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スモールトーク雑記

■たそがれ鳩山政権 2010.05.30

とにもかくにも、鳩山政権がこれほど追い込まれたのは、普天間基地の移設問題のせいだろう。どこへ移すかで上を下への大騒ぎ・・・

議論はけっこうだが、大事なことを忘れてない?

冷静に考えてみよう。

軍事基地の場所というのは、軍事的利便性で決めるべきでは?目的を考えれば、当然だろう。それを住民感情で右往左往。いつまでたっても決まらないのはあたりまえ。どこに決まろうが、住民は必ず反対するだろうから。

国の指導者は、こういう時のためにいる。住民に憎まれようが、罵倒されようが、国家の大計のために決断する。そんな勇気もないなら、今までの報酬を返すべきだ。もう使ってしまった?なら、お母様におねだりすれば?

子供手当ても、ヘンな政策だ。子供がいるから欲しいけど、よく考えると、いらない。その分、どこかで増税されるから。最終的に増税しかないのに、取る場所を変えて、非難をかわそう、歓心を得よう、そんなことばかり考えている。徴税が複雑になるだけで、国の経費がかさむだけなのに。バカな話だ。

ところが、そんな悠長なことも言っていられなくなった。朝鮮半島だ。第二次朝鮮戦争が勃発するかもしれない。軍事力で、韓国が北朝鮮を圧倒するから、「全面戦争=北朝鮮政権の崩壊」だから、全面戦争にはならない?なるほど、ごもっとも。だけど、歴史をみれば、どっちもやりたくないのに、偶然が重なり、全面戦争にまで発展した例は、枚挙にいとまがない。

今回の危機の発端は、韓国哨戒艦の沈没だが、当初、不審に思ったことがあった。第1に、沈没原因の特定に韓国政府が手間取ったこと。軍艦を真っ二つにできるのは、潜水艦の魚雷しかないのに。

魚雷は、艦船の近くで水中爆発し、それで生じた巨大な水圧差で、船の竜骨をへし折る。こんな荒技ができるのは、高性能な魚雷だけだ。

もう1つ不審な点がある。なぜ、韓国哨戒艦があっさり撃沈されたかだ。軍艦はソナーを装備しており、潜水艦や魚雷を探知できる。現時点では、韓国哨戒艦が回避行動を取った形跡はない。もし、撃沈された原因が監視の怠慢なら、韓国政府も公表しづらいだろう。

しかし、この事件の一番の問題は、鳩山政権の対応にある。これまでにない迅速さで、「韓国政府への全面支持」をうたい、日本独自の北朝鮮制裁を発表し、北朝鮮を挑発している。

北朝鮮は何をするかわからない国だ。東京にテポドンを撃ち込まれたら?日本漁船が魚雷攻撃されたら?特殊部隊が日本の原子力発電所を占領したら?なんの備えもないのに、防衛のスキームも決まってないのに、カッコだけつけてどうする?

外交は、正論など通用しない、国の利害が衝突するアリーナだ。だから、複雑なからみを読み解き、脅しと妥協を、繰り返すしかない。こんなママゴト外交を続けるなら、国が危うい。

だけど、鳩山政権、事業仕分けだけはナイスだ!前回は、スパコンの事業仕分け、今回の目玉は、宝くじの「普及宣伝事業」。今回問題となったのは、普及のためと称し、民間ではありえない贅沢なオフィス、2000万円もの役員報酬!さて、問題は・・・彼らの仕事が、こんな目もくらむ待遇に見合ったものかどうか。

そもそも、宝くじは胴元が必ず儲かる仕組みで、普及宣伝事業など必要ない。それがなくて、国民は何が困るというのだ?宝くじを買う国民はいい面の皮だ。夢を買った代金が、彼らの贅沢なオフィスや生活費に消えている?国民の夢を食い物に、私腹を肥やす。昔なら、公金横領、市中引き回しの上、縛り首だ。なんという罪悪、なんという悪徳、人としての恥を知るべきだ。

ところが、事業仕分けでNGが出ても、最終決定ではないそうだ。そこを突いて、事業仕分けを否定するエライ人たちもいる。だけど、事業仕分けは、国民に悪事を知らしめるだけで十分です。

だが、今、鳩山政権がやるべきことは、長期的な政策かもしれない。あんな決断力では、短期的な成果は望めないし、恥を上塗りするだけ。なら、ダメもとで、超難問に挑戦したら?たとえば、日本の若者が将来に夢と希望をもてる国づくり。

最近、休日にウォーキングに励むのは退職者ばかり。若者は、家でインターネットかゲームか、はたまた休日出勤。老人は、ますます長生きし、若者は、健康とパワーを抜き取られている。国の価値を生むのは若者なのに。善し悪しは別として、こんな国はやがて没落する。

子供や若者が将来に夢や希望を持てない。日本は、そんなニュースでいっぱいだ。親はリストラされ、子供は、義務教育すら脅かされている。若者は働けど給与は上がらず、少ない収入から、社会保険料をむしりとられている。しかも、その見返りはない。彼らの年金を払ってくれるのは、もっと貧乏になる今の子供たちだから。これじゃ、元気が出なくて当然だ。

人間は勘違いしている。自分たちが、地球上で特別の存在なのだと。もちろん、違う。3日も食事を抜けば、自分の非力さに気づくはずだ。パンツははいているが、他の動物と大して変わらないのだと。

人間が働くのは、エサを口に入れるためである。野生の動物を見るといい。自分でエサを取れなくなったら、死ぬしかない。こんな自然の法則まで、人間は忘れている。60歳まで働けば、後は遊んで暮らせると、本気で思っている。

高齢化社会が始まり、年金資金はパンクしているのに、ホテル並みの手厚い老後を夢見ている。それが幻想であることは、ギリシャ発のソブリン・リスク(国家の信用リスク)が証明した。

ギリシャの財政破綻の主因は、「過剰な社会保障制度」にある。社会保障制度といえば聞こえはいいが、「生産なき消費」。当然、国の資金繰りを悪化させ、最後には国を破産させる。

ところが、今回の災難はギリシャ一国ではすまない。ユーロの暴落を引き起こし、ギリシャにカネを貸したヨーロッパの銀行まで、危機に追い込んでいる。それもこれも、老後は遊んで暮らせるという、国の空手形のせいなのだ。

では、たそがれ鳩山政権の起死回生の策とは?誰も解決できなかった超難問・・・社会保障制度の見直し。目的は、子供や若者が夢を感じる国づくりだ。

自分の口に入れるエサは自分でとる。それを大前提に、子供の時から人生設計させよう。社会の価値を生むことが人としての義務であり、何より素晴らしいことだと教える。

電気自動車(EV)iPadのような世界を変える価値でなくてもいい。身の丈の価値を生むだけで、それは素晴らしい人生なのだ、と信じられる社会。そんな社会こそが、子供や若者にとって夢のある社会だと、僕は信じている。

by R.B

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