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スモールトーク雑記

■浅草 2009.08.27

最近、東京の宿は浅草、と決めている。宿泊費は安いし、なにより、一息つける。前は、よく新宿で泊まったが、あの缶詰のようなギッシリ感は、今は神経にさわる。

浅草は、僕にとって特別の町だ。よどんだガスを抜いて、ピュアなエネルギーを充てんし、身も心もメンテする。

少年時代、まだ、モノがなかった頃、田舎に暮らす僕にとって、祭りは、年に一度の大イベントだった。学校が終わると、こづかいを握りしめて、神社へ。

神社の前には、10件ほどの屋台が並ぶ。たこ焼き、ワタ菓子、おもちゃ、金魚すくい、コルク銃で景品を当てるゲーム・・・カラフルなガジェットが所せましと並び、にぎやかで、はなやかで、見ているだけで、ワクワクした。寂れた村で、この一角だけが、別世界だった。

屋台街を一歩出れば、そこは、いつもの見慣れた風景。色も動きもない、写真のような世界だ。2つの世界の間には、目に見えない壁があった。

ところで、あの屋台で、何を買ったのだろう?じつは、ほとんど覚えていない。迷ったあげく、つまらないものを買って、一週間もすれば、消えてなくなる。それでも、祭の日を待ち焦がれた。毎日がお祭りだったらいいのに・・・子供心にそう思った。

ある日、浅草の仲見世をみて、息をのんだ。この空間だけが毎日お祭り!

雷門から眺める仲見世通りは、無限につづくトンネル、無数の屋台とガジェット、僕にとっては子供の王国だ。

東京で仕事を終えると、必ず夜の仲見世に行く。店はみんな閉まっているけど、照明が映し出す空間は、幽玄世界・・・あまりの美しさに我を忘れる。

朝、仕事に行く前に、もう一度、仲見世へ。雷門の大提灯は張りぼてに見えるが、じつは、700kgもある。スズキのアルト並の重量だ。直撃されたら、たぶん、即死。なので、大提灯の下は通らないことにしている。

仲見世通りは、ふだんは吹き抜けだが、真夏には天井が張られ、冷房がつく。だから、どんなに歩いても疲れない。早朝は、まだ閉まっている店もあるが、すでに、人で一杯だ。アジア人が7割、修学旅行の学生が2割、欧米人がちょびっと、あとは、おばさん。僕みたいなサラリーマンはいない(あたりまえか)。

フィリピン人らしきおじさんが、ニコニコしながら、僕にデジカメをわたす。写真を撮って欲しいらしい。50歳ぐらいの父親と、20歳ぐらいの息子。2人並んで、パチリ。ところで、こんな歳の父と息子が、2人旅?

小さい頃から愛情をかけられ、物心つくと、父親を尊敬するようになり、深い愛情と信頼に結ばれた父と子・・・と勝手に想像する。うらやましい気もするが、とても真似はできない。

さて、ガスも抜いたし、エネルギーもチャージしたし、仕事に行くとするか。それにしても、東京の夏は暑い。

by R.B

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