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週刊スモールトーク (第277話) 複雑化する世界Ⅰ~「部品50億個」の恐怖~

カテゴリ : 社会科学

2015.01.03

複雑化する世界Ⅰ~「部品50億個」の恐怖~

■複雑化する世界

世界は複雑になりすぎた ・・・

テレビを観るだけで、30個もボタンのついたリモコンとにらめっこ。メーカーに言わせれば、番組を選ぶだけなら、ボタンは1つしか使いませんよー、じゃあ、どのボタンを押せばいいのだ!と、年寄りはイラついている。まして、予約録画など複雑すぎて、何をどうしたらいいかサッパリ ・・・

それにくらべると、昔のテレビはシンプルだった。操作するのは、電源ボタン、選局ダイヤル、音声ボリュームの3つだけ。そもそも、テレビは番組を観るためにあるのだから、それで十分。

ではなぜ、リモコンのボタンは30個に増えたのか?

機能が増えたから。

たとえば、番組表の表示、番組内容の表示、録画、録画予約 ・・・ ここまではいいのだが、

画面を分割して、複数のチャンネルを同時表示!

なんのために?

複数のチャンネルをチェックして、いつでも観たい番組にチェンジ!

バカじゃないの?

せちがらいというかなんというか ・・・ 40年前の交通安全の標語大賞を彷彿させる。

「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」

日本人の「せっかち」は40年前とかわっていないわけだ。

それに、この機能は「映画を早送りで観る」ようなもの。ムダに凄いとしかいいようがない。

そんな不毛の機能と引き替えに、肝心の「使いやすさ」がスポイルされたわけだ。これを本末転倒と言わずしてなんと言う。

では、なぜこんなバカなことが起きているのか?

家電製品をデジタル化すると、画面分割のような小細工がカンタンにできるから。手間もコストもかからないなら、付けとけというわけだ。

でも、

「機能が多い → 分かりにくい・使いにくい」

という重要かつキモの部分を忘れてません?

もちろん、機能も重要である。

行き着くところ、

「利便性=機能×使いやすさ」

だから。

実際、仕事で使うプロ用ツールなら、「機能」が最優先だろう。でも、一般大衆向けの日用品なら「分かりやすさ・使いやすさ」が一番。

ここを極めたのがアップルのスティーブンジョブズだ。彼がプロデュースしたMac、iPhone、iPadは、マニュアルがなくても操作できる史上初のコンピュータとなった。とはいえ、このアイデアはジョブズの専売特許というわけではない。「Simple is best」、「オッカムのカミソリ」、この手の教訓は枚挙にいとまがないから。

■ネットワーク世界のリスク

というわけで、「高機能」は「使やすさ」を台無しにしている。ところが、「高機能」の弊害はそれだけではない。ユーザーに過分な「リスク」を押しつけているのだ。

一般に、ものごとは、「高機能」になるほど「複雑」になる。そして、「複雑」になるほど、「リスク」は増大する。

たとえば、買い物。

昔は、お店に行って、商品を見て触れて、買う物が決まったら、レジに行って代金を払う。子供でもできるカンタンな取引だ。リスクといえば、まがい物をつかまされるか、ニセ札をつかまされるか。いずれにせよ、被害はその取引に限られる。つまり、

「単機能→単純→ローリスク」

ところが、現在主流のネットショッピングは ・・・

「高機能→複雑→ハイリスク」

具体的にみていこう。

買う物が決まっている場合、「価格.com」を使えば、最も安いサイトを瞬時に検索できる。リアル店舗ではありえない機能だ。また、これから買う物を決める場合も、ネットショッピングの方が、断然、高機能。画面上で商品を一望できるので、店内を動き回る必要がないのだ。しかも、購入(取引き)もワンクリックで完了。というわけで、ネットショップはリアルショップにくらべ、はるかに高機能だ。

ところが ・・・

その「高機能」の背後に重大なリスクが潜んでいる。

たとえば、カード情報が盗まれたら?

