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週刊スモールトーク (第546話) 君たちはどう考えるか(2)~少子化対策は天下の愚策~

カテゴリ : 人物社会

2023.08.25

君たちはどう考えるか(2)~少子化対策は天下の愚策~

■蜃気楼の大国

「日本衰退論」が、かまびすしい。

一方、これに反対する向きもある。いわく、自分を落としめるのは、自虐的で、気持ち悪い。危機感を煽って、目立とうしているだけ、というわけだ。

では、どっちが正しい?

「日本の衰退」は事実である。

動かぬ証拠がある。

日本礼賛者が、好んで取り上げるのが「日本のGDPは世界第3位」。これで日本は経済大国といいたいのだ。

ところが、1人あたりのGDPは「世界第27位」。先進国最下位です。

どうなってる?

GDP(国民総生産)=国民1人あたり生産×総人口

つまり、日本は、国民の頭数でかせいでいるだけ。国民一人あたりは「世界第27位」なのに、経済大国と言われても・・・

さらに、「日本の輸出額は世界第4位」というのもある。

ところが、1人あたり輸出額は「世界第44位」。こちらも、頭数で稼いだ金メッキのトロフィー。

そこで、日本礼賛者は科学力にも言及する。いわく「日本のノーベル賞受賞者数は世界第7位」。

ところが、1人あたりノーベル賞受賞者数は「世界第39位」。

んー、なんかあやしいぞ。データや数字は、鵜呑みにすると、真実を見誤りますね。

そもそも、この指標は国力の一面にすぎない。国民にとって、GDP、輸出額、ノーベル賞は雲の上の話で、こんなもので「豊かさ」を実感できるはずがない。

では、国民一人一人が「豊かさ」を実感できる指標は?

ズバリ、お給料です。

では、日本の賃金は?

アメリカの約半分で、ドイツ、フランス、イギリスより低い。さらに、韓国にも負けている。

これにはビックリだ。

20年前、仕事でソフト開発を韓国にアウトソースしていた。人件費が安い上に、エンジニアが優秀だったから。ところが、今は立場が逆転。日本は、韓国の下請け?

低賃金を念押しするようで、気が引けるが、もっと哀しいデータがある。

2020年、日本より賃金が低い国は、旧社会主義国と、ギリシャ、イタリア、スペイン、メキシコ、チリぐらい。日本は、驚くなかれ、OECDの中で最下位グループなのだ。

これで「経済大国」はムリです。

■米国に見放される日本

「日本衰退」をしめす指標は、まだある。

国の存亡にかかわる国家安全保障だ。それが、危機的状況にあるのだ。

安倍晋三元総理が暗殺され、まともな保守派が崩壊しつつあるから、当然なのだが。

2023年8月7日、ワシントン・ポストが、驚くべきニュースを報じた。

中国人民解放軍のハッカーが、日本の防衛省の最も機密性の高い情報を扱うコンピュータ・システムに侵入していたというのだ。

じつは、2020年秋に、米国家安全保障局(NSA)が、それを察知し、日本政府に通達していた。当時のポッティンジャー大統領副補佐官と米サイバー軍司令官を兼務するナカソネNSA局長が来日し、このセキュリティ侵害を日本の防衛省首脳に伝えたというのだ。

その後、トランプ前政権からバイデン政権に移行し、オースティン国防長官が日本側に、サイバー対策を強化しなければ情報共有に支障をきたすと、念押しした。ところが、2021年秋、「日本政府の取り組みの遅さを裏付ける新たな情報」を米政府が把握し、日本側に警告したという。

つまりこういうこと。

米国が、国家安全保障にかかる重要事項を、日本に何度警告しても、手を打たない。これでは、情報漏洩が怖くて、情報共有できないだろう。日本は同盟国として、信用されなくてあたりまえ。

米国に見放されたらどうするの?

自立する?

ムリです!

もし、ウクライナが核を放棄しなかったら、2022年のロシアのウクライナ侵攻はなかっただろう。

イラクのサダム・フセイン政権が米国に倒されたのは、核を保有しなかったから。

北朝鮮が、アメリカと対等に外交できるのは、核を保有しているから。

何が言いたいのか?

「核の抑止」が成立しているのだ。

というわけで、日本が自立するには、絶対条件がある。

日本みずから、核武装し、核ミサイルを搭載した原子力潜水艦を、太平洋と日本海に展開すること。これなら、中国も北朝鮮もうかつに核攻撃できない。日本の核ミサイルが、どこから飛んでくるかわからないから。というのも、原子力潜水艦は、人工衛星からも航空機からも探知できないのだ。

日本が自立する道はこれしかない。

これは脅しではなく、事実である。

冷静に考えてみよう。

外交や通常戦で優位に立っても、「核を使うぞ」と脅されたら終わり。降参するしかないではないか。小学生でもわかる話だ。

もし、核ミサイル搭載の原子力潜水艦を展開する覚悟がないなら、アメリカの属国になるしかない。サイバーセキュリティ対策が、これほどユルユルなら、同盟国として信用されないから。

というわけで、日本の選択肢は限られている。

核武装するか、アメリカの属国になるか、中国に併呑されるかの三択。その前に、中国が台湾に侵攻したら、中国は制海権と制空権を確保しようとするから、石垣島周辺も戦場になる可能性がある。

そんな状況で、国会議員が公金でフランス観光旅行!?

