人材不足なので、リストラされる確率は低い。「安定」という点では、五十歩百歩なのだ。

では、安定を得るには、何を基準に考えれたらいいのだろう?結論からいけば、会社のスペックではなく、「その会社で自分が価値を生めるかどうか?」

なぜなら、「価値」を生んでいる限り、大手でもリストラされないし、中小なら倒産しても、拾ってくれる会社があるからだ。つまり、「価値を生む力」だけが、安定を約束してくれる。

ここで重要なことは、「どんな会社でも価値を生む力」は必要ないこと。自分が価値を生める会社は1つでいい。どうせ、就職できるのは1社だけなので。

それに、大手は、安定を求める学生など求めていない。肉食系を求めている。しかも、ハイスペック。だからこそ、日本人を見捨てて、新卒に韓国人を採用する会社まで出てきたのだ。

また、ソニーでは、2013年の新卒採用の30%が外国人だという(日本採用で)。2年前にくらべ、外国人比率は約2倍。おゆとり様世代の日本人学生にとって、競争はさらに厳しいものになるだろう。

だから・・・

40社、80社受けて、全滅なら、方向が間違っている。高速道路を逆走しているようなものだ。では、具体的に何をすればいい?

まずは、「自分が何を望んでいるのか?」ハッキリさせる。親の望み、先生の望み、社会のトレンドは忘れよう。つぎに、自分の強みをハッキリさせる。その上で、会社のスペックにこだわらず、自分の「望み」と「強み」にマッチした会社を捜すのである。それがそのまま、「自分が価値を生める会社」になる。

たとえ、自分の望みがわからなくても、落ち込む必要はない。ナポレオンは、「最大の悪徳は、他人の稼業をすることである」と言った。だから、絶対にやりたいくない仕事は除外し、残ったものの中から選べばいい。

もし、自分の強みがわからなくても、嘆く必要はない。たとえ、有名大学を出ていなくても、大した資格がなくても。自分の好きなこと、得意なことを、極めればいい。それで成功するとは限らないが、少なくとも道は開ける。

甥に面白い子がいる。小さい頃から、オモチャが大好きで、それが20歳になっても続いた。親にはバカにされるし、学校の成績は悪いし、常識はないし、見るからにオタク。しかも、学歴もイマイチ。ところが、東証一部上場の超優良企業に就職した。一体、どんな手を使ったのか?

彼は、ダメもとで、面接官に、オモチャの持論をぶちまけたのである。その会社は、空調機メーカーで、オモチャとは関係がない。

ところが・・・

面接官たちは、彼の話を、じつに楽しそうに聞いていたそうである。たかがオモチャ、されどオモチャ、彼のウンチクには、20年の年季が入っている。オモチャの知識、哲学、販促方法、価格決定にいたるまで、彼は、自分の想いを熱く語ったのである。

しかも、彼はオモチャを買う資金を得るため、ネットオークションで売買を繰り返している。つまり、彼は、「オモチャを通して社会を学んだ学生」と見られたのである。

つまらない面接テクニックだけを身に付け、中味のない学生を極端に嫌う面接官を、僕は知っている。彼は大手アパレルメーカーの採用責任者だが、話をしていると、寒気がするほど鋭い。面接テクニックで取りつくろっても、彼の前では無力だろう。

「得意」を極めて成功した例を、もう一つ紹介しよう。

彼は無名の工業大卒で、資格も自動車の免許だけ、コミュニケーション能力もいまいち、肝心の理工系科目は大の苦手?!結果、内定を一つももらえなかった。

仕方がないので、1年間、外国を放浪した。旅の途中、あるきっかけで、動物が好きになった。それに、英語も日常会話ならなんとか。旅で得たものはこんなものだった。

ところが、帰国後、彼は県立の動物園に中途採用されたのである(憧れの公務員!)。40人受験し、採用されたのは彼一人。なぜか?

最近、動物園は、インターネットで世界中から飼育情報を得ている。さらに、世界中の動物園とメールで情報交換している。つまり、英語は必須。ところが、動物園に英語ができる人は少ないだろうし(失礼)、帰国子女が動物園を希望するとは思えない(失礼)。つまり、彼にとって、動物園が、「自分が価値を生める会社」だったのである。

彼には悪いが、この程度の強みなら、誰でもつくれる。それに、就職氷河期と言いながら、求職の数より、求人の方が多いのも事実。要は、無責任な世間のウワサなど気にせず、「自分が価値を生める会社=自分だけの居場所」を見つける!それだけのことなのだ。

by R.B

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