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スモールトーク雑記

■バイデン大統領の「台湾防衛」発言の真意 2022.06.03

米国バイデン大統領の「台湾防衛」発言が物議をかもしている。

2022年5月23日、日米首脳共同記者会見で、バイデン大統領から爆弾発言が飛び出したのだ。

記者 :米国は、台湾防衛のために軍事介入する意志はあるか?

大統領:イエス。それが我々がした約束だ。

何のためらいもなく即答、しかも、2回も繰り返している。これにはビックリだ。これまで、米国は「一つの中国」を支持し、台湾が中国の一部であることを認めてきた。であれば、中国が台湾に侵攻しても、内戦なので、軍事介入は内政干渉にあたる。一方で、台湾海峡の軍事紛争は容認できないという。

どっちやねん?

これを米国の「戦略的曖昧さ」という。中国との全面戦争はイヤだけど、台湾が中国になるのも困るなぁ、ということ。虫のいい話だが、米国のソロバン勘定なら当然だろう。

ところが、今回は、台湾有事では米国は軍事介入すると明言したのだ。「戦略的曖昧さ」から「戦略的明確さ」に大転換?

この時期に、なんでまた?

バイデン大統領は高齢なので(79歳)、米国の中国政策を忘れてしまった、という身もフタもない説もあるが、それは違う。台湾有事の件は、この1年で3回も軍事力の行使を口にしているからだ。3度目となれば、うっかり物忘れではない。確信犯である。

一方、バイデン大統領の認知症を疑う向きもあるが、人間は60歳を超えると、誰でも「まだらボケ」。とくに記憶力が劣化する。だが、認知症か否かは、記憶力でなく論理力で判断するべきだろう。

バイデン大統領は、たとえ、まだらボケでも、論理的思考は日本の閣僚よりはマシ。ただ、日本の国会議員がすべてCランクと言うつもりはない。高市早苗議員のように、頭脳明晰で論理に一部のスキもない議員もいるから。ただ、それが超少数派だと言いたいのだ。

バイデン大統領の周囲も困っている。台湾防衛の発言のたびに、中国政策に変更はないと、閣下の発言を訂正する羽目になるから。一方「そんな不遜な輩は解雇せよ」という議員もいるし、ライバルの共和党の中にも「バイデン大統領は正しい。台湾を守るための軍事介入は既存の政策と矛盾しない」と言い切る議員もいる。

ん~、だから?

だんだん歯切れが悪くなってきた。

そこで結論。

まず、バイデン政権は中国と対立しているのか?

イエス!

根拠は2つある。

第一に、バイデン大統領は、グローバリズムを推進する国際金融資本の支持を受けて、当選した。だから、グローバリズムに敵対するナショナリズムを掲げる中国は明確に敵(ロシアも)。

第二に、米国は19世紀後半から、環太平洋地域の覇権を手放したことは一度もない。この地域は、太平洋とその沿岸諸国々を含み、米国大陸とユーラシア大陸のバッファとして重要だから。

かつて、大日本帝国は大東亜共栄圏をぶちあげ、環太平洋地域に進出しようとした。それで米国の怒りをかい、太平洋戦争に引きずり込まれ、原子爆弾まで落とされたのだ。

そして、21世紀、日本に代わって中国が環太平洋地域の覇権を狙っている。南シナ海、東シナ海、台湾、日本を併呑しようとしているのだ。つまり、中国は米国の国家安全保障を脅かす最大の脅威と言っていいだろう。

だが、気づくのが50年遅かった。米国の一番のミスは、1972年2月の米国ニクソン大統領の中国訪問だろう。資本主義の台湾を見捨てて、共産主義の中華人民共和国を「中国」と認めたのだ。世界中がビックリ仰天、「ニクソン・ショック」というコトバが生まれたほど。

仕掛けたのは、キッシンジャー大統領補佐官だ。理由は諸説あるが、誰も言わないのが経済的動機。中国を国際市場に引き込めば、かつてない巨大な消費市場が出現する。グロバーリズムを掲げ、世界中で金儲けしたい国際金融資本はウハウハだ。そのからみで、キッシンジャー大統領補佐官は、国際金融資本の手先というウワサもある。真実かどうかは本人のみぞ知るだが、因果関係からみれば明らかだ。

話を「米国Vs.中国」にもどそう。

この2つの理由から、米国は民主党も共和党も一致団結して「反中」、なんとも分かりやすい国だ。

つぎに、バイデン大統領の「台湾有事の軍事介入」発言は?

マジ本気。

ただし、「米軍を派遣する」とは言っていない。これに気づいた一部の識者は「ははぁん、タダの脅し、空砲だ」という人もいるが、それは違う。なぜなら、中国が台湾に軍事侵攻する確率が、しない確率より高いからだ。

そのとき、米軍を派遣しなかったら?

軍事介入すると言ったけど、米軍派遣とは言ってない、は通らない。そんなん詭弁じゃん、で一刀両断にされるから。

というわけで、米国は台湾に軍を派遣せざるえない。でも、そうなったら、中国との全面戦争は避けられないから、困りますよね。

じゃあ、どうする?

バイデン大統領は失言が多いが、3回言ったら本気、策があるのだ。

そのヒントになるのが、最近の日本の動向。日本政府は、防衛費を増額し、日米同盟をさらに強化し、対中包囲網を形成すると明言している。これは、秘密でも陰謀でもなく、公開された情報による。じつは、この政府の新しい方針がバイデンの秘策とリンクしているのだ。

つまりこういうこと。

台湾有事には、米国は援軍を派遣する。ただし、米国の正規軍ではなく、頼もしい同盟軍「日本の自衛隊」。これなら、バイデン大統領の発言にウソはない。台湾を守るために軍隊を派遣するのだから。ただし、それは米軍ではなく、日本軍なのだが。

米国が中国との全面戦争を避けるかわりに、日本と中国が全面戦争?

シャレにならん、それはお断り!

すると、米国はこう切り返すだろう。

え?日本は同盟国だと思っていたのに残念。核の傘ははずすから、中国の核と自力で戦ってね!

「上等や、自分で核をもったるわい!」とタンカが切れるのは、高市早苗議員ぐらいだろう。

現実的にムリ?

「できない」から発想するから日本はダメなのだ。だから、中国、韓国、北朝鮮にいいようにされても「遺憾に思う」しか言えない。

バカじゃないのか?

こんな議員を税金で雇うのは、いかがなものか。

日本の政治家の論理力と決断力はここまで劣化しているのだ。あの明治維新を成し遂げた国とは思えないのだが、気のせいかな。

by R.B

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