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スモールトーク雑記

■伊勢志摩サミットとIBMサミット 2016.05.28

2016年5月26日、東京は警察官であふれていた。

石を投げれば警察官にあたる・・・ちょっと試してみようかな?

いや、やめとこう。

命中したらタダですまないから。夜のTVのトップニュースを飾り、顔写真付きで報道され、物笑いの種になるのは見えている。

ところで、なぜ、警察官が急増したのか?

言わずと知れた伊勢志摩サミット。

伊勢志摩なのに、なんで東京なのだ?

と噛みつきたくもなる。というのも・・・

東京、秋葉原ではコインロッカーが使えず、重いカバンを持ち歩く羽目になった(腰に来る)。あげく、金沢~東京の北陸新幹線はゴミ箱が使えない。ゴミはお持ち帰りください、というわけだ。車内で買ったコーヒーの紙コップ、どーすんの? そっちの都合なんだから回収してよ!

そもそも、伊勢志摩の会議と北陸新幹線のゴミ箱とどんな因果関係があるのだ?

テロリストがゴミ箱に爆弾を仕掛けるのを防ぐため?

テロリストがゴミ箱が使えないからとあきらめるか?

やめた・・・不毛の文句で脳梗塞なんてシャレにならない。ということで、本題に入ろう。

じつは、5月26日、僕もサミットに出席していた。ただし、伊勢志摩サミットではなく、IBMサミットの方。年に一度開催されるIBMの最大のプラベートショーだ。

2016年5月24日から3日間、品川のグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで開催された。100を超えるエキサイティングなセッション、最新の商品やサービスが展示されたコーナー、さながら、IBM王朝の満漢全席だ(満漢全席:清朝の最高級宮廷料理)。

しかも、これほど大規模で、てんこ盛りなのに、すべて無料!

さすがはIBM。ヒト・モノ・カネ・テクに不自由しないから、こんな離れ技ができるんですね。

IBMは、GoogleやAppleにくらべ影が薄いけど、ITの基礎技術では世界一。某大手メーカーの特許部の友人によれば、IBMは米国特許でナンバーワン。さらに、最先端技術の人工知能(AI)でも、ダントツだという。

さて、今年のIBMサミットだが、昨年と大きな違いがあった・・・トイレに行くのもタイヘン!

セッションが終了して、会場を出ると、フロアは人、人、人で、立錐の余地もない。目と鼻の先のトイレに着くまでに数分かった。来年から会場変えないとダメですね。

セッションも満員御礼。去年は予約がなくてもイスに座れたのに、今年はムリ。会場内の両側、後ろは立ち見の人で一杯だった。さすがに、前で立ち見する強者はいなかったが(つまみ出される)。

もう一つの違いがタイトルだ。

昨年(2015年)は・・・「IBM XCITE 2015 A New Way」

今年(2016年)は・・・「IBM Watson Summit 2016」

違いは、「Watson(ワトソン)」という具体的な商品名が入っていること。「XCITE=Excite?=コーフン」なんて悠長なことを言っている場合ではないのだ。

事実、IBMのWatsonへの入れ込みようはハンパない。露出もすごいが、リクルートもすごいのだ。

知人に、米国アイビリーグの博士課程卒のデータサイエンティストがいるが、IBMからオファーがあったという。仕事はズバリ「Watson」。結局、IBMよりフリーランスを選んだのだが、おかげで、今もいっしょに仕事をしている。

IBMはかつて、コンピュータ業界の巨人だった。これは比喩ではない。

1964年発表した汎用コンピュータ「System/360」は、ブッチギリのハイスペックマシンで、米国のコンピュータ市場の70%を独占したのだ。残りの30%を、他の7社・・・UNIVAC、Honeywell、GE、CDC、RCA、NCR、バロースで分け合った。そこで、コンピュータ市場は「白雪姫(IBM)と7人の小人たち(その他)」と揶揄されたものだ。

その後、IBMはパソコンの業界標準「PC/AT互換機」を確立したのに、最終的に互換機メーカーに市場を奪われた(パソコン市場から撤退)。つぎに、現在のGUIベースのOS/2を開発したのに、マイクロソフトに裏をかかれ、WindowsにOS市場を奪われてしまった(OS/2は販売中止)。

ただし、OS/2にはIBMらしくない致命的な欠陥があった。ふつうに使っている分には問題はないのだが。それより、不安定な3.5インチFDD(今のUSBメモリ)には悩まされたものだ。

そんなこんなで、IBMにしてみれば、やっとれん、なのだが、前述したように、最強の技術を有する巨大企業である。カンタンにあきらめない。そのあきらめないIBMの起死回生の最終兵器が「Watson」なのだ。

IBMは「Watson」を人工知能(AI)とはよんでいない。「コグニティブ(Cognitive)」とよんでいる。直訳すると「認知」。

Watson(ワトソン)は、自然言語を理解できるので、ナマのテキストを読んで、学習することができる。その膨大な知識と知恵で人間の意思決定を支援する。分野は、医療、会計・税理、法律、研究開発、人事、教育、ユーザーサポートとあらゆる分野におよぶ。

10年以内に、人工知能(AI)が人間の50%の仕事を奪うという予測もあるが、Watson(コグニティブ)のことを言っているのだ。ただし、「50%」は間違い、「99%」と考えた方がいいだろう。

というのも、人工知能の進化が「加速」しているのだ。

たとえば、2014年の人工知能業界の常識・・・チェスと将棋では、人間はコンピュータにかなわないが、囲碁はあと10年は大丈夫。

ところが、翌2015年・・・Googleの「AlphaGo(アルファ碁)」が人間のプロ棋士(二段)に勝利したのだ。つづく、2016年3月、世界でトップクラスのプロ棋士イ・セドル九段にも完勝した。

ではなぜ、10年も予測を間違えたのか?

野球で、手元で伸びる球は打ちにくい。つまり、「加速」は読みを狂わせるのだ。

こうして、「人工知能の加速」は囲碁で証明されたのだが、それを、今回のIBMサミットでも痛感したのだ。

伊勢志摩サミットで「世界が変わる」なんて、誰も思っていない。政治家の個人的なパーフォーマンスにすぎないから。今回はとくにオバマさんの。

しかし、IBMサミットで「世界が変わる」と感じた。なぜなら・・・僕はそこで未来を見たのだ。

《つづく》

by R.B

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