被害は特定の取引に限定されない。カードを無効にするまで、何度でも使えるから。さらに、カードを使わなくても、住所・名前・電話番号等の個人情報が流出すれば、悪用される。しかも、カード情報や電話番号は変更できるが、住所と名前を変えるのは難しい。つまり、われわれは無制限のリスクにさらされているのだ。

では、なぜこんなリスクが生まれたのか?

個人情報がインターネット上を行き交いしているから(オンライン)。インターネットは無限の広がりをもつ巨大空間、だから、いつ、どこで、漏洩しても不思議はないのだ。

では、昔、個人情報はどうやって管理されていたのか?

孤立した大型コンピュータで管理されていたのである(オフライン)。具体的には、個人情報は磁気テープに記録され、棚の中に保管されていた。使用するときは、棚から磁気テープを取り出し、機器にセットし、読み書きするのである。つまり、磁気テープを持ち出さない限り、個人情報は流出しない。

ところが、インターネットは、磁気テープや大型コンピュータといった物理的制約を取り払ってしまった。結果、個人情報はインターネットを介して、いつでもどこからでもアクセスできるようになった。わざわざ、コンピュータセンターに侵入し、磁気テープを盗み出す必要はないわけだ。

そのため、データベースがハッキングされた、個人情報が漏洩した、詐欺に悪用されたなど、トンデモ事件が日常的に発生している。

では、なぜ、インターネットはセキュリティが脆弱なのか?

「みんなで使う」を前提にしていないから。

1960年代、史上初のパケット通信「ARPANET」が開発された。パケット通信とは、メッセージを小片(パケット)に分割して、バラバラに送信する方法である。この方法だと、長いメッセージを送信しても、通信回線を占有することはない。だから、同時にたくさんのメッセージを処理できるわけだ。

ARPANETは、大学や研究機関で使われた。研究者・政府職員専用なので、性善説にのっとり、セキュリティーはゆるゆるで、悪意に対しては無防備だった。

ところが、ARPANETがインターネットに進化すると ・・・

状況は一変した。メール、買い物、サイト閲覧、データ交換、金融取引、はたまた、軍事作戦と、あらゆる分野で使われ出したのである。もちろん、使用者は品行方正な研究者とは限らない。だから、どこにどんな悪意が潜んでいるかわからない。

さらに、インターネットの通信手順「IP(インターネット・プロトコル)」がカンタンなことも問題だ。根っこが脆弱なら、その上で何をしようが、すべて砂上楼閣 ・・・ データの改ざん、通信妨害、データ盗難、何が起こっても不思議ではない。

というわけで、「つながる=オンライン」がリスクを増大させているのである。

一方、「つながる=オンライン」には恩恵もある。できること(機能)が桁違いに増えたから。

たとえば、消費者が「妊娠しているかどうか」判定できるようになった。商品の購入履歴、個人情報など異種のデータをネット経由で集め、統計学で推定するのである。つまり、直接関係のない膨大なデータを、相互に参照したり、関連付けたり、推定することによって、新しい付加価値を創造する。これを「ビッグデータ」とよんでいる。

つまり ・・・

われわれは、高機能と引き替えに巨大なリスクを受け入れたのである。

■リアル世界のリスク

高機能とリスクのバーターは、ネットワーク世界だけの話ではない。リアル世界にも存在する。

たとえば ・・・

2年前に買ったハイブリッドカー。エンジンは2500ccなのに、燃費はリッター20km!マジか、魔法か、幻か、とご機嫌だったのに ・・・

ある日、車から降りて、ドア閉めると、警告音がピーピー。主電源を切り忘れたらしい。そこで、ドアを開けて主電源を切って、ドアを閉めると ・・・ 今度はドアがロックできない。その後、あらゆるシーケンスを試し、やっとロックすることができた。

あのときは焦った。家の車庫だったからよかったものの、もし、旅先だったら ・・・

ところで、原因は?

