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週刊スモールトーク (第182話) 日中尖閣戦争Ⅴ~中国が尖閣諸島を占領する~

カテゴリ : 戦争歴史

2012.10.28

日中尖閣戦争Ⅴ~中国が尖閣諸島を占領する~

■煮え切らない尖閣

2012年10月末現在、日中の尖閣諸島問題は小康状態に見えるが、足下では蹴り合いが続いている。

日本は恐る恐る、中国は正々堂々と!?

実際、中国は、経済・外交・文化、あらゆる分野でやりたい放題だ。

経済面では、毎度おなじみの経済制裁。

外交面では、IMF・世界銀行年次総会が日本で開催されると、それが気に入らないと中国人民銀行総裁がドタキャンした。

文化面では、台湾のオーケストラ「フィルハーモニア台湾」が中国で公演する予定だったが、日本人楽団員3人だけが、中国当局からビザの発給を拒否された。

さらに ・・・

中国公船による領海侵犯も加速している。10月25日に中国の監視船4隻が尖閣沖の日本領海に侵入し、10月26日には領海外側の接続水域にも侵入している。ネチネチとしつこく、執拗なまでの領海侵犯。日本側が根を上げるまで続けるつもりだろう。もちろん、妥協すれば、おしまい、尖閣諸島海域はすべて中国領になる。

ということで、なんでもあり、戦争以外全部やっているわけだ。

ただ、これを「大人げない」と上から目線で論じるのはやめよう。事の本質を見誤るから。
「中国は日本に敵意むき出し」
と素直に受け取ったほうがいいだろう。

ところが、ここにきて、まだトンチンカンな発言をする閣僚がいる。いわく、

「石原都知事が、尖閣は都が買う、なんて言いだすから、中国が怒って、こんなことになったのだ」

この発言の意味するところは、
① 尖閣諸島を日本の領土と認めていない。
②  中国を怒らせないことが一番大事

これが日本の閣僚の言うこと?早い話、この閣僚は日本より中国の国益を優先しているわけだ。中国から給料をもらっているのかな?まぁ、とりあえず、この閣僚に給料を払うのはやめてほしい。我々「日本」国民の税金なので。口の汚い人なら、きっとこういうだろう ・・・ 売国奴。

ということで、起こりそうで、まだ起っていないのは「戦争」だけ。

・・・ ふと、ある名言を思い出した。

起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる ~マーフィーの法則~

■日中尖閣戦争の引き金

あくまで、仮定の話だが、もし、日中尖閣戦争が勃発したら ・・・ どんな展開、どんな結末になるのだろう?

まずは戦争の引き金。
【1.偶発事故】 海上保安庁の巡視船と中国の監視船が偶発的に戦闘状態に入る。
【2.強制占拠】 中国が尖閣諸島をあからさまに占領する。

まずは、【1.偶発事故】から。

いかにもありそうな話だが、中国の次期政権が極端に左翼化しない限り、起きる可能性は低い。また、万一起きても、戦争にまで発展する可能性はほとんどないだろう。局地戦では、中国が負けるかもしれないし、そうなれば、共産党政権が転覆する可能性もあるからだ。

だが、もし、中国がアメリカの中立を取り付け、弾道ミサイルを使う覚悟さえ決めれば、勝機が見えてくる。そうなると、戦争がしたくてウズウズしてくるだろう。世間体(国際世論)があるので、偶発事故にみせかけるだろうが、そうなれば、日本は不意打ちを食らい、初動の損害が大きくなる。ただし、この場合は「偶発」というより、「確信犯」。

ということで、起きそうで起きないのが、【1.偶発事故】による日中尖閣戦争。

つぎに、【2.強制占拠】。

この場合、中国が尖閣諸島を占領するわけだが、誰がやるかで、3つのシナリオが考えられる。
① 漁民
② 偽装漁民(漁船の船底に中国人民解放軍)
③ 海兵隊(中国人民解放軍)

いくら中国でも、いきなり、「③海兵隊」では世間体が悪すぎる。なので、可能性が高いのは①②だろう。実際、中国が南シナ海でとった作戦もこれ。では、具体的にどうやるのか?

まず、中国側は、漁民あるいは偽装漁民を尖閣諸島に上陸させるため、漁船団を送り込む。これに対し、日本側は海保の巡視船で阻止するわけだが、海保の巡視船は、せいぜい数十隻程度なので、大船団なら手に負えない。以前、中国は漁船1000隻で尖閣諸島に向かう、と脅したが、ただのハッタリではなく、ちゃんとした軍事作戦なのである。

ということで、①②による上陸作戦が成功する確率は高い。だが、問題はその後だ。

■中国が尖閣諸島を占領

日本の選択肢は2つある。第一は、
「遺憾だ、憂慮する」
など、いつもの卑屈な抗議に終始し、軍事行動を起こさないケース。もちろん、この場合、「尖閣諸島=中国領」が確定する。実行支配にまさる「領有の根拠」はないので。

ところが、これをやると(何もやってないのだが)、事はそれだけではすまなくなる。

その影響は、日本にとどまらず、アジア全域に及ぶ。中国の軍事力に唯一対抗できる日本が戦わずして降参した ・・・ そうなれば、アジアで、中国に立ち向かう国はなくなるだろう。結果、東シナ海や南シナ海はもちろん、アジアの海はすべて中国領になる。つまり、アジアの地図が「紅一色」に塗り替えられるわけだ。

いや、そうなる前に、アメリカが黙っていないのでは?

