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週刊スモールトーク (第224話) 禁酒・断酒の効果Ⅱ~アルコールと脳萎縮~

カテゴリ : 社会

2013.09.15

禁酒・断酒の効果Ⅱ~アルコールと脳萎縮~

■心臓と脳

人間は、つまるところ、心臓と脳で生きている。だから、どちらか一方が機能を停止すれば、「死」と判定される。それまで積み重ねた人生がリセットされるわけだ。この無慈悲な瞬間はすべての人間に訪れる。人種、老若男女、富貴を問わず。

人間は、この時が来るまで、2つの世界を生きる。現実世界と夢世界だ。現実世界の体験で夢世界が創造され、夢世界の体験が現実世界に反映される。このシナジー(相乗)によって、人間の体験は立体化されている。

ただし、ここで重要なことがある。

体験に成功も失敗もないこと。なぜなら、富も名声も来世にもちこせないから。

つまり、人生の究極の目的は「体験」そのものにある。

人間の身体はそのための化身(アバター)に過ぎない。さらに、その化身の寿命を決めるのが心臓と脳というわけだ。

だから、心臓と脳は大切にしよう。

どうやって?

「心臓と脳に悪いこと」はしないこと。

■アルコールと心臓

年明け早々、会社の定期健康診断で不整脈が見つかった。初めてだったし、事が心臓なので、一大決心して、酒を断つことにした。結果、禁酒1ヶ月後の精密検査で、コレステロール、中性脂肪、血糖値が劇的に改善し、すべて正常値にもどった。ところが、肝心の不整脈が治らない。そもそも、治療も投薬もないので、改善するわけがないのだが。

担当医師によると、生活上、特に注意することはないが、「心臓を刺激する」ことは避けたほうがいいという。

具体的には ・・・

ストレス、睡眠不足、不規則な生活、激昂(げきこう)、そして、カフェインとアルコール。

ところが、ただの不整脈ならアルコールはOKという医者もいる。

また、社会に広く流布する常識によれば、
・ほどほどの酒はむしろ健康によい。
・ワインのポリフェノールは心臓によい。

実際、周囲の不整脈持ちは、みんな酒をバカスカ飲んでいる。

理由を問い詰めると、

「酒をやめたら、余計ストレスがたまるだろ。それって、心臓に悪いぞ!ガハハハ」

当たらずとも遠からず!?

そんな心ない雑音に振り回されることなく、禁酒(じつは断酒)を続けて、7ヶ月経った。ビールの鬼門「夏場」も、なんとか乗り切ったわけだ。1年365日、おたふく風邪で入院した時以外、一日も欠かさなかったビール。そんな愛すべき伴侶となぜ別れることができたのか?そもそも、禁酒で不整脈が治るわけではないのに。

じつは、禁酒は心臓のためではない、「脳」を守るためなのだ。

■アルコールと脳

昔々、まだ若く、酒も飲まなかった頃、10桁の数なら一撃で覚えることができた。実際、電話番号「10桁」は、人間が苦もなく覚えられる桁数からきている。つまり、フツーのことができなくなったのだ。

ところが、禁酒6ヶ月後、トートツに脳テストを思い立った。13桁のWiFiのパスワードと、21桁の歴史ソフト(ガイアチャンネル)のラインセンスコードを覚えようとしたのだ。

それから1ヶ月経ったある日、ふと、意味不明の文字列が脳に浮かんだ。そこで、脳を再スキャンすると、先のパスワードとライセンスコードだった。禁酒前なら、絶対にありえない。自分のケータイ番号(11桁)はおろか、マイカーのナンバー(5桁)さえ覚えられなかったのだから。

ひょっとして ・・・

頭が悪くなったのは、加齢だけのせいではないかもしれない。

飲酒(アルコール)も関係しているのでは!?

そこで、ネットでアルコールと脳の関係について調べてみた。

その結果 ・・・

驚愕の真実が明らかになった。

なんと ・・・ アルコールが脳を溶かすというのだ!

これを「脳の萎縮」と言うらしい。

脳の萎縮?

脳細胞が溶けて、脳に隙間ができること。萎縮した脳を、MRIの断層写真でみると、脳の合間に「黒ずんだ隙間」がみえる。この黒ずんだ部分が溶けた脳の残骸というわけだ。コワイコワイ ・・・ なんて言ってる場合じゃないぞ。

さらに ・・・

毎日2合以上アルコールを飲む人は、飲まない人にくらべ、脳の萎縮が10年~15年早く進行するという。

脳天を撃ち抜かれたような衝撃だった(本当は溶けていたのだが)。

そういえば、心当たりが、
・メモをしないと仕事でポカをやるようになった。
・人の名前が思い出せない。
・AKB48がみんな同じ顔に見える(六子×親戚8家族かと思っていた)。
・英会話のCDを聴いていると、0.2秒遅れで脳が認識する。
・10年前に書いたプログラムを改良したら、動かなくなった。

さらに ・・・

昔はコンピュータ・テクノロジーが大好きで、月刊「ASCII」が店頭に並ぶ25日が待ち遠しかった。ところが、いつの間にか ・・・ あんな複雑なもの、どこが面白いのだ?まぁ、身もフタもない。時を同じくして、「ASCII」も休刊(廃刊)になり、コンピュータ・テクノロジーのワクワク感は忘却の彼方へと去って行った。

ところが ・・・

最近、アップルの新しい「Mac Pro」をみて、ドキドキした。なんと、形状が円筒形!史上初の商用スーパーコンピュータ「Cray-1」を彷彿させるではないか。「Cray-1」はスペックも凄かったが、見てくれも凄かった。なんと「イス型」! ・・・ 「世界一高価なイス」と当時は話題になったものだ。実際に座ることもできたが、20億円のイスに座るのは勇気が要っただろう。