2023年7月末、参議院の松川るい議員と元SPEEDの今井絵理子議員ら、自民党女性局38名が「フランス研修」と称して「フランス税金旅行」を満喫したのだ。

「日本衰退論」どころではない。

日本終ってます。

■少子化対策の愚

今回のフランス税金旅行で、日本の劣化が露呈した。

まず、やったこと「フランス税金旅行」は酷い。

だが、もっと酷いのはその後。

事件の3週間後、やっと、松川るい議員が女性局長を辞任したのだ。このニュースは、SNSでトレンド入りし「女性局長をやめるだけで、自民党もやめなければ、議員もやめない」、「学校でいうと、退学レベルのことしたけど、学級委員長の辞任で終わりってことだよね」などの声が相次いだ。

一方、一応ケジメを付けた松川るい議員に対し、元SPEEDの今井絵理子議員はダンマリ。これに対しSNSでは「松川るいは何でスケープゴート役?どちらかと言えば、今井絵理子の方が要らなくないか?」と、的を得たリマインドが殺到している。

そんなざわついた話はさておき、フランス税金旅行は明白な「公金横領」である。中国・習近平体制なら、免職ではすまない。事実、汚職がバレて行方不明の人もいる。コワイコワイ。

日本は、今はだらしがないが、江戸時代なら、公金横領は、市中引き回しの上、縛り首です。

ところが、もっと酷いことがある。

議員さんたちの税金旅行は、今に始まったことではないというのだ。まぁ、想定内だし、別に驚かないが。

酷い話は、まだある。

今回のフランス税金旅行の目的は研修で、その一つが「少子化対策」だったというのだ。

これは大間違いです。

目的が間違っているなら、結果が研修でも観光でも、どっちでもいいじゃん?

そういう問題ではない。

ではなぜ、少子化対策は間違っているのか?

国益に反するから。

冷静に考えてみよう。

少子化対策とは、子供を増やして、国に貢献させること。

ところが、子供が成人するのは20年後。つまり、投資を回収するのに20年もかかるのだ。

その前に、日本が激変したらどうするのか?

中国は「香港→台湾→日本」と支配圏を拡大しつつある。事実、香港はすでに支配下に入っている。日本が中国の省になったら、少子化対策なんて言っている場合ではない。20年後はないのだから。

それより怖いのはAIだ。

早ければ2、3年、遅くとも数年で、AIはAGI(人工汎用知能)に進化するだろう。AGIは、人間にかわって労働し、発明も発見もこなす。そのため、AGIは「人類最後の発明」といわれている。

労働も発明も発見もAIがやるなら、人間は何をやるのだ?

そんな未来が待っているのに、20年後の労働力をあてにして、少子化対策に投資する?

バカじゃないのか。

そもそも、投資と回収はセットですよね。

これは、企業も国も同じ。社員が稼いだ利益、納税者の税金を使うのだから、回収が見込めない投資するのは大罪です。

為政者は、あらゆる要因を考慮して、優先順位をつけ、投資するべきだ。今投資するべきは、子供ではなく、今働いている現役世代でしょう。AGIが誕生するまでしのげばいいのだから。

■人口が減るのは良いこと

少子化対策を「投資と回収」で論ずれば、こんな反論が出るだろう。

カネより大事なことがある。人口が減ること、それが問題です!

ゼンゼン問題ありません。

そもそも、人口が減って、何が困るのですか?

それどころか、地球にとって、人間は少ないほど良いのでは?

人間は、地球の資源を食いつぶし、汚染物質をたれながし、ゴミの山を築いている。人間は地球の破壊者なのだ。

いやいや、人間様は、地球の王者だから、人間が良ければそれで良し!

百歩譲って、そうしますか。

では、人口が多いほど、人間様は幸福ですか?

江戸時代(1603年)の人口は1227万人で、現在(2023年)は1億2330万人。江戸時代の人口は、現在の1/10しかなかったから、江戸時代の人間は、今の人間より10倍不幸だった?

ありえない。

ちょっと常識を働かせれば、誰でもわかりますよね。

そもそも、それを示すデータもロジックも見つからない。だから、人口と人間の幸福に、相関関係も因果関係もないのだ。へそ曲がりが、重箱をつつけば、何か出てくるかもしれないが、事実関係の大勢に影響はない。

つまりこういうこと。

誰も信じて疑わない絶対正義「少子化対策」は、天下の愚策なのである。

ところが、与党だけでなく、野党も賛成しているからビックリだ。日本の政治が機能していないのは明らかだ。

さらに、政権の監視役であるマスメディアも識者も機能していない。「少子化対策は間違い」なんて言説は、聞いたことがないから。

こんなことも気づかないほど、日本は劣化しているのだ。

日本が衰退するのは必然ですね。

では打つ手はない?

あります。

「ちゃんと」考えれば、日本が三等国から蘇る可能性はゼロではない。

《つづく》

by R.B

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