ソフトのバグ(プログラムのミス)。

ハードの故障なら、いじり回していたら直った、なんてありえないから。

その後、同じ現象が2度起きたが、法則性がみえてきた。イレギュラーな操作を3つ続けるとロックされないことがあるのだ。プログラムがヘンなループに入り込んで、抜け出せなくなったのかもしれない。とはいえ、最終的にロックできたのだから、無限ループに迷い込んだわけではない。まぁ、日本の自動車メーカーが、プログラムに無限ループ(禁断のアホ・プログラム)を仕込むとは思えないが。

というわけで、ハイブリッドカーはコンピュータの塊、というか、コンピュータそのもの。実際、ドアのロックなどの室内制御から、走る・曲がる・止まるの走行制御まで、あらゆる場所でコンピュータが使われているのだ。

「止まる」もコンピュータ制御?

イエス!

雪道や凍結路で、急ブレーキを踏むと、タイヤの回転が停止し(ロック)、路面を滑り出す。こうなったら最後、ハンドルもブレーキも効かない。そこで、ドライバーが急ブレーキを踏んでも、自動的にブレーキのON/OFFを繰り返し、タイヤがロックするのを防いでくれる。これを「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」とよんでいる。

ところが、ハイブリッドカーのブレーキはさらに高機能だ。

ブレーキを踏むとモーターが発電機に変身!タイヤの回転エネルギー(機械エネルギー)を電気エネルギーに変換するのである。しかも、それを、バッテリーに充電するというから凄い。逆に、アクセルを踏むと、発電機がモーターに変わり、タイヤを回転させる。ブレーキで充電した電気エネルギーを使って。

日本が得意とするチマチマ技術だが、ハイテクというわけではない。なぜなら、発電機とモーターは元々同じものだから。入力と出力を入れ替えるだけでカンタンに変身してくれる。スピーカとマイクの関係と同じである。

しかも、この切り替えは、ドライバーが意識する必要はない。すべて、コンピュータが制御してくれる。だから、ハイブリッドカーの「ハイブリッド」は「モータ&エンジン」でもあり、「機械製品&電気製品」でもあるわけだ。

それにしても、情報表示やドアのロックならまだしも、エンジンやブレーキまでコンピュータ制御とは ・・・ コワくないですか?

誤動作で、車が暴走したり、ブレーキが効かなくなったらどうするの?

おおげさ?

では、コンピュータがいかに物騒なものかを示そう。

知ってるよ、ノートパソコンは夏場によくフリーズするから。

ところが、コンピュータの天敵は熱だけではない。電気的ノイズにも弱いのだ。

■コンピュータのリスク

その昔、コンピュータが初めてパチンコに実装された頃 ・・・ むき出しの電子回路の上でライターをつけたり消したり、電気火花で電磁波を発生させ、回路が誤動作するかチェックしたものだ。コンピュータ(当時はマイコンと呼んだ)は、それくらいノイズに弱かったのである。もちろん、今は違う(と思う)。

最後に設計したコンピュータのCPUの動作速度は8MHzだったが、今では4GHz、ざっと500倍である。そもそも、4GHzというのは、(元)回路設計者からみれば、ほとんど「ノイズ」の世界。だから、今時のコンピュータはノイズで動作しているようなもの?

さらに、電磁波のエネルギーが大きいと、誤動作ではすまない。

たとえば、核爆弾、あるいは電磁パルス兵器(EMP:Electromagnetic Pulse)が爆発したら、誤動作どころか、機器そのものが破壊される。爆発で発生した強力な電磁波が、電子機器の導体部に大電流を誘導し、電子部品を破壊するのである。

だから ・・・

全面核戦争で、頭上で核が炸裂したら、ほとんどの電子機器が破壊される。もっとも、電子機器の心配している場合ではない。自分自身が気化蒸発するのだから。

一方、遠方の核爆発、電磁パルス兵器なら、気化蒸発はない。ただし、家電製品、スマホ、タブレット、パソコンはもちろん、機械製品でも電子部品が1個でもあれば破壊される。

では、電子部品が1個もない純粋無垢の機械装置なんてあるの?

ある!

トンカチ、スパナ、包丁のたぐいはさておき、機械式腕時計

安価で精度の高いクォーツが普及した今でも、機械式腕時計は売れ続けている。ただし、20万円~10億円の高級品。じつは、あのリーマンショックから、いち早く回復したのも「機械式腕時計」市場だったのだ。

機械式腕時計は、一見ローテクだが、計時機能をすべて機械部品で実現しているので、究極の複雑機械。しかも、電子部品を1つも使っていないので、電磁波ではビクともしない。というわけで、核戦争に備えるなら、高価で精度の劣る機械式腕時計に限る!?