ところが ・・・

中東情勢が緊迫したり、アメリカ国内で深刻なテロ(スーツケース核爆弾など)が発生すれば、アメリカはアジアにかまっていられなくなる。そうなれば、
アジアの海=中国領
が現実になる。中国にしてみれば、「EEZ(排他的経済水域)」なんてクソ喰らえ、なのだから。もっとも、EEZは定義も曖昧だし、もともと、なんの強制力もないのだが。

また、このままいけば、中国がアメリカを超える日が来る。そのとき、アメリカはアジアどころか自国の防衛で手一杯になる。中国からアメリカに向けて、何百発もの核ミサイルが、お尻から煙をはきながら待機しているのだから。

そうなれば、アメリカと中国の間で次のような密約が交わされるだろう。
・ アジアは中国に任せる。
・ 中国が日本を核攻撃しても、アメリカは中立を守る

特に2番目は、中国がのどから手が出るほど欲しい確約だろう。これさえあれば、中国は日本に何の遠慮もいらない。通常戦で日本が何十勝しようが、核を使うぞ、と脅すだけで、すべてチャラにできるのだから。実際、過去に、中国はこの件をアメリカに打診したことがある。もちろん、この時はアメリカは断ったのだが。

だから、上記の予測はあてずっぽうではなく、史実と歴史の力学にもとづいている。もちろん、そうなれば、アメリカ軍は日本本土はもちろん、沖縄からも撤退するだろう。ただし、沖縄県民は喜んでばかりはいられない。次に、中国は沖縄を返還するよう要求してくるから。もちろん、宮古島、石垣島、西表島、与名国島を含む形で。現在、「沖縄=中国領」は、まだ中国では主流ではないが、その時は中国共産党の総意になる。

つまり ・・・

中国が尖閣諸島を占領し、日本がそれに目をつむった瞬間、アジアの未来は大きく変わる。中国は、ナチスドイツ、冷静時代のソ連同様、覇権国家を夢見ているのだから。

しかし、中国にはもう一つのシナリオがある。

中国の国力がアメリカを超える前に、中国の民意が、
「自分たちが生きている間に、貧富の格差は解消されないのでは?」
と疑いだしたとき、中国全土で反政府デモが発生するだろう。現政権は崩壊するか、一部の地域を支配するだけになる。現在の自治区は独立にむかうだろうし、清朝末期のように、軍閥が群雄割拠する時代に逆戻りするかもしれない。

結果、中国全土は大混乱に陥り、ソ連崩壊のときのように、核兵器が紛失するおそれもある。また、軍閥の中には、虫の居所が悪くて、核ミサイルの発射ボタンをおす輩もいるかもしれない。そうなれば、全面核戦争 ・・・

■尖閣諸島奪還作戦

というわけで、尖閣諸島が中国に占領されたら、奪還作戦を実行するしかない。放置すれば、日本とアジアにとって、国家安全保障の最大の脅威になるから。

では、どうやって奪還するのか?

尖閣諸島を占拠したのが、「①漁民」なら、海保の巡視船が上陸し、漁民を拘束する。もちろん、「尖閣諸島を実行支配」を決断した以上、中国側が指をくわえて見ているはずがない。中国の監視船が阻止しようとするだろう。ということで、準軍事船がにらみ合い、一触即発の状態になる。

さらに、ここまでくると、中国本土では大規模な反日暴動が起きるだろう。
「漁民を助けろ!13億人の中国が一丸となって、日本をたたきのめせ!」
というわけだ。

もし、中国政府が日中戦争を狙っているなら、これ幸いだが、そうでない場合、中国政府は困ったことになる。日本と戦争するしかなくなるから。漁民を日本に身柄を拘束されっぱなしでは、中国民衆の怒りは、中国政府に向かうからだ。つまり、選択肢は戦争しかなくなる。

また、先の巡視船と監視船の衝突で、もし、相手が中国の海洋監視船「海監」なら、日中戦争は避けらない。

なぜか?