その「Cray-1」同様、新型「Mac Pro」は見てくれもスペックも凄い。最速のCPUとメモリを採用し(旧機種の2倍高速)、ストレージもフラッシュメモリタイプの「SSD」(旧機種の10倍高速)。

さらに、強力なビデオカードを2枚搭載し、浮動小数点演算能力は「7 TFLOPS」、つまり、1秒間に小数演算を「7兆回」もこなすわけだ。初代スーパーコンピュータ「Cray-1」の5万倍、最新のTVゲーム機「プレステ4」の4.6倍!まさに、スパコンなみのナンバークランチャー(数食い虫)だ。

本来、ビデオカードの浮動小数点演算ユニットは3Dグラフィック専用だが、これだけ演算能力が高いと、汎用演算にも使わないとソン。そこで、そのための仕掛け「GPGPU」にも対応しているという。

これはマジで凄い。パソコン次元でやれることを全部やっているからだ。

科学技術計算と3Dグラフィックを多用するシミュレーションでは、とてつもない力を発揮するだろう。ひょっとして ・・・ 新型Mac Proを使えば、今構想中の「創発型歴史シミュレーター」のプロトタイプが作れるかもしれない。ただし、頭が回ればの話だが ・・・

おっと、それで思い出した。話を「アルコールと脳」にもどそう。

というわけで、禁酒後、ハードに夢中になっている自分に気付いたのである。

つまり ・・・

コンピュータ・テクノロジーに感動しなくなったのは、齢だけのせいではない。酒・アルコールも関係していたのだ!

■恐ろしい脳萎縮

千葉大学の研究結果によると、毎日「日本酒2合(ビール大瓶1.5本)」以上の飲む人は、飲まない人より、脳の萎縮が早まるという。

具体的には ・・・

飲酒による「脳の萎縮」の発現率は、
・ 毎日2合以上飲酒するグループ:38%
・ 毎日2合以下のグループ    :25%

一方、加齢による「脳の萎縮」の発現率は、
・ 30歳代:8%
・ 40歳代:15%
・ 50歳代:36%
・ 60歳代:59%

60歳を超えると、半数以上の人が「脳萎縮」するわけだ。近い将来、MRIで脳を測定して、早期退職の理由にされたりして ・・・ コワイコワイ。

さらに、30歳代~60歳代のすべての年代において、飲酒グループ(1日2合以上)は、非飲酒グループにくらべ、脳の萎縮が「10年~15年」早く進行するという。

また、1日2合以下の飲酒グループは、全く飲まないグループとくらべ、脳萎縮の差はなかったという。では、1日2合以下なら毎日飲酒しても大丈夫?

ところが、別の資料では ・・・

アルコールを飲んだら飲んだ分、確実に脳は萎縮するという。つまり、
「特定の値以下なら安全」
という「しきい値」は存在しないというのだ。

この「安全基準」問題は福島第一原発事故でも取り沙汰された。当時の主流は「毎時2.28マイクロシーベルト未満なら安全」とか「3万7000ベクレル未満なら安全」という「しきい値説」。ところが、埼玉大学名誉教授の市川博士は、このような「しきい値」で安全と危険を区分する「スソ切り」を否定している。つまり、放射線を浴びたら浴びた分、害があるというのだ。

専門外なので、どちらが本当か分からない。でも、健康や命を脅かす問題なら、安全をふむのが常識だろう。たとえば、この魚が放射能で汚染されているかもしれない、でも見方によっては汚染されていない、と言われて、食べる人が何人いるだろう?

話を「アルコールと脳の萎縮」にもどそう。

飲酒の「量」の問題の次は飲酒の「時期」について。

まず、昔は酒を飲んだけど、今は飲まない人は?

そんな場合分けを、脳の萎縮が少ない順に並べると、
1.生涯酒を飲まない(最良)。
2.過去に飲んだが、今は飲まない。
3.今はほどほど飲んでいる。
4.今はあびるほど飲んでいる(最悪)。

まぁ、すべて想定内。では、昔飲んでも、今飲まなければ、脳の萎縮は治る?

ネット情報によれば、賛否両論だ。

まず、前述したように脳の萎縮の原因は「アルコール」だけではない。

脳が萎縮する因は、
1.年齢:31%
2.飲酒:11%

なんのことはない、アルコールより加齢のほうが大きいではないか。老化で萎縮した脳が元に戻るわけがないから、飲酒で萎縮した脳が回復するはずもない。実際、これまでは、「回復しない」が定説だったという。

ところが ・・・

きっぱり酒を断てば、数週間、数ヶ月、数年単位で脳の萎縮が改善する症例があるという。

一体、どういう理屈で?

アメリカの研究結果によれば、アルコール依存症の患者が断酒すると、脳細胞が爆発的に生成され、7日後には倍増したという(完全に元に戻ったわけではない)。

脳細胞が新生?

人間の脳細胞は生涯変わらないのでは(加齢で減ることはあっても)?

いや、先入観かもしれない。そもそも、医学部は出ていないので。

では、どっちが本当なのだ?

そこで、不整脈を診断してくれた医師に聞いてみた。彼は医学部の現役教授なので、ネット情報よりは信頼できる(と思う)。

その医師によれば ・・・

「僕は循環器なんで、はっきりしたことは言えないけど ・・・ 脳の萎縮の前に、あなたは不整脈なんだから、飲まない方がいい」

身もフタもない。

《つづく》

by R.B

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