■深刻なリスク

話を高機能にもどそう。高機能は使いやすさをスポイルしているが、一番の弊害はリスクだろう。高機能になるほど複雑になり、リスクが増大し、大惨事になるから。

ただし、すべてのリスクが要警戒というわけではない。

たとえば、遠い宇宙の彼方からエイリアンがやってきて、庭にウンコするリスク。発生確率は低いし(ゼロやろ!)、発生したときの被害も小さい(踏んだらバッチィ!)。だから、リスクの深刻さは最低なのである ・・・ 何についた話だ?

というわけで、

「リスクの深刻さ=発生確率×被害規模」

では、この式を使って、他のリスクを考えてみよう。

たとえば、巨大隕石の地球衝突。6500万年前に、直径10㎞の隕石がユカタン半島を直撃し、生物種の60%、海洋生物の75%が絶滅した。発生確率は数千万年に一回と低いが、被害の大きさは超弩級。個体ではなく、種が絶滅するのだから。つまり、「発生確率」は小さいが、「被害」の大きさが超弩級なら、「リスクの深刻さ」も超弩級。

では、衝突する隕石がもっと小さかったら?

たとえば、1908年6月30日、直径100mほどの隕石がシベリア・ツングースの上空で爆発した。このサイズの隕石が地球に衝突する確率は「数百年に一度」とビミョー。一見、低そうだが、自分が生きている間に起こらないとも限らない。

つぎに、被害の大きさ ・・・ 直径100mだから、ビミョー?

とんでもない!

放出するエネルギーはTNT火薬20メガトン、広島に投下された原子爆弾の1000倍である。もし、ツングースではなく、東京上空で爆発したら、関東平野が全滅する。ユカタン半島に落ちた隕石に比べればマシだが、被害が甚大であることに変わりはない。しかも、発生確率はユカタン半島の隕石より、はるかに大きい。

つまり ・・・

人類滅亡までいかなくても、都市一つが消滅するなら大ごと。さらに、発生確率がビミョーなら、フツーに起こりうる。だから、「リスクの深刻さ=発生確率×被害規模」は、ユカタン半島の隕石衝突と大して変わらないのである。

これに酷似しているのが原発事故だろう。

2011年3月11日、福島第一原子力発電所事故が起こった。このとき、菅直人政権は「東日本壊滅」も覚悟したという。ツングースの隕石衝突どころではなかったのだ。

ところが ・・・

この事故で、大量の放射性物質が放出されたにもかかわらず、問題が「がんばろう日本」にすり替えられ、忘れ去られようとしている。

そもそも、放射能相手に「がんばる」とは一体何なのか?

放射線をがまんして、何になるのか?

頭を切り換えて、逃げるしかないではないか。

ところが、現実に起こったのは ・・・

汚染地域の住民を全国に移住させるのではなく、汚染土壌を全国にばらまいたのである。しかも、怪しい「安全基準値」を根拠に、安全な土壌だと言い張って。早い話、汚染を拡散させたわけだ。気が触れたとしか思えない。日本人の危機意識の低さは承知していたが、これほどとは ・・・

福島原発事故で大量に放出されたセシウム137は半減期は30年、つまり、放射能が半分になるのに、30年もかかる。完全に消えるまでにはどれだけかかるかわからない。実際、チェルノブイリの原発事故の後遺症は、30年経った今も消えていないのだ。

さらに ・・・

大瀧丈二・琉球大准教授らの研究報告によると、福島県で最も一般的なチョウの一種「ヤマトシジミ」の羽や目に異常が生じているという。具体的には、羽が小さかったり、目が陥没していたり。原因は遺伝子異常にあるので、代々受け継がれていくだろう。それはチョウの話で、人間には関係ないと言い切れるだろうか?