「海監」は、兵装も権限も、海保の巡視船を凌駕するから。そこで、海自の護衛艦の出動となるわけだが、そうなれば、中国海軍もでてくるだろう。というわけで、行き着くところは「海戦」。

ここで、一度整理しよう。

もし、漁民または偽装漁民が一旦、尖閣諸島に上陸すると、日中開戦の確率は急上昇する。もちろん、ルールを決めるのは中国なので、どうなるかは中国次第だ。いずれにせよ、中国が戦争をしたければ尖閣諸島に上陸するだけでいい。

だから、中国の尖閣諸島占領は、宣戦布告を意味する

また、現状、「③海兵隊」が尖閣諸島に上陸する可能性は低いだろうが、それもすべて中国の次期政権次第。すでに左翼化しているか、何らの事情で、左翼化すれば、十分起こりうる。この場合、上陸部隊は重火器をもちこむので、うかつに近づけない。最低、携帯式地対空ミサイルは持ち込むだろうから、ヘタをすれば軍用ヘリでも撃墜される。

ではどうするのか?

相手が海兵隊なら、正規軍同士の戦闘、つまり、純粋な軍事作戦となる。というわけで、ここで正式に、日中尖閣戦争勃発。

ところが ・・・

この時点で、アメリカ軍は出動しない。

え?日米安保があるのに ・・・ アメリカ軍が日本を助けてくれない?

イエス!

■日米安保の本当の意義

じつは、アメリカ軍が日本を見捨てるのは、今に始まったことではない。

1952年に韓国が竹島を占領したときも、1957年にソ連国境警備隊が貝殻島(北方領土)に上陸したときも、日米安保条約下にあったにもかかわらず、アメリカ軍は一切出動しなかった

だから今回も、アメリカは、
「日本の施政下にある尖閤諸島は日米安保条約第5条の適用対象となる ・・・でも、領土問題には介入しないわけで ・・・」
と、謎々をしている。

日本にしてみれば、どっちやねん、だが、たとえ、
「尖閣諸島は安保の適用対象」
を優先したとしても、実際にアメリカ軍が出動するかどうかは、ときのアメリカ大統領とアメリカ議会が決定する。あくまで私見だが、中国が日本に核ミサイルを撃ち込んだとしても、アメリカ本土が核攻撃されないかぎり、アメリカは中国を核攻撃しないだろう。ましてや、孤島の通常戦で、アメリカ軍が出動するわけがない。

それなら、日米安保なんて、何の意味もないじゃん!思いやり予算なんて、とんでもない!カネ返せ、アメリカ軍はでていけ!と言いたいところだが、事はそれほど単純ではない。

じつのところ、日米安保の意義は次の1点に帰着する ・・・

日中尖閣戦争が勃発して、局地戦で日本が勝利したとする。そこで、中国は、
「もうやめとけ、さもないと、核を使うぞ」
と脅す。そこで、アメリカの出番だ。一言、こうつぶやく ・・・

中国が日本を核攻撃するなら、アメリカも核攻撃する(かも)。

それだけで、中国が核ミサイルを発射するの躊躇する ・・・ まぁ、それだけのことなのだ。

逆に「アメリカの核の傘」がないと、日本は中国に対し、完全に無力になる。通常戦でどんなに連戦連勝しても、
「やめとけ、核を使うぞ」
の一言で、ひっくり返るのだから。つまり、中国のいいなり。これは、主権国家ではなく、属国である。そうなれば、力のある日本人から日本を出て行くだろう。つまり、日本はもぬけのカラ。

■日本の核武装

ということで、アメリカの属国といわれようが、なんだろうが、アメリカ様を立てるしかない。それがイヤなら、日本が核武装するしかない。

属国なんかイヤだし、核武装もイヤ?

あの、この問題は、小学生でも分かる二択問題なんですけど ・・・

じつは、この二択問題には補足が必要だ。中国にとって、アメリカが脅威なのは、核ミサイルの質と数で負けているからではない。実は、アメリカの原子力潜水艦を怖れているのだ。

なぜか?

核戦争が始まれば、真っ先に、陸上の核ミサイル基地が破壊される。ところが、原子力潜水艦が海深く潜れば、探知するすべはない。しかも、クルーの食糧と心の問題さえクリアすれば、20年間も潜り続けることができる。だから、原子力潜水艦が全滅しない限り、中国の指導者は安心して眠れないのである。いつ何時、どこから、核ミサイルが飛んでくるかわからないから。

つまり ・・・

原子力潜水艦が全滅するまで、核戦争は終わらない。

これは、原子力潜水艦で劣勢に立つ中国にとっては大変な脅威である。

ということで ・・・

中国のいいなりになるのはイヤだし、アメリカの属国もイヤなら、日本は核ミサイルにくわえて、核を搭載した原子力潜水艦を持つしかない

なんと大それたことを!

なんて、大合唱がステレオで聞こえてきそうだけど、これも「核武装」同様 ・・・ 小学生でもわかる二択問題なんですけど。

つまり ・・・

核武装と原子力潜水艦で主権国家を目指すのか、それとも、このまま属国を続けて、最終的にチベットになるのか?

そろそろ、日本も、現実を直視し、行動する時に来ているのかもしれない。

我々が住む世界は「エデンの園」ではなく「闘技場」なのだから。

《つづく》

by R.B

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