チェルノブイリ原発事故の後、子供を中心に甲状腺ガンなど傷病が急増した。であれば、日本でも同じことが起こると考えるべきだろう。

ところが、行政は「県民の不安をあおるのは慎め」と言わんばかりに、放射能汚染情報をあいまいにしている。放射能汚染は、広域かつ長期間にわたって、人間と社会を破壊していく。極めて深刻度の高いリスクなのだ。為政者はもう十分生きたからいいだろうが、あと、何十年も生きる子供はどうするのだ?

というわけで ・・・

発生確率がビミョーで、被害が甚大なら(たとえ人類が滅亡しなくても)、深刻なリスクと考えていいだろう。いつ起こっても不思議はないし、起こったら最後、大惨事になるから。ところが、現在、原発推進派が勢いを増しつつある。だから、今後も同じような原発事故が繰り返されるのだろう。

われらはかくも愚かなり。

■複雑爆発する文明

人間は大切なことを忘れている。

「原子力は人間の手に負えない」こと。複雑すぎて、人間のインテリジェンスでは制御しきれないのだ。そんな恐ろしい怪物を、われわれは解き放ったのである。そして、放ったが最後、二度と封印することはできない(放射性廃棄物問題)。それが、原子力の正体なのである。

しかし ・・・

複雑なのは原子力だけではない。自動車、飛行機、家電製品、通信機器、はたまた、金融商品にいたるまで、複雑化は加速している。つまり、人間の文明は、あらゆるところで、

「複雑爆発」

を起こしているのである。

その第一級戦犯はコンピュータ ・・・

1970年代、コンピュータといえば、情報処理の道具と決まっていた。ところが、手の平にのるマイクロプロセッサー(CPU)が発明されると、コンピュータはあらゆる機器に搭載されるようになった。結果、「部品の数」が跳ね上がったのである(CPUの部品数が異常に多い)。

そして ・・・

部品数が多いほど、機器は複雑になる。子供でもわかる原理だ。

たとえば、CPUの部品数(トランジスタ数)は、2014年で50億個を突破した(Intel Haswel-Eファミリ)。

考えてみてほしい。部品の数が50億個!?

50億個の部品の中で、一つでも壊れたら ・・・ 何が起こるかわからない。

しかも、コンピュータはハードだけではない。膨大なプログラム(ソフトウェア)も含んでいる。今どき、商用ソフトなら100万行(1行=プログラムの最小単位)も珍しくない。この場合、部品数は「100万行=100万個」ナリ。

ちょっと待った、「1本のプログラム=部品1個」なのでは?

ノー!

1行1行が独立した部品なので、まとめて1個というわけにはいかない。99万9999行が正しくても、1行間違っていれば、機器は誤動作するから。だから、100万行のプログラムの部品数は100万個なのである。

ここで、実際の機器の部品数をみてみよう。

たとえば、空飛ぶ複雑機械ジャンボジェット機。部品数は600万個といわれている。

ところが ・・・

600万個の中に、CPU内部の部品(トランジスタ)とプログラムは含まれていない。だから、ジャンボジェットの本当の部品数は「ん十億」。

ん十億個の部品が空を飛ぶ ・・・

こんな怪物、人間の手に負えるはずがない。人手で、50億ピースのジグソーパズルを埋めるようなもの。だから、こう考えるべきなのだ。

人間の道具は ・・・ ”なんとなく”動いているだけ。

つまり、原発事故、飛行機事故、宇宙船事故、自動車や家電製品のリコールが後を絶たないのはあたりまえなのである。

人間は前頭葉の動物である。

このクリーム色の神秘の部品のおかげで、人間は合理性と効率性を極めることができた。その集大成が、道具であり、文明なのである。ところが、道具にコンピュータが搭載されると、状況は一変した。くだらない機能と部品数が急増し、「複雑爆発」が起こったのである。あげく、ヒト・モノ・カネの「過剰結合」がこの爆発炎上に油を注いでいる。

その結果 ・・・

われわれの行く手に、予測不能、解決不能のリスクが出現した。このリスクが災いに転じるのは時間の問題だろう。

だから、「複雑化」は人類を破滅に導く伝道者なのである。

by R.B

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